合成メタン(e-methane)ってなに?

更新日時:2024.01

合成メタン(e-methane)ってなに?

1. 合成メタンと「e-methane」

簡単にいうと、メタネーションによって合成したメタンを「合成メタン」と呼びますが、もう少し丁寧に解説していきます。
そもそも、メタネーションとは、水素とCO2から都市ガス原料の主成分であるメタンを合成することを言います。合成時に用いられる水素を再生可能エネルギー(太陽光発電の余剰電力を水電解して得たグリーン水素等)を使用していれば、合成メタン燃焼時に排出されるCO2と合成時に回収されたCO2がオフセット(相殺)されるため、大気中のCO2は増加しないという、カーボンニュートラルの考え方が適用されます。
このように、グリーン水素等の非化石エネルギー源を原料として製造された合成メタンを「e-methane」と呼びます。つまり、本当の意味で環境にクリーンで、カーボンニュートラルなエネルギーとしての合成メタンを「e-methane」と定義しています。
(詳しくはこちらの日本ガス協会様のホームページに記載されています。https://www.gas.or.jp/gastainable/e-methane/

2. なぜ「e-methane」なのか

コスト面、保安面、原料面の3点が理由で、「e-methane」への注目が集まっています。
まず、コスト面で、「e-methane」は、LNGの主成分であるメタンと同じであることから、既存の都市ガスインフラ・ネットワークが活用可能です。そのため、需要家側での特別な燃料転換が不要です。したがって、最小のコストでカーボンニュートラル化ができるとして期待されています。さらにLNGと混合した供給が可能なため、切れ目なく段階的に進められます。
保安面では、従来のLNGを原料とする都市ガス規制で対応するため、基本的には新たな規制整備は不要です。
原料(生産規模)の面では、バイオメタン以上の大量生産実現が可能であり、国内でのメタネーションを行うことで、国産エネルギーとしてエネルギー自給率の向上とエネルギー安定供給に寄与することになります。
(合成メタン(e-methane)について、資源エネルギー庁、https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/gas_jigyo_wg/pdf/027_03_01.pdf

(メタネーション|GO!ガステナブル|日本ガス協会、https://www.gas.or.jp/gastainable/methanation/

3. ガス業界の脱炭素に向けての取り組みのひとつ、e-methane

ガス業界として「2050年のガスのカーボンニュートラル化」へ挑戦する旨を宣言し、脱炭素社会の実現に向けた決意を2020年11月に表明しております。そこでは、メタネーションや水素の直接利用等、脱炭素化に向けた複数の手段を活用し、次世代の熱エネルギーを供給する産業(次世代熱エネルギー産業)として、ガスのカーボンニュートラル化の実現を目指す、としています。
2050年を見据えたシナリオは、下記3点の脱炭素社会の実現に繋げるアクションプランを策定しています。
①徹底した天然ガスシフト・天然ガスの高度利用
②ガス自体の脱炭素化
③CCU/CCSや海外貢献等の取り組み
(カーボンニュートラルチャレンジ2050アクションプラン、一般社団法人 日本ガス協会、
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/methanation_suishin/pdf/001_06_00.pdf

ガスのカーボンニュートラル化に向けたシナリオ

そのマイルストーンとして、2030年にガスのカーボンニュートラル化率5%以上を実現するという目標が掲げられています。具体的には、メタネーションの実用化を図るため、カーボンニュートラルメタンの都市ガス導管への注入1%以上としています。

2050年ガスのカーボンニュートラル化の実現に向けた姿

まとめ

  • 合成メタン(e-methane)とは、水素とCO2から合成(メタネーション)されたメタンのこと。
  • 合成メタン燃焼時のCO2と合成時に回収したCO2がオフセットされるため、CO2は増加しない。
  • 合成メタンは、既存のガスサプライチェーンをそのまま利用可能なため、追加コストが最小化できる。
  • 2030年にガスのカーボンニュートラル化率5%以上という中間目標を置き、メタネーションの実用化を図るため、合成メタンの都市ガス導管への注入1%以上、2050年にはガスのカーボンニュートラル化実現を目指す。

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