お客様事例紹介

アグリプロ株式会社 代表取締役 松蔭 利幸 様〈密苗〉

アグリプロ株式会社
代表取締役

松蔭 利幸様

  • 地域 : 福岡県
  • 掲載年 : 2022年
  • 作物・作業 : 食用米、麦、野菜
  • 密苗導入面積 : 食用米(22ha)/ WCS(14ha)/ 飼料用米(10ha)
  • 栽培品種 : 夢つくし、WCS

ヤンマーの高い技術力に期待し導入を決意。見事、課題解決に成功しました。

離農が進み人手不足が深刻化する地域で、いち早く密苗を導入

福岡県の北東部に位置し、穏やかで温暖な気候が特徴の行橋市。稲作を中心に麦や大豆、果物など、農業が盛んに行われている地域だが、行橋市もまた多くの地域と同様に農業人口が減少し、人手不足が地域の大きな課題となっている。今回は同市でいち早く密苗を導入し、課題解決に取り組まれているアグリプロ株式会社を取材した。
代表の松蔭さんは大規模な複合農業を少人数で効率良く行うために、早くからICT技術を活用したスマート農業や新しい栽培方法を積極的に導入してこられた。密苗もその一つで、数年前から段階的に試験導入し2021年から本格的にスタート。食用米22ha、WCS14ha、飼料用米10haの合計46haを、たった3名で難なくこなしている。そんな、少数精鋭の大規模農業実現に貢献したのが密苗だ。

苗箱数が約1/2になり、コスト削減と作業労力の軽減に成功

松蔭さんが密苗を導入された目的は、少人数で大規模農業を効率良くこなすための省力化とコスト削減だ。「密苗にしたことで苗箱数を8,300枚から4,300枚に削減できました。それに伴って育苗スペースや資材も半分くらいに収まり、1/3のコスト削減に成功しました」と、導入目的の一つであるコスト削減を達成された。
さらに、苗箱数が減ったことで作業労力にも大きな変化があった。100mのほ場で慣行時は1往復に1回、苗の補充をしていたが、密苗では3往復から4往復に1回になったそうで、「補充の回数が減って連続作業が可能になり、タイムロスがなくなって1日に植えられる面積が2haから2.6haに増えました。」「慣行時は早朝から夜遅くまでかかっていましたが、密苗にしてからは8時から始めて遅くても18時には作業を終えられるようになり、労働時間が短縮できたのも良かったです。1人当たりの労力が大幅に削減でき、職場環境の向上にもつながっています」と手ごたえを感じてくださっている。

密苗×直進アシスト機能で作業者の労力が大幅減!

苗補充の回数が減り連続作業が可能になったことで、補助者だけでなく田植機を運転するオペレーターへの負担も減ったとのこと。同社では田植機YR6DとYR8Dを使用されており、直進アシスト機能にも触れ「田植機を直進させる集中力を1日中キープするのは大変な重労働でしたが、そこを直進アシストがサポートしてくれるので疲れ方がまったく違います。密苗と直進アシストの相乗効果で、オペレーターの労働状況も格段に改善されました」と、長時間作業でも疲れにくい操作ができる機能に、満足してくださっている様子がうかがえた。

段階的に密苗を導入し不安を解消

密苗栽培にしたことで多くのメリットを実感しておられる松蔭さんだが、導入前に不安はなかったのだろうか。「地域で密苗栽培の前例がなかったので、すべてが手探り状態でした。特にジャンボタニシ被害と密苗に適した育苗の仕方、この2点は大きな不安要素でした」と振り返る。
この不安を解消するため、本格的に導入する数年前から数10枚のほ場で段階的に密苗を試験導入し試行錯誤を重ねてこられた。育苗工程はヤンマーのYouTube動画を参考にしながら、ご自身の経験や技術を応用して強く良い苗を育てることを追求。その結果「育苗がうまくできればジャンボタニシは慣行栽培と同じ駆除で問題ないと分かりました」と松蔭さん。そして、2021年からすべてのほ場で本格的に導入された。

育苗のポイントは“過保護育苗”にしないこと

「強い苗を本田に植えれば、強いお米ができます」と話す松蔭さんに、強い苗を育てるための工夫をうかがうと「慣行苗と同じように育苗してしまうと過保護育苗になり、細くて弱い苗になってしまいます。密苗はちょっと荒々しく、適度にストレスを与えてやることがポイントです」と話してくださった。大きく変えたのは散水方法で、時間や回数を減らして苗にストレスや危機感を与えている。慣行時はタイマーをセットして決まった時間に決まった量を散水していたが、密苗にしてからは手動に切り替えたそうで「天候を見ながら時間や回数を調整しています。そして、苗が徒長しないように『苗上手※アクセル(チッ素液肥)』と『苗上手※ブレーキ(リン酸液肥)』をうまく使い分けながら、しっかりと根を張った苗作りに取り組んでいます」とのこと。続けて育苗管理の注意点について「高密度に播種しているので育苗中のムレには気を付けています。病害虫発生の原因になりますので、育苗期間中に防除を1~2度は施します。慣行苗ではやっていなかったので、その工程を増やしました」と松蔭さん。慣行苗よりもストレスを与えている分、観察する頻度は多くしているそうだが「育苗の工程は少し増えますが、田植え作業などが格段にラクになったので大した労力ではないですね」とのこと。
「強い苗を本田に植えることで、タニシ被害が非常に少なくなるだけでなく、活着が早く分けつも慣行苗と同じスピードで始まります。密苗にしたことで被害が拡大したり、生育に遅れがでたりということはありません」と話してくださった。なるほど、ほ場に目を向けると、太く力強い茎から伸びる青々とした葉がイキイキと風に揺られている。
※苗上手は㈱ミズホの商標です

密苗をはじめ農業の最新技術を活用した複合経営を目指したい

松蔭さんは4年ほど前にリモートセンシングを導入し、ほ場を可視化し土壌改良や施肥量の調整に活用。さらに2022年4月には最新のICT技術を完備したビニールハウスを建設されるなど、スマート農業にも高い関心を寄せておられる。「当社では米麦の栽培に絞らない大規模な複合経営を目指しています。雇用の確保が難しい現状のなかで、生産性を確保しながら他の作業に集中する時間を捻出できるスマート化は欠かせません。スマート化できるものはどんどん取り入れていきたいですね」と未来像を力強く語ってくださった。
最後に密苗を導入して一番良かった点をお聞きすると「導入目的だった省力化とコスト削減に成功したことです。近隣の農家さんにも自信を持ってお勧めしたいですね」と、太鼓判をおしてくださった。密苗やスマート化といった新技術を積極的に取り入れ、これからの農業経営のモデルケースとなるような挑戦を続けていかれるだろう。

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