2018.12.06

世界中の料理をおいしく、安心できるものに!お米から誕生した新素材ライスジュレとは?

ヤンマーが量産化に成功した、お米と水だけで作られた新しい素材ライスジュレ。無添加・グルテンフリー化が可能になる、幅広い可能性を秘めた新素材です。2018年10月には世界最大級の食品見本市「SIAL Paris 2018」に初出展。現地フランスでも高い関心を集めた、このライスジュレについて詳しくご紹介します。

添加物フリー、グルテンフリーを可能にするライスジュレってどんな素材? 

ライスジュレの原材料はお米と水のみ。
高い保水性・保油性を持つ全く新しい素材として注目されています。

たとえば、米粉のパンといえば、もちもち感があり、自然の甘味を感じられることで人気ですが、日が経つと硬くなり、モソモソとした食感になるのが難点でした。しかし米粉に、ライスジュレを加えることで、外はカリっと、中はしっとりもちもちの米粉パンを作ることができます。
他にも、うどん、パスタ、ラーメンなどの麺類でも、小麦粉とかわらないおいしさで、かつグルテンフリー(小麦たんぱくなし)にすることができます。

お米だけで、増粘効果、ゲル化、安定剤としての働きをもち、小麦や牛乳、卵のアレルギー対策としても使えるライスジュレ。安心・安全な新素材の用途は無限大です。

ライスジュレを、お米の消費拡大と日本の農業の活性化の一助に

昨今、「日本人の“米離れ”が年々加速している」というニュースを耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。農林水産省の調査によれば、国内の一人あたりの米の年間消費量は1966年に105.8kgあったものが2016年には54.4kgと約半分にまで減少しています。そのような時代背景のなか、ヤンマーが米の新たな需要拡大を目指して、量産および販売に至ったのがライスジュレです。

一方、海外ではアスリートやセレブリティを中心に「グルテンフリー」という新たなトレンドが巻き起こり、「お米」が世界的に注目されるようになりました。このような需要に応えるため、ライスジュレの海外展開を計画し、2018年10月、世界最大級の食品見本市「SIAL Paris 2018」に出展しました。

「SIAL Paris 2018」に出展したヤンマーライスジュレブース

「SIAL Paris 2018」の様子

ライスジュレを使ったメニュー開発に取り組んだ、手島竜司シェフにインタビュー

「SIAL Paris 2018」のプレイベントとして、パリに1つ星レストランを構える手島竜司シェフによるライスジュレを使ったメニューの試食会を開催。新たな使い方ができる素材ライスジュレの可能性に賛同いただいた手島シェフに、その魅力や今後の可能性について話を伺いました。

Restaurant PAGES 手島竜司シェフ

1976年熊本県生まれ。 19歳から地元熊本のフランス料理店で修行を始め、26歳で渡仏。地方の星付きレストン「Restaurant Les Berceaux(ベルソー)」からスタートし、パリで当時三ツ星の「Restaurant Lucas Carton(ルカ カルトン)」で修行を重ねる。
2014年、パリ16区の凱旋門近くに「Restaurant PAGES」をオープン。2015年、フランスの美食ガイド「ゴーミヨ」で「Grand Chef de Demain(未来の巨匠)」を受賞。
2016年には、オープンから1年半でフランスのミシュランガイドにて1つ星を獲得した。2018年には、JALパリー羽田間 ファーストクラス、ビジネスクラスの機内食監修をスタートさせた。

※取材者の所属会社・部門・肩書等は取材当時のものです。

ライスジュレは非常に優れた素材だと思います

事前にライスジュレを試したみたところ、とても優れている素材だと感じました。今までになかった使い方ができると思いましたし、ヤンマーさんの熱い想いをお聞きし、何かご協力したいと思い、今回メニュー開発に協力させていただきました。 ライスジュレの良さは、まず保湿性です。フランス語では「Lier(リエ)」といいます。モノをつなげる力があって、それでいてクセがなく、一番の魅力はグルテンがないこと。今、グルテンフリーをとりいれている方は本当に増えていて、レストランでもその需要を感じますね。

さまざまに使えるライスジュレの可能性は無限!

今回ご用意したメニューは4品で、ライスジュレの良さが伝わりやすい料理を作らせていただきました。
1つはそば粉のガレットです。フランスではポピュラーな料理で、普通は小麦粉を使いますが、今回はそば粉とライスジュレで、グルテンフリーに仕上げました。
またカレーは、あえてフランス料理ではなく、アジア風のカレーをご用意しました。これもグルテンフリーで、さらにもちもちとした独特の食感のグルテンフリーパンを添えています。
ハンバーガーは、ライスジュレの保湿性を理解していただけたらと、7日前に焼いたもの、3日前に焼いたもの、当日焼いたものの3種を用意しました。どれほどの差があるのか、実際に食べ比べることができます。
そして、すき焼きをふわふわに焼いたパンの中に入れたもの。日本のおいしさと、フランスのおいしさを理解していただけたらと思います。

ライスジュレには「ライス」という言葉が入っているので、「お米」というイメージを強く感じますが、実際はお米ではない、“別のもの”になっていると思います。その可能性は無限にあるのではないでしょうか。

プレイベントで振舞われたメニュー。左からそば粉のグルテンフリーガレット、カレースープとグルテンフリーパン。
写真左の和牛ブリオッシュマフィンバーガーではバンズの食べ比べを実施。上より7日前、3日前、当日。日が経過してもほどんど変化していない。写真右は和牛すき焼きバーガー。

手島竜司シェフがデモンストレーションをおこなった、「SIAL Paris 2018」プレイベント

ご家庭の食事にも手軽に取り入れられるライスジュレ

ライスジュレの使い方はとても簡単です。
耐熱容器に入れ、ラップをして電子レンジで加熱、なめらかになるまでしっかりと混ぜて、ジュレ状になったら準備完了!
ハンバーグならタマネギ、ひき肉、調味料にこのライスジュレを加えるだけ。卵も牛乳もパン粉も使わずに、ジューシーでやわらかなハンバーグができあがります。
クリームシチューのホワイトソース作りなら、ライスジュレに豆乳、サラダ油を使えば、小麦や牛乳アレルギーの人も食べられるおいしいシチューに。また、ライスジュレに牛乳、脱脂粉乳、グラニュー糖を使えば、低カロリーなラクトアイスも作れます。

他にも、お好み焼きやグラタン、マフィンなど、定番料理からちょっとおしゃれなデザートまで、ライスジュレは小麦粉や牛乳、卵の代替品として、さまざまな料理に気軽に取り入れることができるのです。

ヤンマーでは今後も、無添加・グルテンフリーを可能にするライスジュレを使った様々なレシピを提案していきます。日々をもっとおいしく、もっと健康に。多様化する食に対するニーズに対応していきます。