お客様事例紹介

農業生産法人 株式会社カトウファーム 加藤 晃司様〈密苗〉

農業生産法人 株式会社カトウファーム
代表取締役

加藤 晃司様

  • 地域 : 福島県福島市
  • 作物・作業 : 水稲(約35ha)
  • 密苗実証面積 : 50a
  • その他 : 慣行栽培・疎植栽培

将来の規模拡大に備え、5年をかけて密苗にチャレンジ

震災を乗り越えて頑張る農業生産法人が、密苗導入による省力化を目指す

福島県福島市の株式会社カトウファームは、若い代表取締役の加藤晃司さんと奥様の絵美さんを中心とした家族経営の農業生産法人だ。主食用米20ha、飼料用米を15ha、持込み籾や買取り籾の籾すり作業を60ha分のほか、作業受託など、水稲栽培を主体に営農。東日本大震災の被害を乗り越え、コシヒカリでは2015年に『第五回米-1グランプリ』決勝大会入賞。またメインに作付けする福島の新しいブランド米「天のつぶ」を、5割の減農薬や混合肥料を使って栽培するなど、こだわりの米づくりが自慢だ。

そんな加藤さんが、密苗に取り組もうと思ったきっかけはなんだろう?
「栽培するにあたって、7,000枚ぐらい苗箱を使うので、育苗管理が大変なんです。そんなときに密苗という技術があって、苗が約半分で済むと聞きました。そうすると(単純計算で)今の倍の面積の苗がつくれる『それは良いじゃないか!』ということで、少しずつ取り入れることになりました」。基本的に家族経営なので、規模を拡大するには、大幅な省力化が必須だ。それには密苗はもってこいの技術だといえる。

苗箱枚数は、なんと慣行の1/3!苗つぎも『楽だったよ!』と母親の声

加藤さんが今年取り組んだ密苗の栽培面積は50a。つくった苗箱は約30枚。地域の雪解け水を利用した浸水籾を、150g播きで2回通したため、苗箱1枚当たりの播種量は約300gと少し厚めだ。その播種・育苗に関しては「慣行も密苗も、どちらも自動スプリンクラーを使って同じように育苗しています。最初、密苗のほうがあまり太くなりませんでしたけど、基本的に変わらなかったですね。(最終的には問題なく)普通に育ってくれました」と、加藤さん。育苗段階での慣行苗との違いは特に感じられなかったとのこと。それもあって、管理も慣行と同様に行った。そして、いざ!移植作業となる。

実際に田植えをしてみた感想をうかがうと「密苗の10a当たりの苗箱枚数が6~7枚/10aだったので『ほんとうに少ないなぁ…』と、驚きました。慣行栽培が35ha当たり15~18枚/10aぐらいなので、約1/3になりましたね」と、その省力効果にご満足いただけたようだ。加えて「よくこんなに小さな株を、かき取って植えらるなぁ…」と、田植機の精度にも大絶賛。さらに、苗つぎを担当された母親からは「『楽だったよ!』って言ってました」と、喜びの声をいただけたとのこと。初めての密苗挑戦は、まずは成功と言えるのではないだろうか。

穂が実る頃には生育も慣行に追いつき、移植直後の苗サイズへの不安も払拭

無事、移植を終えた密苗の生育はどうだったのだろう?
「最初は、苗の見た目が細いので『慣行と比べて(田面の色が)薄いなぁ…』と思いました」。密苗が、慣行苗よりも少し小さいため、若干の不安もあったという。「面積が多くて毎日見ていられないので、イメージですが…」との前置き付きではあるが、その後の生育について「穂が実ってきた頃からは、慣行栽培に追いついてきたと思います」と、順調な生育を伝えてくれた。
また、「毎年面積が1町~2町くらいずつ増えていくので、それに対応して少しずつ機械を投資し、今後は、苗をうちで 買ってもらえるように商売に繋げていきたい」と将来の展望を語ってくれた。

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密苗

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