お客様事例紹介

個人専業農家 黒内 智治様

個人専業農家

黒内 智治様

  • 地域 : 栃木県
  • 掲載年 : 2021年
  • 作物・作業 : 酪農と水稲の複合経営/コントラクター
  • 密苗導入面積 : 食用米13ha、WCS4ha
  • 栽培品種 : コシヒカリ、ナスヒカリ、ツキスズカ(WCS)

密苗に挑戦し、苗箱数4割削減に成功。WCS栽培でもさらなる省力化・低コストを目指す。

酪農と水稲の複合経営。高性能な農機を積極的に活用し、効率的な農業に。

栃木県塩谷郡高根沢町は、関東平野の北部、栃木県のほぼ中央に位置し、水田地帯が広がる平坦地域。そこで水稲栽培をされている黒内さん。奥様とお母様、従業員1名の4名で食用米13ha、WCS4haを密苗で栽培されている。

また黒内さんは酪農経営もされており、作業の効率化、省力化の意識が非常に高く、150馬力の自動操舵付きジョンディアトラクターをはじめとして、倉庫には数多くの大型機械が並んでいるのが印象的だった。

ヤンマーの直進アシスト田植機導入をきっかけに密苗を開始。

これ以上作付面積を増やすには、新しく育苗用のハウスを立てる必要があり、苗箱も購入しなければいけないなど、規模拡大に課題をかかえていた黒内さん。仲間のSNSで、苗箱数が4割近く減るという密苗のことを知り、検討を進めていた。さらに田植機の更新時期とヤンマーの直進アシスト田植機の販売開始が重なったこともあり、2020年から密苗を開始されたとのこと。

「密苗は、栽培面積が小さい所ではどうかいう方もいるかもしれないけど、小さいところはその分、少ない人数で栽培をやらなくちゃいけないので、作業をする人が楽できるようにと考えると密苗は魅力的ですね。」その魅力はズバリ、「やっぱり苗箱の枚数が減るので、うちの妻や母が楽になるというのが一番」と笑顔で語ってくださった。

苗箱数は4割減少し、播種にかかる日数は4日から2日に。育苗ハウスを増やさずに規模拡大もできた!

「苗箱数が4割カットできたので、以前は4月上旬に4日ぐらい種まきの日を取っていたんですけど、今は2日で出来るようになってすごく助かっていますね。育苗管理では苗を動かす作業や、水やり作業などにかかる時間が相当減りました」と省力化を実感。播種量については慣行栽培の時は乾籾で150g/箱、密苗に切り替えた今では乾籾250g~280g/箱播種しているとのこと。育苗については「慣行栽培の場合、30日ちょっと超えてもなんとか植えられるんですが、密苗の場合は、最長でも25日かなと思っています。なるべく早めに20日ぐらいで苗を仕上げて、そこから一気に田植えができるような段取りをしています。苗を手で持てるぐらいに根を張らすように作るのがポイント」。

課題であった育苗スペースについては、「密苗導入をきっかけに作付面積が増えたのですが、逆に育苗に使うハウスの面積は1/4ぐらいスペースが空いて助かりました」と規模拡大しても今の育苗ハウスで対応できたと喜ばれていた。

田植時の苗運びや苗継ぎ作業は大きく軽減。直進アシストと密苗の相性を高評価。

10a当たりの使用苗箱数は、慣行栽培では17枚、18枚で密苗では10枚、11枚。植付本数は、慣行栽培では60株、密苗では50株で疎植にしてそのぶん苗箱数もさらに減らすことができたとのこと。ゴールデンウィークの田植時期には、今まで苗運搬に軽トラック2台を使用していたのが1台で運搬可能になり、「苗継ぎも楽になった!」とご家族からの評価も高いそう。

また新しく導入した密苗田植機の直進アシスト機能について、「大きな区画ほど場所、場所によって土の硬さが違ったり、ほ場条件が変わってくるんです。その中でほ場の状態を見ながら、ダイヤルで細かな調整して真っすぐ植えられるのはやっぱり魅力かな」。
実際、黒内さんの高校生の娘さんが田植機にのって田植えを手伝ってくれた際、見事に真っすぐ植えることができたとのこと。「どんな素人が植えても真っすぐ植えることができるのはすごい。この直進アシスト機能あっての密苗だと思う」と絶賛していただいた。

生育初期の水管理は大切。収量・品質は慣行栽培と変わらない。

「密苗は丈が短いので難しかったのは水管理かな。うちはほ場整備していて一区画を大きく作っているので、特に水管理が難しい」黒内さんは水管理をポイントとして挙げられ、注意して取り組まれている点を教えてくださった。「水を張る前、代かき前に、どれだけほ場を平らにするかというところに気を遣っていますね。それをした上での密苗かなって思いますね」「また、朝晩の水回りを最低でも1ヶ月間ぐらいはしっかりします。除草剤もタイミングを見計らってやるようにしています」。
収穫は9月上旬から。収量については「本当に今までと変わらないぐらいに生育してくれて全く問題ないです。収量は10a当たりコシヒカリで9俵くらい、ナスヒカリで10俵くらい。慣行栽培と密苗でほとんど区別がつかないですね。密苗に変えたから品質が落ちたという感じはないですね」と語ってくださった。

密苗でWCSの規模拡大を目指す。目標は若い人に魅力ある農業を発信すること。

「うちはWCSで乳牛の餌も作っていますが、最近、飼料の高騰もあって地域の酪農家からWCSを販売してくれないかという問い合わせが多く、今後は仲間と連携しながらWCSを現状の倍ぐらいできたらいいかなと考えています。」市況に対応するとともに、「その際は密苗で、植付けを47株とさらに疎植にして、反当り6枚、7枚と苗箱数をさらに減らして低コストの栽培を目指したい」と黒内さんの目指す姿は明確だ。

「今、地元の水稲農家の平均年齢は70歳。その世代がやめた時、大量のほ場が出てくると思います。そうなると1戸当たりの農家が請け負う面積が相当増えてくる。その時は慣行栽培じゃなくて密苗を進めていきたい」と密苗技術に期待を寄せてくださった。

最後に黒内さんのこれからの目標をお聞きすると「これからは労働時間を少しでも減らさないと、さらに農業をやる人たちも減ってくと思う。だから大きな機械を入れて、なるべく労働力を軽減する方向にならないといけない。若い人が見向きもしてくれない農業は困ります。私も中堅になってきたので、若い人にやってもらえるような魅力ある農業を発信できたらなと思う」と地域との共存共栄を目指し、リーダーシップを発揮する黒内さんは熱く語ってくださった。

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