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2025年10月掲載

近年、気候変動の影響で極端な豪雨や猛暑日の増加といった異常気象が頻繁に発生しています。気候変動は農業にさまざまな影響を及ぼし、このような状況に対応するためには、多角的なアプローチが必要です。今回は気候変動に負けない土づくりの具体的な方法とその効果についてご紹介します。

気候変動が農作物に与える深刻な影響 効果的な耕うんで、根の生長をサポート 緑肥を取り入れ、土壌の力を高める 排水性を改善し、湿害を防ぐ!

高齢化や人手不足は農業にとって課題ですが、気候変動も現代の農業における大きな課題のひとつといえます。地球温暖化による高温障害、多雨、干ばつ、冷害などは、水稲や野菜、果樹の品質や収量に影響を及ぼします。
適切な作土深は、品質・収量の向上に関係しているデータが示されており、気候変動への対策として効果が期待できると言えるでしょう。

水稲におけるほ場の作土深と整粒歩合の関係

作土深は土壌貫入抵抗測定器を田面に貫入し、その抵抗値が急上昇するポイントを耕盤の位置とみなし、そこまでの深さを作土深とした。各ほ場とも同一日に測定。(日本自然学会2011 松村より作成)

土壌の性質は、物理性、化学性、生物性が互いに複雑に絡み合う中で決まります。そして、その3要素のバランスが取れた状態であることが健康な土壌の条件です。ほ場によって違いはありますが、実際の土壌に関するトラブルの「70~80%は物理性の改善によって解決される」と言われています。

物理性の改善で、土壌に関する問題の70~80%は解決!

プラウなどで深耕することで作土層を拡大させ、下層まで空気が良く通り、通気性・透水性の良い土壌環境をつくります。また、根が深くまで伸びることで、水分や養分を吸収しやすくなり、作物の健全な生長を促します。

資料:多収穫田の作土層の厚さと収量

作土深15~21cmで高い収量を示している。
(青峰1955より作成)

資料:作土深と収量

コシヒカリ・日本晴・その他の品種において、作土が深いほど収量が高い。
(福井農試1983)

土壌の化学性が適正な状態とは、土壌中のEC(電気伝導度=塩類濃度の指標)やpH(酸度の指標)などの数値が適正で、養分含量のバランスが良く、作物の生育に理想的な環境になっていることです。表層に塩基類や石灰資材が集積した土壌は、下層土と混和することにより塩基類を薄めたり、pHを低下させたりすることができます。また、下層の微量要素も全体に混和し利用することもできます。
ただし、深耕・混和により土壌バランスが変わることもありますので、土壌診断を行うことをおすすめします。

耕うんとpH+ECの変化

耕うん方法 土層深さ(cm) pH EC
(1:2.5・mS)
無処理 0~12 6.3 2.5
10~20 6.5 1.1
20~30 6.5 0.4
30~40 6.7 0.4
30cm深耕 0~12 6.6 1
10~20 6.4 1
20~30 6.3 0.9
30~40 6.1 0.5
  • これらの作業機は、粗耕起作業機の中でも、能率重視のけん引式高速・省エネ作業機です。
  • 高速で粗起こしを行い、地表の残渣物を土に混和させるとともに、粗く反転させることで土中に空隙ができ、高い乾土効果を発揮します。
  • スキ形状で耕起を行うため土を練ることがなく、高水分時での作業ではその後の乾土効果を高めます。
  • スタブルカルチ・スーパーソイル、スピードカルチ
  • プラウは深耕と有機物や堆肥などのすき込みをする反転耕です。スキ形状の反転耕起は土を練らないため、乾土効果を高めます。
  • プラウでの天地返しは、有機物や堆肥を土中へすき込み、微生物を活性化させ、団粒化の促進と有効土層を拡大させる効果があります。
  • プラウ
  • 高速で土壌の表層を砕土・混和。ロータリーの約4倍の作業効率を発揮します。
  • 残渣物や雑草を株元から切って埋没させ、腐食を促します。土塊は適度な大きさを保つので乾土効果が得られます。
  • ディスクティラー
  • ディスクが刺さりにくい硬い土のほ場や土壌水分の多いほ場でも、ディスクの間に土が詰まることが無く作業ができ、能率よく広い範囲を深耕・天地返しができます。
  • ディスクロータリー
  • 砕土・鎮圧し、保水性と透水性を両立した理想的な土壌環境がつくれます。
  • 高速作業でさまざまな作業効率の向上を実現。麦・豆・コーンなどの畑作作物だけでなく、乾田直播や牧草などの播種床づくりにも最適です。
  • パワーハロー
    製造元:KUHN(クーン)
    パワーハロー
    製造元:ミノス

