ニュースリリース

高付加価値二枚貝養殖を通じた地域ブランド創出支援と地域漁業再生ソリューション提供について

2012年08月11日
ヤンマー株式会社

岩手県大船渡市漁業協同組合(以下大船渡漁協)とヤンマー株式会社(以下ヤンマー)は、このたび当社独自の「陸上二枚貝種苗生産技術」を活用した、二枚貝養殖方式による地域漁業再生と高付加価値地域ブランドの取り組みを開始することを決定いたしました。

昨年発生した東日本大震災は、国内有数の水産資源を誇る三陸地域沿岸に深刻な影響を与えました。このような状況に対してヤンマーは昨年来、長年培ってきた独自の陸上二枚貝種苗生産技術を活用し、「地域漁業再生」ソリューション提案を行ってまいりました。

このたびの取り組みは、ヤンマーと地元漁業者の皆様が一体となって進めていくプロジェクトです。

ヤンマーが提案する、二枚貝養殖方式は、当社独自の高密度人工種苗生産技術と中間育成技術を駆使して育てたアサリやマガキなど大型の人工種苗を用いることにより、従来の二枚貝養殖の課題を解決し、高効率かつ高付加価値な二枚貝養殖を可能にしました。

今年度の取り組みをベースに、ヤンマーはお客様の課題を解決するソリューション提供で地域漁業を元気にする活動をグループあげて展開して行く計画です。

【ご参考資料1】マガキ養殖を例にした従来方式と新方式の比較事例です

1.従来の、マガキ養殖方法における課題

1)天然採苗方式(カルチ方式)
  1. 製品化時の品質や生残率が不安定。
  2. 付着物や育成中のカキの脱落による環境負荷。
  3. 養殖量(種苗数)の制御が難しく、過密養殖になりやすい。
2)従来のシングルシード養殖方式
  1. 種苗サイズが小さく管理の手間が大きい。
  2. 生残率を加味した実質的な種苗価格が圧倒的に高い。

2.課題解決のためのソリューション(詳細は【ご参考資料2】をご参照ください)

  1. ヤンマー独自の陸上種苗生産技術により、陸上で小型稚貝を大量生産・安定供給
  2. 中間育成装置(「FLUPSY(フラプシー)」※)で短期間かつ効率的に大型(マガキ)種苗を育成。

3.期待される効果

  1. 大型種苗の利用が可能となるため、沖出し後の管理の手間が少なく養殖期間が短縮化できる。
  2. 養殖時の生残率(商品出荷時の歩留まり)アップ。
  3. 高い品質安定性と種苗時から明確な生育履歴によるブランド化への訴求力向上。

【ご参考資料2】

1.シングルシードカキ養殖ソリューション事例(イメージ図)

  • 独自技術により陸上で小型稚貝を大量生産・安定供給
  • 中間育成装置で短期間に効率的に大型種苗を育成
  • 防汚カゴを用い、低労力で管理しながら養殖

シングルシードカキ養殖ソリューション

2.「FLUPSY(フラプシー)」(現地でのフラプシー設置状況)

「FLUPSY(フラプシー)」(現地でのフラプシー設置状況)

<※フラプシーとは?>
・・・二枚貝の小型種苗を短期間で効率よく大型種苗に育成する装置です。

<特徴>

  • 小型種苗を海中に設置した独立した複数個の容器(イラスト中央部)に収め、捕食生物から守ります。
  • 容器の底はメッシュになっており、電動ポンプで吸い上げられた周囲の海水が通過します。海水に含まれた天然の植物ブランクトンを餌として小型種苗が成長します。

<注記>
ニュースリリースに記載されている内容は、記者発表時点のものです。最新の情報とは内容が異なっている場合がありますのでご了承願います。

本件に関するお問合せ先

ヤンマー株式会社 総務部・広報グループ
TEL:06-6376-6212 FAX:06-6372-2455 E-MAIL:koho@yanmar.co.jp

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