ヤンマーテクニカルレビュー

新型ViO20 製品技術紹介~上位クラス並みの機能追及~

Abstract

Yanmar's ViO series of excavators are now in their 6th generation. Features of the latest models include an LCD monitor, ECO mode, automatic deceleration, external engine shut-off, and a one-touch (tool-less) engine cover opening mechanism. The newly developed ViO20-6 retains the best features of previous models together with technologies developed for the 6th generation with unified form and function. Designed to be more economical and easier to operate and maintain, the ViO20-6 is also the first Yanmar excavator in the 2-ton class to offer a variable undercarriage option (previously a feature of 1.7-ton and smaller models). With its 6th generation technologies and variable undercarriage option, the ViO20-6 represents a new initiative for Yanmar.

1.はじめに

ViOシリーズは旋廻時に履帯幅から旋廻後端半径がはみ出ない安全性に優れた製品であり、ヤンマー建機の油圧ショベルで最も多い製品ラインナップである。そのViOシリーズも発売初期から6型まで進化し、液晶モニター・ECO・オートデセル・ENG停止スイッチ・工具レスワンタッチオープンボンネットの機能統一を図ってきた。そして今回ViO20が3型から14年ぶりにフルモデルチェンジを行い、6型シリーズに仲間入りした。従来の良い所はそのままに、今まで6型で培ってきた技術をコンパクトな機械に凝縮し、より経済性、操作性、整備性を重視してモデルチェンジを行った。デザイン・機能共に上位クラスの設計思想を織込み統一した商品となっている。さらに、モデルチェンジに加え、このクラスではヤンマー初となる可変脚仕様を立ち上げた。可変脚仕様はViO17以下の機種に搭載されている機構だが、新たな可変脚のコンセプトをViO20に取入れた。上位クラスと下位クラスの技術が融合し、新たな挑戦となったViO20について紹介する。

2柱キャノピ仕様
4柱キャノピ仕様
キャビン仕様

2.商品概要

本商品は日本・韓国をメインターゲットとし、アジア・南米・オーストラリアでも販売されているグローバル商品である。固定脚仕様では輸送性を考慮し、3型と同じ脚幅にし、上位クラスの機能であるECOモード・オートデセル機能や液晶モニターを搭載した。また、操作パネルも上位クラスに合わせ、3型から大きく変化している。さらに、可変脚仕様はアタッチメント装着時でも安定した作業が出来る事をコンセプトとし「吊り上げ能力」・「脚幅」に注力し設計した。脚幅は1380mmから1550mmまで広げる事を可能とし、この脚幅は上位クラスのViO30/35と同じであり、重いアタッチメントや足場が不安定な解体現場で安定して作業が行える。また、追加ウエイト装着時でも、脚幅拡大時では履帯幅内に旋廻後端半径がはみ出さないよう設計し、お客様のストレスを低減できるよう注力した。

3.特徴

3.1.可変脚

ViO20-6が如何に安定しているかを「幅狭時」、「幅広時」、「幅広+追加ウエイト時」で比較した。下図の姿勢において幅狭時の吊り上げ能力を基準とすると、幅広時は23%向上、さらに幅広+追加ウエイト時は38%向上する。吊り上げ能力は勿論だが、やはり乗ったときのオペレーターへの揺れが圧倒的に抑えられているのが体感できる。

3.2.経済性

経済性、作業効率を向上させるため、ECOモード・オートデセルモードを標準装備した。「ECOモード」をONにすることで、エンジン回転数をハイアイドル回転からワンタッチで300回転下げることができ、約20%燃費が向上する。また「オートデセルモード」をONにすることで、待機時の無駄な燃料消費と騒音を抑える事が可能となった。

3.3.操作性

市街地や舗装工事で行われる、アームとブレードを使ったアスファルトの剥離作業のし易さを考え、従来よりもブレードを延長した。バケットとブレードの隙間を従来から90mm近づけた事で、思い通りの作業・動きを実現している。

前モデル:ViO20-3
新モデル:ViO20-6

また、お客様から夜間作業をより効率的に行いたいという要望を受け、6型としては初となるLEDライトを標準装備した。(一部海外を除く。)上部体が旋廻する事を考慮し、照射範囲を左右に広げ、局部を集中して照らすと白飛びして見づらい事を考慮し、明るさを調整している。さらに、周囲の作業者に考慮して、ブームライトのみ点灯できる2段スイッチを採用し、状況に応じて使い分けることが可能である。一方、安全面への取組みにおいては、ブームとアームが設定した位置で自動停止する、ブーム高さ制限・アーム巻込み制限機能を追加し、高さの制限がある作業状況やアタッチメントを装着した際の巻込み干渉が無くなり安全・快適に作業が可能である。

3.4.整備性

ラジエータ等のメンテナンスをし易くする為に、工具レスで開閉できるワンタッチオープンボンネット構造を採用した。また、液晶モニターを搭載したメリットとして、異常発生時にモニターから情報を取得し、異常の早期発見と異常部位の特定が容易になった。早期対処により、機械のダウンタイムを最小限に抑える事が出来る。

ボンネット開閉構造

4.おわりに

今回のViO20は、6型の集大成であり、各部門が連携して『コンカレントエンジニアリング』に取組み、QCTを達成したプロジェクトであった。また、ヤンマー建機のコンセプトである『BEST PERFORMANCE BY YOUR SIDE』に基づき開発を進めた商品であり、幅広いお客様にお使い頂ける商品であると確信する。今後もお客様の声をフィードバックする事は勿論、お客様にとってのニーズを探り当て、優れた商品を提供していきたい。

著者

ヤンマー建機株式会社 開発部

池末 隆