お客様事例紹介

個人専業農家 夏堀 徹様〈密苗〉

個人専業農家

夏堀 徹様

  • 地域 : 青森県八戸市
  • 作物・作業 : 水稲(3ha)
  • 密苗実証面積 : 20a
  • その他 : 慣行栽培

苗箱数約1/3!楽して収量アップ!密苗に取り組んでほんとうに良かった!

直播が転じて密苗に取り組み、労力軽減や省力化に挑戦!

「密苗には文句なしです。取り組んで、ほんとうに良かった!」と、大絶賛をいただいたのは、青森県八戸市で、水稲(ひとめぼれ)を3ha(休ませているほ場を入れると6ha)と、キュウリのハウス栽培(年2作)、たまねぎ、ハト麦、花卉などを栽培する夏堀 徹さんだ。密苗の栽培面積は70.5aである。密苗には、ご自身の高齢化をカバーしようと、労力軽減や省力化を図るために取り組まれた。意外なことに、最初は密苗をするはずではなかったという。「実は、直播をしようと思って、やり方を聞きにヤンマーさんに行ったら『密苗っていうのがあるよ』って、教えてもらったんだ。苗箱数が減るって聞いたんで『それなら、やってみようか』ということで取り組みました」。

今回の取材で実感するのは、密苗で成功されている方は、大抵、夏堀さんのように先入観や不安な気持ちを抱かず、素直な気持ちで取り組まれた方がほとんどだ。「年寄りがやってるから大変なんだよ、苗箱を運ぶのが。慣行栽培なら10a当たり18枚使っていたけど、今回の密苗は10a 当たり6.5枚だから約1/3だ。まぁ、これからは楽になるよ」。と、穏やかに微笑む。飄々とした語り口だが、経験に裏打ちされた説得力がある。「年をとっても仕事しなければならないから、やっぱりできるだけ楽な方法でやらないと」。高齢化に悩む農家には労力軽減や時短を、規模拡大を目指す担い手や法人には省力化やコストダウンをと、多様な営農ニーズに対応する密苗は、現代の農業に適した技術と言えるのではないだろうか。

「青田を褒めるな」。先人の知恵を大切に、去年より収量アップ!でコストダウン!

密苗は270~300g/1箱と、慣行栽培に比べて倍近い厚播きになるため、播種時、戸惑ったり不安に感じたりする方が多い。まずはその点をうかがってみた。「播種では、不安や大変なことはありませんが、今ある播種機で300g/1箱まくために、2回通しました。今回は少なかったのでそれで間に合いましたけど、大量に苗をつくるときは、やっぱり播種機を換えないとね」。ことあるごとにご高齢と謙遜されるが、戸惑いや不安どころか、すでに次を見据えておられるのはさすがだ。

育苗に関しても「慣行と変わらずやりましたけど、生育は非常に良かったですよ」と、順調な生育ぶりをアピールしてくれた。夏堀さんは慣行の際も、田植機の操作はご子息に任されて、苗つぎを担当される。「密苗の苗つぎは楽でしたね。慣行では大変ですけど、密苗はその辛さが無くなる。年寄りにはやっぱり大変ですよ。今度は、私が運転してやろう(笑)」。密苗は苗つぎが少ないので、慣れれば一人でも田植えができる。「今回はテストだったから、どれだけ進めば苗つぎが必要かわからなかっけど、もう枚数がわかったので、次回からはもっと効率良くできると思います」。

さらに移植後の印象ついては「問題ない。直播だと跡が見えないけど、密苗は苗が見えるので安心感はある」と、頼もしいお言葉。密苗経験者からよく聞く移植後の不安について、か細い苗を見ても動じることがない。その理由をうかがうと「昔から『青田を褒めるな』という言葉がある。田植え後がきれいに見える青田より、まばらな田のほうが、秋になったら良く実るということ」と、先人の知恵を教えてくれた。「密苗は、植えた時点では寂しい感じがするけど、それを我慢して管理していると、秋には良くなるということ」と、穏やかに笑う。田植え後の管理も「何も慣行と変わったことはしませんでした。順調にいきました」。そしてその結果は「今年はかなり穫れた。去年より収量は上がってコストは下がっているから、良いことばっかりなんだよ(笑)。うん、良かった!」。夏堀さんは、満面の笑顔で何度も「良かった!」を、繰り返してくれた。今年の収量は10俵/10a(去年までは8~9俵)。粒が大きく、くず米はほとんどなく、すべて一等級だった。

「苗づくりに注意すれば、問題ない」。来年は、全量を密苗に!

あまりにも絶賛されるので、何か注意することはないかうかがってみた。
「苗づくりは注意がいると思う。田植えまでをちゃんとやれれば、水管理も慣行と同じで問題ない。ポイントは草丈と根張りだ。根張りが弱いと上手くかき取れない。あとは20日で植えられるように日程調整をして、代かきをしておかないと」。苗づくりが重要とのこと。もちろん皆さん苗づくりはプロだから、失敗のしようがないということだ。

再度、なにか問題は?の質問に対して「ほんとうに問題はないなぁ!非常に良かった!だから、仲間にも自慢して宣伝してる(笑)」。ありがたいことだ、メーカー冥利に尽きる。宣伝いただいているからか、夏堀さんの周りには、密苗に興味をお持ちの方が多い。「近所に『ウチも密苗をやりたい!』っていう人の話を聞いているんですよ。『田植機はどうする?』って聞いたら『買い替えようかな…』って言うてたなぁ」。なんと、お客様の紹介までしていただいた。ヤンマーでは、機械はもちろん、密苗の研修会などソフト面でのサポートも行っているので、ぜひ参加していただきたい。「周りにもやりたいと言う人が増えてるから来年、再来年と、どんどん増えていくと思う。私も知人に結構大きな面積をやっている人がいるから、こんど勧めてみようかな」。規模が大きいほどメリットが多いし楽になるはずだ。

「文句なしです。ほんとうに良かった!支店長に密苗を教えてもらったタイミングも良かったよ。来年は、全量を密苗にしようと思っています」。密苗の取り組みに成功し、自身たっぷりに語ってくれた夏堀さんだ。

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密苗

栽培のポイントやよくあるご質問など、初めて導入する方にもこれまで経験のある方にも役立つ情報をご紹介