2009年度のCSR・環境活動ハイライト

ハイライト2 世界中のお客様により大きな「満足」を
「信頼のヤンマーブランドを支えるグローバルなお客様サービス体制」

早くから海外にも事業活動のフィールドを広げ、世界130ヵ国で製品が愛用されているヤンマーでは、お客様の購買リピート率100%をめざし、世界同一、世界均一のサービス体制の確立に取り組んでいる。

この一環として、グローバルに使用されている部品の一元管理システムを開発し、2008年4月には、世界中のヤンマー倉庫のハブ(基幹)センターとして「ヤンマー物流サービス株式会社神戸センター」が完成。
これにより世界の隅々まで、より早く正確に、ヤンマー部品が届けられるようになった。
世界の顧客ニーズに応えるグローバルな体制づくりに焦点をあてる。

ヤンマーの幅広い事業領域を「サービス」の切り口で束ねる

3つのサービス
3つのサービス

ヤンマーでは、ヨーロッパ、アメリカ、東南アジア、中国の4極体制で事業を展開し、ヤンマー製品に関わるすべてのお客様に対して適切なサポートを行うことをめざしている。しかし、言葉や習慣の壁を越え、世界が求める「満足」に応えるのは容易なことではない。
そこで2006年3月、世界同一かつ均一の顧客サービスを提供することを目的として、大阪本社内に発足したのが「グローバルカスタマーサービス部(以下、GCS)」である。

それまで独立していた国内外の部品・技術・物流という3つのサービス部門をすべて統合した総勢約100名の部隊だ。

「部品・技術・物流という3つのサービスを一枚岩で提供することが大切。モノがあってもお客様に届かなければ意味がないし、部品だけあっても修理ができない、製品に関するすべての情報が共有できていないのでは意味がないという考え方が前提となっています。
ヤンマーの幅広い事業領域のすべてを"サービス"の切り口で束ねるのが我々の仕事。エリアは地球規模、対象はオールヤンマー製品という点で仕事内容は多岐にわたります」と話すのはGCSを率いる芳野将文部長。

そのGCSが基本理念として掲げるのが下の"The GCS Way"だ。

The GCS Way図

世界中のヤンマー社員のみならず、特約店や販売店などヤンマー製品のサービスに携わる人たちの世界共通の物差しとしてまとめられた。基本となる価値観は、「全世界のお客様の手を止めないサービスの提供」。
GCSでは、各国の顧客サービス部門の責任者を集めて「グローバルミーティング」(年2回)を開き、こうした理念や情報の共有化を図っている。

世界の部品供給のハブとなる神戸センターがオープン

2008年4月、"The GCS Way"を具現化する施設が神戸市ポートアイランドに誕生した。その名は「ヤンマー物流サービス株式会社神戸センター(以下、神戸センター)」。
これに先駆けてGCSは、2年の歳月と13億円の費用をかけ、グローバル部品の一元管理システムを開発。
神戸センターは、一元管理システムをハード面で支える基幹(ハブ)センターであると同時に、全世界のヤンマー倉庫の調整役も担う。

一元管理システムの企画開発をけん引した芳野は、神戸センターの役割についてこう話す。
「一元管理システムの開発によって、例えばフランスの代理店のサービス状況が大阪本社でわかるし、アメリカでサービス時間外に事故が起きれば、他国のパーツセンターでその部品対応をするということが可能になりました。GCSが海外の現地法人と日本全国の拠点から情報を収集し、それぞれに最も効率的な在庫状況を分析。その結果に基づいて国内外のデポに部品を送り届けるのが神戸センターなのです」。

"お客様の手を止めないために、世界共通の均一なサービスを提供する"というお客様起点に立つシステムがここに実現したのだ。

執行役員・グローバルカスタマーサービス部部長 芳野 将文(よしの まさふみ)

執行役員・グローバルカスタマーサービス部部長
芳野 将文(よしの まさふみ)

1980年ヤンマーディーゼル株式会社入社。
経営統括部企画グループ長、経営戦略室部長を経て、2004年ヤンマー株式会社経営統括部経営企画部部長、2005年に企画部部長など経営企画職を歴任。
2006年から現職。

