2018.06.29

ヤンマー建機に密着取材! 新設ショールームに込めた想い

ヤンマー建機株式会社(本社:福岡県筑後市、社長:瀬戸智行)は、今年でミニショベル販売50周年を迎える。福岡県を代表するメーカーとして、これを機にさらなるお客様との接点を強化するべく、建機事業の歴史や未来のコンセプトモデルを展示するショールームを新設しました。Y MEDIAチームでは九州まで足を運び、ショールームを体感するとともに、瀬戸社長へのインタビューを実施し、設立の目的や今後の建機事業の展望について話を伺いました。写真は左から順に田中亜季さん(経営企画部 総務部労務グループ)・瀬戸智行社長・増永美紀さん(経営企画部 総務部労務グループ)

九州から世界のあらゆる現場に、新しい価値を。

ヤンマーグループの建機事業を担い、小形建機のパイオニアとして建設機械の生産・販売・開発を手がけるヤンマー建機株式会社。「生販開」の知恵と思いを結集し、人々の豊かな暮らしの基盤づくりに貢献するために、世界のあらゆる現場に新しい価値を提供し続けることをビジョンとしています。ショールームの開設は、お客様視点を大切にしたヤンマー建機ならではのアプローチです。

ショールームの開設について、瀬戸社長にお話を伺いました。

品質力を誠実に伝えるための、「工場で営業する」スタイルを具現化したショールーム。

ヤンマーでは入社してから一貫して技術畑を歩んできました。だからこそ、ショールームを新設する際は、「工場で営業する」ということを一番のコンセプトにしたかったんです。
お客様は当社の製品も他社の製品も比較されますし、その中でまず問われるのが品質。品質を理解いただくために、ヤンマー建機では以前より工場の見学を実施してきました。完成した製品だけではなく、ものづくりの現場を同時に見ていただくことで、品質の良さや安全性を伝えてきました。私たちのスタートラインは、やはり工場で営業することなんです。ヤンマーの品質の高さは、現場を見てもらうことで伝わるという自信があります。安全な見学者通路や橋(社員の間では、瀬戸社長が作った瀬戸大橋と呼ばれています。)を設け、自動化されている工場を可視化し、製造過程をしっかり見てもらった先に、私たちの考えやポリシーが分かるショールームがある。ヤンマーの品質力を伝えるための、必然的な発想だったと思います。

社員の間で「瀬戸大橋」と呼ばれる工場内の見学通路。撮影をした日は海外の方が見学をされていました。

「三方良し」の精神を基本に。

そして、ショールームを開設したもう1つの理由が、「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の「三方良し」の精神です。ヤンマーグループ創業者・山岡孫吉翁の故郷でもある滋賀県の近江商人が大切にしていた考えです。

社会では、お客様視点という言葉もよく使われていますが、売り手が良くないと、買い手も良くならないと私は思っています。だから、従業員のエンゲージメントアップも最重要なファクターでした。工場の在り方を改善し、ショールームを開設するということは、従業員の働く場所も大きく変わるということ。そうやってエンゲージメントを総合的に上げていくことで、人材の採用面でも大切なキーになり、お客様へのメリットにも繋がると考えています。

また、地域の住民や子どもたちと一緒に、感謝祭を年一回催しています。「感動しました!」「楽しかった!」という声もいただき、地域の活性化にも貢献できているかなと感じています。このショールームは、まさに「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の「三方良し」を実現するための場所なんです。

ショールームでは世界の小形建機の原点となるハンドドーザー、ミニショベルも展示しています。

変化を日常とすること。
そんな社内環境と行動体質を目指して。

開発部の部長時代から、ずっと言い続けている2つの言葉があるんです。1つは「需要創造型の商品開発」。これは、お客様の要求を聞いているだけでは10〜20年後の商品はできないということ。自ら創っていかなければ、商品開発の未来は拓かないと思っています。

2つ目は、私のスローガンでもある「変化を日常とする」という言葉です。技術の進化によって環境も目まぐるしく変化する今、職人技に固執していては知らない間に技術力の差がどんどん広がっていきます。時代の流れにいかに対応して、変化していくかが重要。ただ、ベテランになればなるほど、変化が一番のストレスになったりもするんです。でも、「変化を日常にすることは、君たちにとってストレスかもしれない。だけど、そのストレスを感じずに、変化することを日常としてほしい」と、10何年もずっと言い続けていますね。

なぜなら、次の需要創造を生み出せるのは、技術部隊の先行技術です。動向や予測の中に立ち、私たち自身も変化しながら創っていくからこそ、小形建機の可能性も広がっていくと考えています。

労働人口減少・建物老朽化で、建築産業はどう変化していくのか?

やがて訪れる完全無人化においても、人をワクワクさせる建機を創ってこそ、ヤンマー。

近い将来、建築業界の建機は完全無人化になると思っています。現在は完全無人化になる手前の段階ですが、私たちが目指しているのは、いかにオペレーターをワクワク・ドキドキさせることができるか。例えば、お客様の意見を受けて操作の楽しみを向上させるのが需要要求型だとしたら、お客様も気づいていないニーズを考え、実現するのが需要創造型です。

私たち開発者が心がけているのは需要創造型ですが、根幹にあるのはやはり人なんです。だからこそ、人間ならではのワクワク・ドキドキの創造を忘れてはいけないと思います。感性の部分にもしっかりと訴えかける建機を創ってこそ、ヤンマーですからね。

日本の労働人口推移表
ヤンマー建機では、この未来を見越したコンセプトモデルを創り、ショールームに展示しています。

旗艦店のような役割を果たすショールームから、いろんなキッカケが生まれる。

ショールームのご案内を通して感じたこととは? 増永さんと田中さんにお話を聞きました。

外から見ても一目で「ヤンマーの建機!」と分かる空間なので、大型の路面店のように旗艦店的な役割を果たしているなと、実感する機会が増えました。
「こんなショールームがあるんだ」という声を聞くことも多いですね。
現在は、昔から社会科見学で訪れる学校の生徒さんや近隣地域の方をはじめ、取引先のお客様にもたくさん足を運んでいただいています。今までに以上にヤンマーへの興味が広がり、いろんなキッカケが生まれる場所になっていくのではないかと感じています。次回はショールームの魅力を動画や写真でたっぷりお伝えします!

「変化を日常とする」ものづくりで、九州から世界へ新しい価値を提供し続ける。
ヤンマー建機はこれからも、今日の暮らしを支えるための底力となっていきます。

【商品・ショールームに関するお問い合わせ】
ヤンマー建機株式会社
営業本部 営業企画部 プロモーショングループ
TEL:0942-70-8992