    緑肥作物は、土壌の物理性、化学性、生物性の改善など、さまざまな目的で活用されています。緑肥作物を栽培、すき込みをすることで、有機物が土壌に供給されます。土壌の劣化や腐植のもととなる土壌有機物の消耗を防ぎ、生産性が高く健全な土壌を維持していくためには、有機物を絶えず土壌に供給していくことが欠かせません。

    作業の様子

    緑肥作物は、土壌にすき込むことで有機物が供給され、微生物の活動を活発にします。目的に応じた緑肥作物(品種)を選んで栽培することで、有機物の供給のみならず、化学肥料の削減、土壌病害虫による被害の軽減、景観づくりなどの効果を得ることができます。特定の品種は、土壌中の病原菌や線虫を抑制する効果があります。また、根が深く広がることで水や空気の通り道になり、根で土が耕されます。

    団粒構造形成イメージ
    ペルシアンクローバ、ヘアリーベッチ、ソルゴー、パールミレットの写真
  • ロータリー、パワーハロー、ディスクハローなどに装着することで、耕起・整地作業と播種作業を同時に行え、作業時間の短縮・省力化に貢献します。
  • スモールシーダー
  • 粉砕力に優れたハンマーナイフにより草刈りはもちろん、茎の太い雑草の粉砕や灌木の枝払いなど、幅広く活躍します。
  • 右オフセットだけでなく、センター位置でも作業が可能です。
  • オフセットシュレッダー
  • 粒状肥料(化成肥料)の微量散布や砂状肥料(ヨウリンなど)、粉状肥料(石灰など)の精密散布に使用します。混合散布できるタイプもあります。
  • ライムソーワ
  • 安価な単肥の混合によるコストダウンや、有機資材などの混合によるほ場に応じた肥料の配合が行えます。
  • ブロードキャスター
  • 堆肥を均一に散布します。湿田軟弱地に最適な自走クローラタイプと機動性の高いけん引タイプがあります。
  • マニアスプレッダー

    近年の局地的豪雨によってほ場に水がたまると、発芽不良や、根に酸素が届かないことによる根腐れの原因となります。溝掘機による表面排水の明きょや、サブソイラなどでの耕盤破砕(暗きょ)で透・排水性が向上します。また、うねを立てることで作土層が広がり、根域も確保できます。

    排水性が悪いと病原性の微生物が増殖
    排水性を改善すると下層まで養分が蓄積される
    額縁明きょ・園場内明きょ・落水口・排水路の位置を示すイラスト
  • 溝掘機は、ほ場内に溝を掘り、余剰水をほ場外へ排出します。降雨後の水はけが悪い、豪雨時に暗きょによる縦浸透の排水が間に合わないなど、排水路がないときに起こる問題に対し、手軽に実施できるのも、明きょ排水です。
  • 溝掘機
    余剰水をほ場外へ排出するイメージ
  • サブソイラで心土破砕を行うことで湿害の原因となる土壌中の余剰水を下層へ排出し、根域拡大・病害を抑制する効果があります。
  • サブソイラ
    余剰水を下層へ排出するイメージ

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