あえて半自動方式を採用し、環境にも配慮した施設・設備

神戸センター内

神戸センターは地上3階、延床面積15,830m²、中量棚ロケーション数81,336ロケーション、重量棚同3,382パレット。40年にわたり部品供給の核となっていた大阪パーツセンターの約1.5倍のキャパシティを誇る。
一番の特長は、入出荷ライン。半自動の搬送機を使って国内1ライン、海外5ラインに分けて検収、梱包がスムーズに行われる。

「当初、新センターとしてハイテクを駆使することも検討しましたが、あえて"半自動方式"にしました。 全自動のコンピュータ制御にしてしまうと停電時や機械の故障時に部品を取りにいけず、結果、お客様に迷惑をかけます。"お客様の手を止めないこと"を第一に考え、最後は人がきちんとフォローできるようにというコンセプトです」と芳野は説明する。

神戸センターは、環境面でさまざまな配慮を施していることも大きな特長だ。
冷暖房は電気より消費エネルギーが少なく、CO2排出量も少ないガスヒートポンプを導入。街並みや景観に配慮して、建物の高さを最小限の地上3階に抑えたほか、工場敷地の10%を緑化した。
また、ポートアイランドの地盤沈下する地質性状に備えて、土地と建物が同時に沈下し、設備に影響を与えない基礎となっている。
倉庫内のライティングには省エネ性の高い人間感知型を採用。8時間の稼動でも実際に点灯しているのは4.7時間と約40%の削減が達成されている。

さらに労働環境面では、駐車場、トイレ、2階の事務所などにバリアフリー設備を導入した。

神戸センターの外観

神戸センターの概要

施設名 ヤンマー物流サービス株式会社 神戸センター
所在地 神戸市中央区港島町3丁目5番2号
土地面積 20,5182m²
建物面積 8,4502m²
延床面積 15,8302m²
総投資額 36.7億円
主な業務内容 海外向け部品の保管・出荷エンジン部品の組み立て・加工

"IT"と"人間系"の両輪で取り組むヤンマーの顧客サービス

GCSが考える顧客サービスは大きく2つある。 ひとつはITをうまく活用すること。もうひとつはフェイス・トゥ・フェイスでお客様の声を聞く"人間系"のサービスだ。

これまでにグローバルな一元管理システムを構築し、GCSのITネットワークはほぼ整った。そこでGCSが今年から新しく始めるのが、ヤンマー独自の"GOYOKIKI(御用聞き)"システム。
御用聞きは江戸時代からある日本の商習慣だが、最近はIT化によって連絡手段もメールになるなどお客様の顔が見えない。サービスパーソンがお客様の顔を見に行くにも「何をしたらいいのかわからない」、お客様も「呼んでもいないのに」となりがちだ。
そこで、今回の"GOYOKIKI"システムでは、パソコンでデータを示しながら「過去にこのような技術サポートをしましたが、そろそろこのような不具合が出る頃ではないでしょうか」というように、ITの活用+人間系の対応を行うという。

「今後はITの活用と"GOYOKIKI"システムをグローバルに浸透させると同時に、お客様起点で考えることをより徹底させたい」と芳野は意気込みを語る。

「我々のサービス対象は直接お客様に接する特約店だったり販売拠点の人たちだったりします。そういう人たちが聞いているお客様の声をいかに吸い上げるか。
現地法人や販売拠点とのネットワークはできていますが、実際そこで何が起きていて、お客様からどのような要望があり、それにどう対処しているかが本社までより迅速に伝わるようにしていきたい。"情報のシームレス化"です。
ヤンマー製品は多くの過程を経て最終お客様まで届きますが、情報だけはシームレスにと考えています」。

ヤンマー製品は多岐にわたり、お客様も多種多様である。ただひとつの共通点は"ヤンマーブランド"であること。
GCSは「お客様サービス向上によるヤンマーブランドの確立」をミッションとして、世界中にさらなる「満足」を届けるため日々努力を重ねている。

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