2011年度のCSR・環境活動特集

特集2 大地での挑戦
「高収益で持続可能な農業ビジネスの実現へ新しい風と力を送り出す試み」

農業は日本を支える大切な社会基盤のひとつですが、耕作放棄地の増加、農家の高齢化、後継者不足などの問題を抱える一方、輸入農産物の増加が農業生産力の低下をもたらしています。

このままでは農業が持つ食料供給機能を維持することも困難になりかねません。

ヤンマーでは国際競争力のある農業ビジネスの創造こそが農業を元気にし、活性化を生むと考えました。すでにその試みが動き出しています。

国際競争力を備えた農業の産業イノベーションに挑戦

農業をとりまく状況には厳しいものがありますが、一方では農地法改正(2009年12月施行)で企業や個人の農業参入が容易になり、農業がビジネスとして多様化していく環境も生まれました。こうした流れを受けとめ、国際競争力を備えた農業ビジネスの創造を支援するため、2010 年9 月、ヤンマーアグリイノベーション(株)が設立されました。

ヤンマーアグリイノベーションでは農業生産の効率化、日照量や気温、土壌の温湿度など作物の生育状況を総合的に把握する栽培技術の活用と展開によって、農産物の生産から加工、販売までを一貫させ、機械化や契約生産による収益性の高い農業経営を実現するノウハウの開発とその普及に取り組んでいます。

そのためのステージとなるのがヤンマー直営のモデル農場です。

研修生・スタッフと集合写真
ヤンマーファーム第一期閉講式にて研修生・スタッフと集合写真
キャベツ移植風景
野菜移植機ナプラを用いてのキャベツ移植風景
初めてのキャベツ収穫
第一農場での初めてのキャベツ収穫

収益性の高い農業を実体験するためのモデル農場

広島県世羅郡世羅町。「人と自然が輝くまち」をキャッチフレーズとするこの地にヤンマーファーム第一農場がオープンしたのは2010年10月のこと。広島県内の農業への参入を希望する地元のさまざまな企業から派遣された8名の人材を受け入れ、ここで半年間の農業研修を実施しました。

研修開始と同時に耕作放棄地4.6haの再整備に取りかかり、そこにホウレン草やキャベツ、玉ネギなどを栽培。収穫野菜は外食産業などに販売し、生産から販売までの農業ビジネスの流れを自らが体験しました。また手作業の多い収穫工程を機械化するためにヤンマーの農機を活用して大幅なコストダウンの実現、作付け前に生産品目や出荷量を販売先と契約することで生産を調整するなど、さまざまな農業ノウハウも学びました。

こうした一つひとつの積み重ねが収益性の高い農業のビジネスモデルの構築、次世代の農業リーダー育成への道につながっていきます。

儲かる農業ビジネスモデル

第6次産業への展開と定着をめざして

2011年4 月からは研修生も17名に増え、農地も8.5ha に広がりました。今後は衛星などを利用したリモートセンシング(遠隔監視)、フィールドセンサなどIT技術を駆使した効率的な農業マネジメントの確立、生産データを活用した栽培技術の向上などに取り組みます。

また第6次産業への展開も課題となります。これは第1次(農業など)× 第2次(製造加工)× 第3次(サービス)=第6次産業という意味で加工から流通までを含めた産業の方向性を示し、それぞれとの連携を深めて付加価値の高い農産物づくりに結びつけるものです。

ヤンマーアグリイノベーションが踏み出したのは小さな一歩かも知れませんが、大きな実りを生み出すことで日本の農業の活性化のために貢献していきます。

研修生の声

(株)ケイ・ディー・フドー 山口 智大 様

第一期からヤンマーファームでの研修に参加しています。天候に左右され、思うように作業が進まない、土壌により機械が使いこなせないことなど、困難もあり、農業の難しさを感じることもあります。しかし、第二期から、担当圃場を任せられるようになり、どうしたらもっと効率良く作業できるか、自主的に考え、行動する機会が増えてきました。今後は、さらに経験を積み、一人前の農業マネジャーを目指したいです。

研修生の声

(株)セレクト 槇原 光 様

日々の成長を感じます。最初は圃場の状態が悪く、大変でした。今は、土壌改良を重ね、徐々に改善されています。派遣元に戻ってからも、ここでの経験を生かしていきたいです。

担当者の声

ヤンマーアグリイノベーション(株) 部長 小迫 高

ヤンマーアグリイノベーション(株)
部長
小迫 高

衰退し続ける農村をどう再生するか、ヤンマーの強みをどう生かしていくか、このきもちがヤンマーファームの原点。企業のノウハウと農村を連携させていきたい。

研修生は、企業から派遣されているだけに、目的意識が明確であり、熱心さを感じている。彼らが派遣元に戻ってから成功できるよう、卒業後もフォローしたい。

企業も農家も、既存の農業の良いところを残し、新たな方向に挑戦していくことが重要だと思う。

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