トップメッセージ:「社会価値を生み出す200年企業」を目指し、“新しい豊かさ”の追求と挑戦を続けてまいります代表取締役社長 兼 CEO 山岡健人

人々の暮らしに不可欠な領域で社会課題を解決

2020年から続く新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は依然続いており、収束したとは言えませんが、ウィズコロナの段階に入り、経済活動が優先されるとともに新たな日常を取り戻しつつあります。一方で、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う世界的なサプライチェーンの混乱、原燃料高や物流費が高騰するなど、経営に影響を及ぼすリスクは高まっています。また、我々が生活する地球上では、食料不足や、エネルギー需要の増加、気候変動などの社会課題の重要性は増しており、多くの企業がこれら課題への向き合い方を問われています。このような状況下において、ヤンマーグループは、「食料生産」と「エネルギー変換」といった人々の暮らしに不可欠な領域で、社会課題やお客さまが抱える課題に向き合い、社会価値を生み出すことで企業としての使命を果たしたいと考えています。

人間と自然の豊かさを両立した“新しい豊かさ”を追求

ヤンマーは、「A SUSTAINABLE FUTURE —テクノロジーで、新しい豊かさへ。—」というブランドステートメントを掲げ、「人間の豊かさ」と「自然の豊かさ」を両立したものを「新しい豊かさ」と位置づけ、お客さまの課題を解決するとともに、これからの未来を人間と自然が共生するための社会的責任を担ってまいります。この責任を果たすべく、私たちは2018年に「グループ環境ビジョン2030」を策定し、地球温暖化対策として定量的な環境負荷の低減目標を定めるなど、環境保全活動に積極的に取り組んできました。また、世界共通の課題である脱炭素社会への移行に向けて、これまでの取り組みをさらに加速させるため、2022年に新たな目標として、「YANMAR GREEN CHALLENGE 2050」を策定し、2050年までに「循環する資源を元にした環境負荷フリー・GHGフリーの企業になる」ことを宣言しました。

具体的には温室効果ガス(GHG)排出量ゼロの企業活動や、リサイクルできない廃棄物をゼロにするなどの取り組みを実現するとともに、お客さまに販売する製品においても、GHG排出量や廃棄物をゼロにするソリューションを提供することで、社会全体を“SUSTAINABLE”にしていくことに挑戦してまいります。また、再生可能エネルギーをベースにしたエネルギーシステムの構築や、廃熱発電をはじめとする新たなエネルギー変換技術の開発、エネルギー使用の効率化などを推し進め、カーボンニュートラルの実現を目指します。

私たちは、その他にも人間と自然の豊かさの両立を目指し、事業活動を通じてお客さまの価値創造に取り組んでいます。例えば、分解処理した生成物を土壌活性剤や堆肥として田畑に還元することで、資源循環型の食料サプライチェーン構築が可能となる、バイオコンポスター「YC100」を開発し、食品加工の工場や、スーパーマーケットなどで発生する食品廃棄物の減量・減容に貢献しています。

また、新たな取り組みとして、ヤンマーのグループ会社が大阪市長居公園の管理・運営を受託し、都市公園の価値向上を図っています。新施設の設置や既存施設のリニューアルなど、施設やイベントを通じた魅力向上の他、ヤンマーのテクノロジーを生かした省エネ機器、ならびにこれらの機器と連動するエネルギーマネジメントシステムの導入やグリーン電力の採用など、資源循環に貢献した公園の管理・運営を行うことで、まさに私たちの理念である“A SUSTAINABLE FUTURE”を具現化する場となっています。

人の可能性を信じ、社員が心豊かに働ける環境へ

2022年、ヤンマーは創業110周年を迎えました。これまで長きにわたり、私たちが事業活動を継続できている原動力は「人」に他なりません。デジタル化が加速し、ITを活用した効率的な働き方が取り入れられても、人が働く理由や重要性が変わることはないと思います。

社員がいきいきと働くことができる環境づくりは、お客さまの課題を解決し、「新しい豊かさ」を生み出すために何より大切なことだと言えるでしょう。ヤンマーグループでは、挑戦の芽を育て後押しする人材育成が根付いており、この受け継がれてきた想いを“人や、未来に可能性という花を咲かせ続ける”という意味を込めて“HANASAKA(ハナサカ)”と名付けました。多様なバックグラウンドからなる人材が心豊かに働き、チャレンジし続けることで、イノベーティブな発想が生まれ、これまでにない社会価値を創造することができると考えています。次世代を担う若手のみならず、さまざまな領域で人を育て、未来を育む機会をよりいっそう支援していきます。

“社会価値を生み出す200年企業”を目指して

ヤンマーグループは、時代の変化に柔軟に対応し、テクノロジーの力を通じて人間と自然の豊かさを両立した新しい豊かさを実現するために挑戦する企業であり続けます。110周年を迎えた今年、次の100年に向けて私たちはすでに歩み始めています。「社会価値を生み出す200年企業」になる、それが私たちの目指すものです。この大きな目標を実現していくために「YANMAR GREEN CHALLENGE 2050」と「HANASAKA」を2つの柱として、グループが“ONE YANMAR”として結束することでお客さまと社会の課題を解決し、新たな価値を提供してまいります。

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