ヤンマーテクニカルレビュー

ヤンマーテクニカルレビュー「YANMAR GREEN CHALLENGE 2050」特集号発刊に向けて

2022年9月30日

ヤンマーは、ミッションステートメントに、「わたしたちは 自然と共生し 生命の根幹を担う 食料生産とエネルギー変換の分野で お客様の課題を解決し 未来につながる社会と より豊かな暮らしを実現します。」を掲げ、1912年の創業当初から自然環境へのまなざしを大切にした事業活動を心がけてきました。
1995年に「ヤンマー地球環境憲章」を制定して持続可能な社会の実現に寄与することを表明し、2002年にはヤンマーグループ全体で地球環境の保全と調和のとれた関係を構築することをめざした「ヤンマーグループ地球環境憲章」へと改定し、環境経営に向けた取り組みをさらに拡大、深化させました。さらに、2018年7月には、環境経営が目指すべき姿をより具体的に示した「グループ環境ビジョン2030」を策定しました。
そして、このたび、「グループ環境ビジョン2030」をアップグレードし、「YANMAR GREEN CHALLENGE 2050」を制定いたしました。「YANMAR GREEN CHALLENGE 2050」は、ヤンマーが、「A SUSTAINABLE FUTURE」の実現に寄与する企業としてふさわしくあり続けるために、まずは、自らが「循環する資源を元にした環境負荷フリー・GHGフリーの企業になる」こと、そして、「A SUSTAINABLE FUTURE」の実現に向けた活動を、より一層強化することを宣言するものです。
ヤンマーは、「YANMAR GREEN CHALLENGE 2050」によって、次の3つの課題に挑戦します。(図1)
一つ目は、「グリーンハウスガス(GHG)排出量ゼロの企業活動を実現する」こと、
二つ目は、「循環する資源を元にした環境負荷フリーの企業活動を実現する」こと、
三つ目は、「お客様のGHG排出ネガティブ・資源循環化に貢献する」こと、です。

図1 循環する資源を元にした環境負荷フリー・GHGフリー企業への挑戦
「YANMAR GREEN CHALLENGE 2050」

特に、Challenge1とChallenge3においては、2050年までに、カーボンニュートラルを実現するために、以下の取り組みを推進します。
まずは、お客様の利便性を損なうことなく、水素やバイオ燃料などのカーボンニュートラル燃料対応エンジン、バッテリーを含む電動パワートレインなど、多様なグリーンエネルギーに対応できるグリーンパワートレインとそれらを搭載した農業機械や建設機械などの開発、市場投入を推進します。
さらに、お客様の活動において使用するエネルギーと使用時に発生するロスを最小化するために、すでに提供している、効率よくエネルギーを変換し、利用管理を行うエネルギーマネジメントシステムやいままで捨てられていたエネルギーを電気や利用可能な熱に変換し有効活用するソリューションなどを提供します。

本号では、ヤンマーグループが「YANMAR GREEN CHALLENGE 2050」として取り組むさまざまな技術テーマの中から、特集号として以下の取り組みを紹介します。

  • 舶用水素燃料電池システム実証試験艇
  • カーボンニュートラル燃料(アンモニア)対応エンジン
  • モジュール型舶用電動システム
  • 省エネルギーを実現するトータルエネルギーマネージメント
  • 工場や焼却炉の廃熱をCO2フリー電力へ変換するスターリングエンジン、熱電発電システム

本号で紹介する技術・商品がお客様の、ひいては世界の課題を解決するための一助になれば幸いです。

著者

ヤンマーホールディングス株式会社
取締役 技術本部長(CTO)

川建 治

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