YESSA 公益社団法人ヤンマー資源循環支援機構

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助成先一覧

<研究テーマ>
地力増強のための緑肥活用技術の再構築と持続的輪作体系の実装

研究の概要
喫緊の課題である地力減耗対策として、圃場内で有機物を生産する緑肥作物の転換畑への導入に注目し、効果的な輪作体系構築の基盤となる緑肥の地力補完機能について定量評価する。
研究者 :
龍谷大学 農学部 大門 弘幸 教授
助成期間:
2019年4月1日~2020年3月31日
助成額 :
120万円

研究の成果についてうかがいました

Q1:完了報告書の「今後の予定」で記載された取り組みは計画通り展開できましたか?
転換畑におけるラッカセイの生育に及ぼす地下水位の影響を検討するため、体積含水率の異なる高畦区および低畦区を設定しました。茎葉部すき込み後、同一畦高条件でコムギを栽培した結果、低畦区ではすき込み効果が低いことが示されました。温室効果ガス(GHG)である一酸化二窒素(N₂O)の排出量は定量に至りませんでしたが、現在も冬作緑肥ヘアリーベッチすき込み後の動態について圃場試験を継続しています。土壌微生物叢については、転換畑土壌と水田土壌で明確な差異が認められました。郡内差および群間差、その季節変動については現在解析を進めています。
ヘアリーベッチとコムギの混作では、コムギへの追肥窒素を代替する効果として3~4kg/10a相当の効果を確認しました。一方、早晩性の異なるヘアリーベッチ3品種をすき込み後に栽培した夏作デントコーンへの窒素供給量については、すき込み時期の遅延により明確な差は認められませんでした。また、夏作緑肥(S. cannabina、C. juncea)および夏作マメ科作物ササゲの収穫残渣のすき込みはコムギの窒素吸収を向上させましたが、多雨条件を想定したモデル試験では、湿潤条件下においてC/N比の低いササゲ区でメタン発生量が多いことが示されました。さらに、スペルトコムギ生産者との共同研究として、水田輪作に導入されているダイズの根粒菌を滋賀県内の転換畑50地点から単離しました。現在、これらの窒素固定活性およびN₂O還元活性を評価しています。
Q2:助成研究で得られた成果は、現在の研究活動にどういった形で活かされていますか?
輪作体系の確立には継続的なほ場試験が不可欠であることから、夏作・冬作緑肥に加え、アブラナやソラマメなどの収穫残渣の施用効果について、特に窒素動態の観点から研究を継続しています。本助成研究で得られた知見は、これらの試験設計および評価の基盤となっています。あわせて、緑肥や収穫残渣(稲わら、麦わらを含む)すき込み後の水田輪作におけるGHG発生量について新たなほ場試験を実施しています。JクレジットおよびJCMの量的評価に資する基礎データの取得を目的として研究を進めています。

(2026年2月ヒアリング)

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