農業 - ニュースリリース

農林水産省補助事業「農業界と経済界の連携による先端モデル農業確立実証事業」にヤンマーが提案する事業が採択されました ヤンマーは生産地の課題を解決し、イチゴ生産の安定と生産者の収益向上をもたらすソリューション技術の確立に取り組んでまいります

2014年04月04日
ヤンマー株式会社

ヤンマー株式会社(本社 大阪市北区:社長 山岡 健人 以下、ヤンマー)は、長崎県イチゴ生産者、長崎県農林技術開発センター 農産園芸課技術普及班、パナックアドバンス株式会社と連携して、熱線吸収フィルム被覆によるイチゴ生産の安定と生産者の収益向上をもたらす技術の確立に取り組んでまいります。

日本国内のイチゴは、その味の良さから、日本国内はもとより海外でも注目を浴びており、今後国内外の需要の堅調な拡大が期待されている商品作物のひとつです。一方で、毎年、栽培面積が150haから200ha減少しており、イチゴ生産は縮小の一途をたどっています。

その主な要因として、生産資材ならびに光熱費等が高騰していることや、機械化等の省力化技術が進まないことなどにより労働集約性が低くなっていることが挙げられます。そういった状況のなか、主な生産地では、イチゴ生産者の収益を向上させることを目的とした技術開発へのニーズが高まっています。

ヤンマーでは生産地の課題を解決するために、2年前から熱線吸収フィルムの技術開発に取り組んでまいりました。課題解決のキーとなるのが、植物が光合成を行うのに必要な光を透過させ、ハウス内の温度上昇を引き起こす近赤外光を吸収して遮熱するという高機能な熱線吸収フィルムです。

本事業では、この新たに開発した熱線吸収フィルムを活用してエネルギーコストをかけずに、ハウス内の温度上昇を抑制することで、生産コストを下げ、イチゴ生産の安定と品質向上、さらには、作型分散や収穫期の延長による労働力の平準化対策などによる生産者の収益向上につなげていくことを目的とし、ヤンマーと上記プロジェクト参画者が一体となって実証事業を推進してまいります。

1.本実証事業の狙い

本実証事業では、熱線吸収フィルムによるイチゴの植物生理を制御した増収技術の確立を取り組み課題とします。具体的には以下を実施します。

  1. 冷房施設を用いない省エネルギー化と作型(さくがた)分散※1による労力の平準化技術の確立。
  2. 最適時期に天候に左右されない雨よけ条件下での定植と昇温抑制効果による花芽分化(はなめぶんか)※2の安定化技術の確立。
  3. 日中の昇温抑制により、ハウス内換気開始までの時間を延長し、CO2を長時間施用することによる増収効果の検証。
  4. 長距離輸送に対応した早春期の果実軟化を防ぐ対策技術の確立。
  5. 収穫期間延長による収益の増加効果の検証。

2.本実証事業の実施期間

2014年4月〜2017年3月(3年間)

【ご参考】農林水産省ウェブサイトURL
http://www.maff.go.jp/j/press/keiei/keiei/140404_1.html 

【ご参考:文中語句説明】

  • ※1 作型分散:苗の定植時期を早めたり遅らせたりすることで収穫時期をずらし、継続的に出荷できるよう栽培を管理すること。これにより、収穫や調整作業を軽減させることができます。
  • ※2 花芽分化:植物が生殖のために花になる芽を作ることをいいます。花芽分化時期を調整することで収穫時期を早めたり遅らせたりすることができ、計画的・効率的に栽培ができます。

以上

<注記>
ニュースリリースに記載されている内容は、記者発表時点のものです。最新の情報とは内容が異なっている場合がありますのでご了承願います。

本件に関するお問合せ先

ヤンマー株式会社 総務部・広報グループ
TEL:06-6376-6212 FAX:06-6372-2455 E-MAIL:koho@yanmar.co.jp

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