お客様事例紹介

株式会社vegeta 谷口 浩一様〈直進アシスト機能付き野菜移植機 PW200R〉

株式会社vegeta
代表

谷口 浩一 様

  • 地域 : 広島県庄原市
  • 掲載年 : 2025年

スマート農業を積極的に推進、従来の作業体系を変える野菜移植機を導入

広島県庄原市を拠点に、年間80haに及ぶキャベツの周年栽培を軸に多品目の露地野菜を展開する株式会社vegeta。代表の谷口さんは、これまでも積極的にスマート農業を取り入れ、効率化と品質向上を実現してこられた。キャベツ収穫機HC1400に続き、新たに導入されたのは直進アシスト機能付き野菜移植機「PW200R」。従来の作業体系を変え、現場に新たな可能性をもたらしているという。谷口さんに、導入の狙いと手応え、地域農業への想いなどをうかがった。

直進アシスト機能がもたらす工程削減と作業効率化

谷口さんが「PW200R」をいち早く導入された決め手は、作業体系を根本から効率化できる点にある。従来のキャベツ定植では畝を立て、その後に定植・中耕・追肥・防除と進める必要があり、直線性の確保が欠かせなかった。
PW200Rは直進アシスト機能により畝立てを省略でき、工程をひとつ削減できる。導入後は80haのうち約半分を畝立てなしで定植する体系へ移行。とくに夏季の定植や高冷地の水はけに優れた黒ボク土圃場での活用を想定されている。専用トラクターの投入や移動も不要となり、通年栽培全体の効率化につながる。結果として作業工数は約15%削減できる見込みだ。
さらにかん水装置(オプション)により、1株あたり30~50ccの水を供給できる。定植時にかん水しておけば少雨時でも3日程度は保水が持続し、活着率はほぼ確実に高まる。「平うねで横からの乾燥も抑えられ、異常気象や天候不良が続く状況下でも安定した作業につながる」と評価していただいた。

短株間仕様で市場ニーズの変化に応える

昨今、キャベツの需要構造に変化が起こっている。量販店や生協など小売の現場では、大玉よりも扱いやすい小玉の人気が高まり、消費者は鮮度の良さや食べきりサイズを重視する傾向が強い。Vegetaでも加工用の出荷に加え、量販店や生協向け販売に力を入れておられるが、PW200Rの短株間仕様は、そういった市場ニーズに応えるための有効な手段となった。
「株間を26cm程度に設定すれば、10aあたり約6,000株を定植できる。単位面積当たりの収量が増えることで販売数量を拡大でき、収益性の向上にもつながる」と谷口さん。品種によって株間を調整されているが、PW200Rは、容易に株間調節が可能。定植時のかん水機能については、当初は手間が増えると想定していたものの、実際には移植スピードが速く、従来以上に効率的な作業が可能になっていると実感を込めて語ってくださった。

若手人材を育てる“機械化”という仕組み

谷口さんの会社では、社員の平均年齢が30歳未満と非常に若い世代が中心となっている。農業を“会社勤め”として選択する若者が定着し、農業高校や農業大学校からも新卒が加わるなど、若手が継続的に育っている点が特徴的だ。インターネットや地元求人誌を通じて入社し、残業のない週休二日制の環境で安定して働き続けている。社内では課長や係長らが指導にあたり、組織全体で農作業を共有する体制を構築。入社から3年ほどでひと通りの作業をこなせるようになる仕組みが整っている。
農業未経験の社員も多い中で、誰が操作しても同じ精度で作業できる直進アシスト機能は、人材育成の面でも大きな力を発揮しているという。最初にA点・B点を設定すれば自動で直進を維持し、オペレーターは植え付け状況の確認に専念できる。「農作業自体の技術は本や人から学べるが、毎日同じものを同じ目で見続けることこそが本当の技術。その基盤を支えるのが機械化だ」と谷口さん。

地域農業を守るために

谷口さんは常に市場や消費者のニーズに応じて柔軟に生産品目を選ばれている。現在はキャベツに加え、健康志向の高まりを受けて国産トマトジュース用の加工用トマトを栽培されており、さらに今年からはスナックメーカー向けのジャガイモ生産も開始された。いずれも「今求められているもの」を的確にとらえ、自社の経営に取り入れているのが特徴だ。
今後も規模拡大と機械化を進め、地域の担い手として農業の活性化に取り組んでいきたいと考えておられる。「農業を守ることが地域を守ることにつながる」という信念のもと、新しい技術や機械を積極的に導入しやすい環境を整え、地域全体の底上げを目指されている。
現在、国内の食料自給率は低迷し、高齢化により農業を継続すること自体が難しくなっている地域も少なくない。庄原市も中山間地で小区画の圃場が多いが、「土と水と空気」という資源に恵まれて、農業こそが地域を支える基盤となっている。谷口さんは「大規模経営だけが答えではないが、持続的に展開するためには機械化が不可欠」と話される。
新しい情報を積極的に取り入れ、地域の生産者同士で交流しながら活性化を図ることで、若者が農業に戻り、職業として成り立つ未来を築いていける。そのためにまずは自分たちで何ができるかを考えて行動することが最も重要だと強調された。

ヤンマーの技術とともに描く未来

最後に、谷口さんに今後のヤンマーへの期待をうかがった。
「PW200R」については、価格変動の大きい葉物野菜の生産現場において、省力化に直結する他社にはない新しい機械として「非常に素晴らしい」と高い評価をいただいた。一方で「新しい機械が出ても、産地によっては情報が十分に届いていない」との課題も挙げられ、全国に販売網を持つヤンマーだからこそ、地域や作物に応じた情報提供をさらに充実させてほしいとのご意見をいただいた。
さらに「誰が使っても扱いやすい機械づくりを」との期待も寄せられた。農業では高齢化が進む一方で、若い世代や異業種からの参入も増えている。そうした中で、作物に優しく、使う人にも優しい機械が求められていると指摘していただいた。広大な農地だけでなく、中山間地の小区画圃場でも活用できる汎用性の高い機械の開発が重要であり、現場に寄り添ったものづくりをさらに進めてほしいとの思いを語ってくださった。
谷口さんが常に見据えておられるのは、自社の経営にとどまらず、日本の農業全体の未来だ。

お客様使用製品・サービス情報

野菜移植機 PW200R

高能率に、高品質な野菜づくり。

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