2010年度のCSR・環境活動特集

特集1 都市での挑戦
「低炭素社会の実現をめざして太陽光発電システム事業に参入」

地球上に降り注ぐ無尽蔵の太陽の光を利用する太陽光発電は、オイルショック後の1980年代に石油の代替エネルギーとして注目されました。環境に深刻な影響をおよぼす地球温暖化が問題になってからは、発電時にCO2を発生しないクリーンな再生可能エネルギーとして世界各地で関心を呼び、拡大しつつあります。

お客様本位の立場から問題解決の道筋を示すとともに、持続可能な社会の構築をめざす"Solutioneering"の一環として、ヤンマーエネルギーシステムは2009年から太陽光発電システム事業へ参入。エネルギー有効活用のノウハウとグループのネットワークを駆使し、地球温暖化の防止をめざします。

太陽光などの自然エネルギーを生かした環境負荷の低い発電システムによるインフラ構築へ

2020年新エネルギー導入割合
太陽光発電市場見通し

太陽電池を利用し、太陽光のエネルギーを直接的に電力に変換する発電方式が太陽光発電ですが、現在、わが国における導入量の約80%は住宅への設置が占めています。

一方、2010年4月から本格的に施行された改正省エネ法(エネルギーの使用の合理化に関する法律)では、地球温暖化対策として業務部門の使用エネルギーの削減が強化されることになりました(ここで いうエネルギーとは燃料、電気、熱を指し、廃棄物からの回収エネルギーや太陽光発電・風力などによる自然エネルギーは対象外です)。

政府策定の「低炭素社会づくり行動計画」(2008年7月)では、2020年までに太陽光発電を現状の10倍、2030年には40倍にすることが目標として掲げられました。「低炭素社会」の実現をめざす歩みの中で、太陽光発電が担う役割は大きく、住宅用と業務用それぞれの分野で太陽光発電の導入をバランスよく進めていく必要があります。

  • 出典:JPEA「太陽光発電自立に向けたビジョン」、新エネ部会報告資料(2001年6月)
    「2030年のエネルギー需給展望」(総合資源エネルギー調査会エネルギー需給展望2004年6月)をもとに推計
    2009年10月28日 日経新聞記事情報を追記

公共・産業用分野から「低炭素社会」の実現に貢献

ヤンマーエネルギーシステムでは、このような太陽光発電の普及の現状、エネルギー使用の合理化をめぐる動きなどを受けて、2009年4月から太陽光パネルと自社開発のエネルギー供給機器を組み合わせ た太陽光発電システムの販売を開始しました。特に電力消費量が多く、クリーンな太陽光発電の導入が期待されている公共・産業用分野で集中的に事業を展開し、新たな需要の掘り起こしを進めています。またグループ内の農機事業やマリン事業におけるネットワークを活用し、熱や電力を大量に消費する農・水産関連施設へのシステム導入提案も推進しています。

施工事例

担当者の声
お客様起点のエネルギー・マネジメントで地球環境の保全に取り組みます。

ヤンマーエネルギーシステム(株) 営業部エンジニアリング部新エネルギーグループ 譯田 真二

ヤンマーエネルギーシステム(株)
営業部エンジニアリング部新エネルギーグループ
譯田 真二

私たちは太陽光発電システムやバイオガスコージェネレーションなど、地球環境に配慮した商品の開発と普及に取り組んでいますが、これはコージェネレーションをはじめとしたエネルギーの有効活用に 挑戦し続けてきたヤンマーだからこそ可能な"Solutioneering"の具体的な展開例であるといえます。

今後も地球環境の保全に貢献し、より多くのお客様に喜んでいただけるようなエネルギー・マネジメントを通じて、「低炭素社会」の実現をめざしたいと思います。

既存エネルギーシステム機器の併設により電力エネルギーを安定的に供給

太陽光+コージェネによる電力削減例

太陽光発電はCO2排出量の削減だけでなく、大気汚染物質を発生させない、日射量を確保できれば設置場所を選ばないなど多くの利点を備えていますが、その一方で天候などの状況によって発電量が大きく変動するなどの難点があります。太陽光発電の普及を促進するうえでこの問題をどう克服するのか、が重要なポイントとされていました。

ヤンマーエネルギーシステムでは太陽光発電の単体設置ではなく、自社開発のエネルギー供給機器とセットにした併設型とすることで、こうした問題への解決策を見いだしました。ガスコージェネレーション システム(熱電併給システム、以下コージェネ)や発電機能を備えたガスヒートポンプ(以下GHP)と組み合わせ、天候に左右されることなく一定量の電力を確保する太陽光発電システムの提案です。

たとえば、電力需要が500kWの中規模の工場に太陽光発電100kWとコージェネ25kWを10基導入すれば、CO2の排出量を電力使用時よりも約50%削減できるほか、太陽光と都市ガスが生み出す電力で1日に必要とする電力量の60%近くを賄えます。また、夜間は割安料金を設定している電力会社からの買電に切り替えることでコスト節減を図るなど、環境負荷と経済面を両立させることも可能です。

システム組み合わせ例

資源循環型のエコ発電とCO2削減効果の両立を追求

ヤンマーエネルギーシステムでは、再生可能なエネルギーであるバイオガス(残渣や余剰汚泥などの有機性資源をメタン発酵させたもの)を燃料としたバイオガスマイクロコージェネレーションの販売も行っています。このような資源循環型のエコ発電と自然エネルギーを生かした太陽光発電とを組み合わせることで、環境性の向上とCO2削減効果を両立させることが可能となります。

多様なエネルギー機器との複合提案で次世代の発電システムの開発をめざす

今、ヤンマーでは併設型から一歩進めて、より効率がよく、高付加価値を提供できる複合型の太陽光発電システムの開発に取り組んでいます。

具体的には太陽光発電と、コージェネや発電機能付きのGHPなど、ヤンマーグループの製品群と一体化させた複合システムの構築です。

これによって、たとえば太陽光パネルの発電量に増減が生じた際、コージェネなどの発電機器が連動して電力を供給します。その結果、発電したエネルギーをムダなく安定的に確保でき、運用の幅も広げることができます。

2010年8月には実験用の太陽光発電システム(出力10kW)をヤンマーエネルギーシステムの本社(大阪市北区)に設置し、コージェネや発電機能付きGHPとの統合制御、遠隔監視網と各システムを連動する実証実験をスタートしました。それぞれのシステムの発電状況や1日の発電量、CO2削減量の合計値をリアルタイムでモニター表示する装置の開発も進めています。

これからもヤンマーでは、さまざまな可能性を求めて独自の"Solutioneering"を展開し、地球温暖化防止に貢献していきます。

ヤンマーエネルギーシステムの本社に設置された実験用の太陽光発電システム
ヤンマーエネルギーシステムの本社に設置された実験用の太陽光発電システム(出力10kW)
屋内用表示装置の写真
屋内用表示装置
屋外用表示装置の写真
屋外用表示装置

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