お客様事例紹介

個人専業農家 豊島 春希様

個人専業農家

豊島 春希様

  • 地域 : 新潟県新潟市
  • 作物・作業 : 水稲(約10ha)
  • 密苗実証面積 : 約53a
  • その他 : 慣行栽培のほかに、鉄コーティング湛水直播栽培を2年実施

慣行栽培と密苗を組み合わせて、さらなる労力削減と規模拡大を図りたい

稲作の省力化を求めて鉄直、そして「密苗」へ

新潟市で水稲10haを栽培・管理されている豊島春希氏。5~6年前から農繁期には、田植えや稲刈りなどお父様の作業を手伝っていたが、お父様が体調を崩されたのを機に本格的に農業に従事し始めたのが4年前だという。当初は慣行栽培を行っていたが、2年前に鉄コーティング湛水直播栽培(以下、鉄直)を導入された。
「基本的に1人でやっているので、とにかく人的な労力を削減したかった。具体的には育苗のコストダウン、田植えで必要となる苗運搬や苗継ぎの省力化を期待しました」。慣行栽培に比べて、水管理が難しいといわれる鉄直だが、豊島氏はどうだったのだろうか?
「水管理については、まったく問題なかったですね。昨年はコシヒカリが反収で9俵半ありました。発芽率も良く収量も取れたので成果は悪くなかったですよ。あえて問題点を上げるとすれば、雑草稲が出やすいことです。この地域でよく発生していて、赤米とも呼びます。色彩選別機にかけてから等級検査をするので品質に問題はないのですが、新潟県の普及センターからは、直播を控えたり、2シーズン続けて直播しないなどの指導を受けています」。
そんな豊島氏が目をつけたのが密苗だ。

ヤンマーの最新農業技術「密苗」。新潟初の挑戦に胸が高鳴った

豊島氏は今年慣行栽培に加えて、53aのほ場を使って密苗に挑戦された。豊島氏が密苗を初めて知ったのは、昨年に読んだ業界紙だったという。また、同じ頃にヤンマーアグリジャパン株式会社の新潟中央支店の鈴木担当から面白い技術があると聞き、モニター試験を実施することになった。

その時の様子を「現在、1反当たり50株植えで16枚育苗していますが、密苗にすると8枚くらいになり約半分になる計算です。これは驚異的な省力化になると興奮しました」と語る。 とはいっても、全国的にも実施例がほとんどない栽培技術。「経験豊富な方から、特に育苗が難しいだろうと言われました。育苗には最も気を配りましたね」。
密苗の経験がないため、手さぐりでの育苗だったが、結果は慣行苗と比べても遜色ない出来だったと豊島氏。「密苗は一般的に病気と肥料切れになりやすいと言われていますが、心配いりませんでしたね。バッチリ苗が育ちましたよ」と太鼓判を押していただいた。
実際の栽培管理について「2016年5月4日に移植してから約1ヵ月経ちますが、現時点で慣行栽培とまったく変わりません。育苗から移植まで想像以上に順調に進みました。本当は1haくらい密苗を試したかったのですが、最初からそうしておけば良かったです(笑)」。

期待を覚えながら移植を終えた密苗のほ場。
期待を覚えながら移植を終えた密苗のほ場。

順調に進んだ育苗で、さらなる省力化と規模拡大の可能性を実感

育苗についてもう少し詳しくうかがうと、「密苗で使用した品種はコシヒカリです。播種日は4月16日で、育苗期間は18日です」。
18日間という育苗期間はどう見極めたのだろうか?「稚苗を植えた方が活着が良いと聞いていました。その方が病気の心配も少ないので」。運用面については「育苗箱数は48枚でした。この量だと育苗資材費が減ったという実感はありませんが、もっと規模を拡大すればコストパフォーマンスは上がると思います」。
また、限られているハウス面積もより有効活用できると豊島氏。「育苗のハウスは2棟ありますが、慣行栽培のみでは、場所の余裕がありませんでした。今年は密苗にしたことで若干の余裕が出ました。さらに密苗を増やせば効果が出てくると思います。播種作業はどうしても1人でできませんが、枚数が減ることにより時間短縮と省力化が期待できます。これなら新たにハウスを増設しなくても、規模拡大が実現できそうですね」と密苗の導入に手応えを感じておられた。
大規模農家で顕著な効果が表れている密苗だが、豊島氏のようなこれから規模拡大を考える方にとっても期待は大きそうだ。

苗継ぎが2回必要なほ場を、ノンストップで移植できた!

育苗が順調に進んだ豊島氏に、移植についてうかがった。
「慣行栽培に比べて高密度に播種していますから、苗継ぎが減りますよね。同時に苗運搬の労力削減にもなります。私のように1人で農作業している場合にはありがたい恩恵です」。
実際に移植された感想については「約30aのほ場を苗継ぎなしで田植えすることができました。通常なら、2回くらい苗継ぎしますよ。モニター機(RG8)に乗って田植えをしましたが、苗が減らない、田植えのスピードも早いなと実感しました」。
また、移植を終えたほ場を眺めながら「欠株も少しありますが、収量には大きな影響はないと思います。9月の収穫が今から楽しみですね」と笑みを浮かべながら語ってくれた。

鉄直に比べて「苗」を植えているという安心を感じるという豊島さん。
鉄直に比べて「苗」を植えているという安心を感じるという豊島さん。

慣行栽培と密苗を組み合わせて、収量増加と高品質を追究したい

育苗から移植まで大きな問題がなかった豊島氏に、全てのほ場を密苗にするかどうか聞いてみた。
「私の場合、全てのほ場を密苗にすることはできません。10haの農地を1人で1度に代かきや田植えを行うことができないのです。実際には6haと4haに分けて、代かきと田植えを行っています。逆算して播種も4月の第1週目と3週目の2回に分けています。もし、1回目に密苗にすると育苗期間が長すぎます。しかし、2回目の播種を密苗にするとうまく行くので、今後は密苗の割合を増やしていきたいと思っています」。

9月に収穫をむかえる豊島氏に、密苗の改良点はないかうかがった。「苗継ぎが不要なのは良いのですが、肥料は途中で継ぎ足す必要があります。これが解消できれば完全にノンストップで田植えできるのでぜひ改良して欲しいですね。また、数人の農家に密苗の話をしたのですが、まだ浸透していないようでした。こんなに助かる技術だから、みんなに知ってもらいたいですね」。実用化が始まったばかりの密苗にとって有意義なご提案をいただいた。
農業に従事されてまだ4年目だと謙遜されるが、豊島氏は鋭い観察眼で理論的な農業を実践されていた。そんな豊島氏をヤンマーの機械と技術で応援し続けたい。

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密苗

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