2012年度のCSR・環境活動特集

特集3 次の100年に向けた挑戦1「食づくりのソリューショニアリング」

増え続ける人口、経済成長を加速させる新興国、それに伴う食料消費の構造変化の一方で、農業人口の減少、水不足、干ばつや洪水などの影響による農産物の収穫減などが深刻な食料需給のアンバランスを生んでいます。このアンバランスの解消を目指してヤンマーでは3つの領域から食づくりのソリューショニアリングに結びつけるイノベーションを提案し、新しい価値の創造と提供に取り組んでいます。

農業イノベーション

食づくりのソリューショニアリングのイメージ写真

新興国の一部では摂取するカロリーの大半を依存していたコメから野菜や小麦、肉、海産魚などへと食生活が多様化し、食料の消費量も増大しており、これは先進国型の食生活へ移行しつつあることを反映しています。

このような時代の変化に対応するには高品質で低コスト、しかも短期に収穫できる食料を生産し、それらを可能な限り地産地消できる供給システムを確立しなければなりません。

ヤンマーではこれらの地域にこそ新時代にふさわしい農業経営が不可欠と考えました。そこで現地に積極的に入り込み、地域と一体となった稲作・野菜生産に関する農業研究、農業機械・システムなどのハード、さらには農業に従事する人びとを育成するための農作指導などのソフト技術の提供など、幅広い分野からのソリューショニアリングに取り組みます。

Topics - モデル農場での農業研修の実施

第一農場での初めてのキャベツ収穫

ヤンマーでは広島県世羅町に「ヤンマーファーム第一農場(2010年 4.6ha⇒2012年 10.6ha)」を開設して農業参入を計画している企業や農業生産法人から人材を農業研修生として受け入れ、次世代の農業リーダー育成のための挑戦を2010年10月から農業イノベーションの一環で実施しています。これはビジネスモデルとしての農業経営を追求するとともに、実際の農作業でその手法の開発と普及を目指す試みで、この2年間で22名の卒業生と今年度は16名が農業研修に参加しています。

施設園芸イノベーション

トマト栽培施設のコージェネレーションシステム
トマト栽培施設の農業残渣を活かしたコージェネレーションシステム

土耕農業を更により安定した農業生産の実現に取り組むのが施設園芸領域のイノベーションです。

ここでは自然エネルギーや再生可能エネルギーによるエネルギーシステムの構築と展開によって、持続可能な施設園芸技術の開発とその活用を目指します。

すでにイギリスのトマト栽培施設ではトマトの残渣を再生可能エネルギーであるバイオガスに変換し、それを燃料としたコージェネレーションシステムを稼働させて電気と熱を施設内に供給して環境コントロールを実現するなど、大きな成果を生みつつあります。

ヤンマーでは農業機械・システムを提供するだけでなく、持続可能な農業を支える栽培ソフトの技術分野にも積極的に挑戦していきます。

養殖イノベーション

魚類貝類用餌料生産システム
魚類貝類用餌料生産システム

魚類・貝類などの有用水産生物を育成する養殖領域も当然のことながらイノベーションの対象となります。

たとえば砂漠における魚類養殖を可能にする閉鎖循環型完全陸上養殖システム、魚類・貝類用の飼料生産システムなど、いずれも持続可能な養殖システムの構築を目指すものです。

さらに魚類・貝類用の飼料生産システムで蓄積した技術とノウハウを起点に、バイオマス原料である藻類からバイオ燃料を抽出・精製するなど、微細藻類培養技術の高度利用もイノベーションの視野に入っています。将来的には医療やサプリメント、燃料などの応用研究に活かし、その領域をさらに拡げることを目指しています。

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