みやぎ生活協同組合様
会社紹介 : みやぎ生活協同組合
みやぎ生活協同組合(みやぎ生協)は、1982年に設立され、宮城県と福島県を中心に事業を展開しています。環境面では、リサイクル活動や再生可能エネルギーの利用促進、エシカル消費の推進などに取り組んでいます。
所在地:宮城県仙台市泉区八乙女4-2-2
導入製品:バイオディーゼルコージェネ
導入年月:2015年(リサイクルセンター)、2017年(本部)
会社紹介 : みやぎ生活協同組合
みやぎ生活協同組合(みやぎ生協)は、1982年に設立され、宮城県と福島県を中心に事業を展開しています。環境面では、リサイクル活動や再生可能エネルギーの利用促進、エシカル消費の推進などに取り組んでいます。
所在地:宮城県仙台市泉区八乙女4-2-2
導入製品:バイオディーゼルコージェネ
導入年月:2015年(リサイクルセンター)、2017年(本部)
2000年以降、資源を循環させる持続可能な社会づくりに向けて、政府は長期的な戦略を打ち出しています。ヤンマーもまた、A SUSTAINABLE FUTUREを実現すべく、循環型社会に向けた取り組みを進めています。ガスエンジンを使用したヒートポンプサイクルにより、冷房・暖房を行うシステム・GHP(ガスヒーポン)などを製造・販売しているヤンマーエネルギーシステム株式会社では、再生可能エネルギー事業へのチャレンジが進行中。
こちらが、みやぎ生協本部に設置されているバイオディーゼルコージェネ。私たちが普段食べている、てんぷら等に使用された廃食油で電気をつくるバイオマス発電機です。こちらでは通常、1時間で約25kWの発電を行い、みやぎ生協本部で使われている電気の約8分の1を供給しています。
「バイオマス」とは「再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの※」のこと。具体的には、紙や食品などの廃棄物、家畜排泄物、下水汚泥のほか、廃材や間伐材、稲わらや麦わら、もみ殻などがバイオマス資源として考えられています。現在ヤンマーグループでは、さまざまなバイオマス資源を用いたエネルギー変換に挑戦しており、バイオディーゼルコージェネもそのひとつです。
バイオディーゼルコージェネでは、廃食油からつくられる「FAME(脂肪酸メチルエステル、Fatty Acid Methyl Ester)」と「SVO(Straight Vegetable Oil)」という2種類のバイオマス燃料を使用します。
FAMEとSVOは、いずれも原料は同じく廃食油(植物油)ですが、生成プロセスが異なります。FAMEは植物油にメタノールを添加してエステル交換反応をさせて生成します。このとき、副産物としてできるグリセリンを除去する必要がありますが、軽油と同じくらい燃焼性が良いことが特長。ただし、酸化しやすく樹脂やゴムを劣化させるという課題が残っています。一方、SVOは「不純物を取り除いただけの生の植物油(廃食油)」。生成時の環境負荷が低いのが特長ですが、原料によって燃料としての品質が異なること、常温で粘性が高いこと(軽油の約10倍)が難点。国内での導入実績はほとんどありません。
そこで、ヤンマーのバイオディーゼルコージェネでは、FAME燃料に対応するためにゴム部を劣化に強い素材に換装、SVO使用するときには燃料切り替えユニットを燃料供給側に設置。起動時と終了時のみ軽油もしくはFAMEを使用し、SVOタンクを保温することで「常温で固形化する」という難点も克服。国内で初めて、SVOによる安定した発電を実現したのです。
みやぎ生協では現在、本部と東配送センター、そしてみやぎ生協リサイクルセンターの3カ所にバイオディーゼルコージェネを設置しています。その燃料になるのは、みやぎ生協の各店舗にて販売する、お惣菜をつくる際に厨房から出る廃食油。そして店頭に持ち込まれる生協組合員の廃食油も一部活用がはじまっています。
廃食油の回収を見学したのは、みやぎ生協南光台店。厨房では5つのフライヤーを常時使用しています。1から5までの油槽の油は、順次入れ替えて回転させ、酸化レベルが一定以上に達すると、揚げカスをろ過して18リットル缶に保存。毎週、4〜5缶が廃食油になります。ちなみに、みやぎ生協グループ48店舗全体では、毎月約20トンの廃食油が集まるそうです。
この廃食油をSVOとして使用するためにはもう1ステップ。廃食油の質にはどうしてもバラつきが出てしまいます。SVOに生成するためには、不純物の除去が必要です。みやぎ生協で集めた廃食油をクリーニングする現場を追いかけました。宮城県・大崎市にある有限会社千田清掃です。
みやぎ生協南光台店の厨房で見せてもらった18リットル缶が、ずらり並びます。廃食油には、揚げカスなどの固形物のほか、水分も混入しているため、千田清掃ではまず廃食油に含まれる水分を静置分離により除去。遠心分離によるろ過で不純物を取り除き、さらに浄化フィルターにかけます。不純物が少なければ少ないほど、発電時の焼き付きやつまりのリスクを減らすことができるからです。
千田清掃で生成したSVOは、みやぎ生協本部とみやぎ生協リサイクルセンターにあるバイオディーゼルコージェネのタンクに給油されることになります。
Y MEDIAでの取材記事はこちら: