ベランダで育てるイチゴ
作物

豆知識

南米のチリイチゴと北米のバージニアイチゴが、ヨーロッパで交配されて誕生。老若男女に人気のあるイチゴは、おいしいだけでなく抗酸化作用(ガン抑制効果など)や風邪予防、疲労回復、皮膚や血管、粘膜の強化、美肌などの効果が高いビタミンCの宝庫です。
食物繊維も多く、血中のコレステロール値を下げて、動脈硬化を予防してくれます。
また、胎児の神経障害やアルツハイマーなどの予防に期待されている葉酸(ようさん)も含まれており、まさに、あらゆる世代に食べてほしいフルーツです。
葉は、塩もみして1日数回ウオノメ(魚の目)につけるとウオノメが取れることでも知られています。

薬効的な食べ方・・・生食のほか、ジャム、果実酒など
保存方法・・・ヘタをとらずに冷蔵庫で保存。またはよく洗ってヘタをとり、冷凍保存。

栽培のポイント

イチゴ(バラ科)は連作障害の出やすい野菜です。
悪影響を避けるため、以前、イチゴ・リンゴ・ナシ・カリンなどをつくった土を使う場合は、2~3年以上あける必要があります。

連作障害にならないために

連作障害とは、同じ種類(科)の野菜を同じ場所(土)で続けて栽培した場合に、土中養分の偏りや、酸化、アルカリ化、病害虫の密度の上昇などの理由によって野菜の生育や収量、品質などが低下することをいいます。

連作障害を防ぐには

  • 栽培場所(土)を順次変える輪作で防ぎましょう。
  • 接木苗を使うことにより、連作障害を回避することができるものもあります。
  • 連作障害の出やすい野菜と出にくい野菜を意識して計画的に作付けしましょう。

栽培方法

1. 苗を準備します。

イチゴの苗は、10月頃に出回ります。
また、購入する以外に、前作の親株からつくることもできます。

苗の取り方
収穫後の親株から伸びたランナーの先を接地させて、子株をつくります。
最初の子株は大きすぎるので捨て、2番手、3番手の葉が3~4枚で発達している子株を使います。
ランナーの先が根付いたら切り離してください。
イチゴの苗

2. プランターに用土をいれます。

イチゴの用土

3. 苗を植えます。

プランターに2~3個ずつ、株が少し隠れる程度の浅植えにします。
実はランナーと反対側につきますので、向きを揃えて植えてください。
根付けた後は、日当たりの良いところに置いて、たっぷりと水を与えましょう。

イチゴの定植
イチゴの定植

4. 保温します。

株が凍らないように、不織布やビニールのトンネルをかけて、保温に努めます。
ビニールの場合は、日中の温度が20℃以上にならないように、天井に穴をあけてください。
イチゴは、一定期間寒さに当たらないと花が咲かないので、屋外で育てます。
休眠期には外側の葉から紅葉して枯れますので、枯れた葉は摘み取りましょう。

イチゴの保温

5. 追肥をします。(1回目)

イチゴが成長しはじめる2月中旬頃に、トンネルを外し、化成肥料を10g程度追肥します。

イチゴの追肥1回目

6. 3月中旬までに咲いた花は摘みます。 

白い(または赤い)花が咲くと、虫によって受粉します(軽く揺すって、受粉を助けてもかまいません)。
3月中旬までに咲いた花は、良い実にならないので、摘んでください。
また、水を切らすと実が大きくならないので、冬場でも表面が乾いたら、たっぷりと水を与えましょう。

イチゴの花

7. 追肥をします。(2回目)

実がつきはじめたら、化成肥料をひとつかみ(10g程度)追肥します。
4月下旬からは、有機液体肥料を併用すると、甘い実がなります。

イチゴの追肥2回目

8. 収穫します。

開花後、30~40日くらいになると実が色づいてきますので、赤くなったものから収穫しましょう。
2か月くらいは収穫できます。

イチゴの収穫