2011年度のCSR・環境活動特集

特集4 R&Dの推進
「日本・東南アジア・ヨーロッパの各拠点で次世代エネルギーの研究開発を推進」

エネルギーの需要が世界的に拡大する中、エネルギーの安定確保と地球温暖化防止というテーマをいかに両立させるかが課題となっています。

それを解決するためのひとつのヒントとなるのがエネルギーの多様化とエネルギーの有効活用という視点。ヤンマーでは次世代を担う先端技術を探るため、世界3 拠点体制で「これから」を見つめた研究開発に取り組んでいます。

30年以上にわたるバイオディーゼルの研究

ヤンマーコタキナバルR&D センターでの研究開発
ヤンマーコタキナバルR&Dセンターでの研究開発

ヤンマーがバイオマス(動植物など生物由来の資源)を原料とするバイオディーゼルの研究をスタートしたのは、オイルショックが起こった1970年代後半のこと。バイオマスは枯渇することのない、いわゆる再生可能エネルギーであり、当社の基幹製品であるディーゼルエンジンの燃料として使用される軽油や重油に比べて、大気中の二酸化炭素の総量が増えないとされているため、エネルギー問題や環境問題を解決するうえで最適の燃料だったからです。

2000年2月にはヤンマーグループの研究開発のコアセンターとして中央研究所(滋賀県米原市)を開設し、エネルギーとその応用に関する研究テーマに取り組んでいます。とくにバイオディーゼルは地球温暖化防止のためにも有効利用すべき次世代エネルギーであることから本格的な研究を進めています。

バイオマスの活用がもたらすこと

バイオディーゼル発電機の実証試験の様子
アフリカのマリ共和国でバイオディーゼル発電機の実証試験を実施

2008年1月には中央研究所と連携してバイオマスなど新エネルギーの有効利用に関する研究開発を行う「ヤンマーコタキナバルR&Dセンター(YKRC)」をマレーシアに開設しました。ヤンマーにとっては初の海外における研究開発拠点です。

バイオマスの宝庫ともいわれる地で活動を開始したYKRCではバイオディーゼルの研究だけでなく、それに対応するエンジンの開発、淡水魚の養殖など幅広いテーマに取り組んでいます。

また食用に適さないことからバイオ燃料としての活用が注目されているジャトロファオイル(南洋油桐油)に対応したバイオディーゼル発電機を開発し、2010 年11 月には国土の3分の1がサハラ砂漠で、電力事情に恵まれないアフリカのマリ共和国で実証試験を実施しました。

期待通りに始動するかどうか不安そうに村人たちが見守る中、エンジンの正確な回転音が響きました。ジャトロファオイルが燃料として有効であることを示した瞬間でした。

ヤンマーR&Dの拠点を示した世界地図

世界から求められる製品の開発へ

Dr.Alessandro Bellissima
ヤンマーR&Dヨーロッパでの研究開発Dr.Alessandro Bellissima

2011年6月、イタリアのフィレンツェに「ヤンマーR&Dヨーロッパ(YRE)」を開設し、これによってエネルギーの有効活用を共通テーマとした研究開発体制が日本・東南アジア・ヨーロッパを結ぶ形で構築されることになりました。

YREでは現地の大学や研究機関との連携・協力を通じて再生可能エネルギーネットワーク、工業デザインや、電動・ハイブリッドシステムに関する研究などを行います。そしてその成果を日本およびヤンマーのグローバルな研究開発拠点でも共有し、世界市場から求められる製品開発へ展開する予定です。

ヤンマーでは今後もグローバルな研究開発体制を生かし、地球に優しい再生可能エネルギーとクリーンなエンジン開発で環境保全への貢献をめざします。

担当者の声

ヤンマー R&D ヨーロッパ 社長 塩崎 修司

ヤンマー R&D ヨーロッパ 社長
塩崎 修司

ヤンマーR&D ヨーロッパのスローガンは、「Opening Innovation Platform in Europe」です。これは、YREを舞台として、現地の大学、研究機関、企業など、多くの皆様と一緒になって、先進的な技術、幅広い情報ネットワーク、優れた研究者を育てていきたいという思いを言葉にしました。

欧州では環境やエネルギー問題に対する関心が高く、ここイタリアでも「スマートシティ」など、数多くの低炭素化社会の実証プロジェクトが動き出しています。またフィレンツェの街中では電気自動車が普及しつつあり、あちこちで充電スタンドが設置されています。

我々は、このような環境の中で、エネルギー変換や作業機制御など、ヤンマーの基幹分野の将来技術の研究を進め、いずれは欧州全体に「Opening Innovation Platform」のステージを広げて、成果をフィードバックしたいと考えています。

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