お客様事例紹介

個人専業農家 是本 昌治 様

個人専業農家

是本 昌治様

  • 地域 : 広島県
  • 掲載年 : 2022年
  • 作物・作業 : 水稲、ホウレンソウ
  • 密苗導入面積 : 16ha
  • 栽培品種 : ひとめぼれ、あきさかり

密苗に取り組み始めて5年。持ち前の探求心で密苗を使った省力化に成功。

標高480mの中山間地域で密苗に取り組み、ホウレンソウ周年栽培と水稲栽培を両立。

庄原市は、広島県北東部、中国地方のほぼ中央に位置し、山地に囲まれた内陸の盆地であり、昼間と夜間の寒暖差が大きく、良質なお米、野菜の産地である。是本さんの農地は、庄原市の中でも標高が高い480mの地域にあり、ハウスでホウレンソウの周年栽培に取り組みながら、是本さんご夫婦とご息女ご夫婦の4名で16haで水稲を栽培されている。
標高が高いことから、水稲栽培は4月20日頃から播種が始まり、田植えは5月中旬から6月中旬まで、収穫は9月から始まり10月いっぱいで終わるという作型である。
密苗には5年前から取り組み、現在の栽培面積16haすべてが密苗栽培である。

5年前より水稲栽培面積は3割増加、しかし使用する苗箱数は3割減少。

密苗の取り組みのきっかけをお聞きすると「5年前、水稲栽培面積は12ha、苗箱数は2,300枚でした。ただ、その頃から徐々に栽培面積が増えてきまして、苗箱数を3,000枚まで増やさなくてはいけない状況になっていました」「また、ホウレンソウのハウスを利用して水稲の育苗をしているので、育苗スペースを小さく、また育苗期間を短くして、春の繁忙期に入るホウレンソウ栽培への影響をできるだけ小さくしたいとも考えていました」と、当時抱えていた課題についてお話しくださった。そして良い解決方法はないかと悩んでいたところ、ヤンマーから密苗の紹介があった事がきっかけだったという。「ただ、密苗を知った当時は、持っていた田植機が慣行の田植機でしたので、まず苗は密苗で、慣行の田植機の苗掻き取り量を減らして田植えをしてみました。それでも密苗を使うことで10a当たりの苗箱数は減りました」と密苗の効果を実感。そして3年前に密苗田植機を購入、本格的に密苗に取り組み始め、現在は5年前よりも面積が3割以上増加(12ha→16ha)しているにも関わらず、苗箱数は3割以上減った(2,300枚→1,500枚)という。また育苗に使っていたハウスの面積も10aから5aに半減し、有効活用につながったそうである。

密苗技術は、持ち前の探求心で試行錯誤しながら工夫を重ね体得。

密苗のポイントをお聞きすると「密苗は苗づくりが重要で、ムレ苗に注意するよう話を聞いていたので、まずはムレ苗対策を考えました」「うちは無加温で育苗するので、4月20日頃を過ぎてから播種します。その時期なら育苗期間はおよそ20日。5月中頃に播種すると、2週間経てば根が巻いてしっかり植えられる状態になります。ムレ苗防止のためには、まず育苗期間を守り、苗を長く置かないことが大切です」「また育苗の際育苗シートを掛けますが、シートを掛けておく日数には特に気を付けて、天気の状況を見ながらシートの被覆期間を調整しています。そしてシートを取った後は、気温が高く天気の悪い時に水をやらない事もムレ苗防止につながります」とムレ苗対策の重要性について教えてくださった。
また密苗は苗丈が短くないですかという質問をすると「うちは苗丈12㎝ぐらいで田植えをします。慣行苗は育苗シートを取ると、苗の伸びがぴたっと止まってしまうことがあり、慣行苗の方が、苗丈が短いこともありました。逆に密苗は結構伸びが良くて、密苗が慣行苗よりも苗丈が短いとは感じていません」とのお答えだった。続けて密苗の播種の際の注意点についてお聞きすると「慣行苗の時は乾籾を1箱当たり150g 播種していました。密苗は乾籾を1箱当たり倍の300g播種しています。密苗は厚播きになるため、種籾の水分含量によって1箱当たりの播種量がバラつくことに注意しなくてはいけません。なぜなら籾の水分含量が多すぎると、播種機に籾がくっついて籾がうまく苗箱に落ちなくなり、逆に籾の水分が乾きすぎると、籾が落ちすぎてさらに厚播きになるからです」その対策方法についてお聞きすると「脱水機を購入して、籾を脱水し水分含量を均一にすることで、播種量が一定になるように工夫しました」とのことだった。

密苗田植機に替えてから欠株無し。中生品種なら苗箱数は6~7枚/10aで大丈夫。

密苗田植機を使っていただいた感想をお聞きすると、「密苗田植機は植付精度が上がったと思います。今までの田植機は欠株が出ることがありましたが、この密苗田植機に替えてからは欠株がありませんし、さらに苗箱数の減少にもつながっています」とのこと。栽植密度等の設定については「慣行苗の時と変えていません。今は、早生品種を植える標高の高いところでは60株、標高の低いところでは、疎植にして50株で植えています。中生品種で一番疎植にして37株で田植えしたこともあります」と笑う是本さん。苗箱数をどこまで減らせるかという研究に余念がない。
10a当たりの使用苗箱数は、慣行苗の場合、20~25枚であったが、密苗にした結果、早生品種は10a当たり10枚、中生品種は6~7枚でおさまっているそうである。「密苗の10a当たりの収量は、早生品種で470~480kg。中生品種で600kg弱です。中生品種を植えているところは条件の良い水田が多いので、600kgを超えるところもありますが、慣行苗と密苗で収量は変わりません。収量は天候によって変わる年はありますが、苗の違いで変わるということはありません」とのことであった。

密苗に興味のある農家さんには自ら密苗技術を伝授。密苗に取り組む人が増えてほしい。

最後にこれから密苗に取り組もうと考えている農家さんに向けて一言お願いすると「密苗はメリットしかないのでぜひチャレンジしてほしいと思います。管理面で大切なことは、苗作りの時にムレ苗にならないように、播種時期に応じて適正な育苗期間を守ることです」とアドバイスをいただいた。また、これからの密苗の可能性についてお聞きすると、「これからは地域の農家が大型農家に絞られ、だんだんと密苗の取り組みが増えてくるのではないでしょうか。私も密苗技術について個人的によく聞かれますが、皆が密苗に取り組めるように密苗技術をお伝えできればと考えています」と密苗への期待と普及意欲を力強く語ってくださった。

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