省力作業を実現
緑肥すき込み
2021年に策定された「みどりの食料システム戦略」では、2050年までに有機農業の拡大や化学肥料の使用量3割削減などが目標とされています。これに対応するため、国内の一部事例では小麦栽培における、マメ科緑肥等による化学肥料の削減効果の可能性が示されています。その中で本研究では、マメ科緑肥のすき込み方法として、高速作業が可能なディスクティラーの有効性を検討するため、従来のロータリーとの比較や省力化の効果、小麦の生育への影響について検証を行いました。
| 担当 | 山口県農林総合技術センター | |
|---|---|---|
| 試験場所 | 山口県農林総合技術センター外部ほ場(山口県防府市大字台道) | |
| 実施期間 | 2023年度~2025年度 | |
| 使用機械 | 緑肥刈取り | YT357RJ+フレールモア(ニプロFN2002RF) |
| 緑肥すき込み 試験区 |
YT357RJ+ディスクティラーDTM14 | |
| 緑肥すき込み |
YT357RJ+ロータリー(従来型) | |
| 耕種概要 | 緑肥作物 | (ア)緑肥の種類:クロタラリア「ネマコロリ」、セスバニア「田助」 (イ)播種期:2024年7月30日 (ウ)緑肥の播種量(/10a):クロタラリア6kg、セスバニア5kg (エ)刈り取り・すき込み時期:2024年10月9日 |
| 小麦 | (ア)供試品種:小麦「せときらら」 (イ)播種期:2024年11月25日 (ウ)播種量(/10a):5.6kg |
|
| 調査項目 | ①前作にマメ科緑肥作付けあり/なし、小麦施肥量標肥/減肥による比較 ②すき込み作業の効率化 |
|
本研究では、休閑期間中の雑草管理の省力化と小麦の減化学肥料栽培確立を目的として、マメ科緑肥の導入を行いました。
そのすき込み方法として、従来から一般的に使用されているロータリー、高速作業が可能なディスクティラーの作業性を比較。すき込み方法の違いが小麦の生育に及ぼす影響を明らかにしました。
クロタラリアおよびセスバニアを作付けした区は、ともに生育は旺盛で、雑草の発生はなかった。一方、緑肥作物の作付けなし区ではメヒシバ、イヌビエ、アゼガヤ等のイネ科雑草が繁茂した。
データは10個体、3区の平均値。前作なし区は雑草の草丈を調査(クロタラリアとセスバニアは8月26日までは草高を調査)。図中の矢印は前作なし区の刈り取り日を示す。(2024年8月27日と9月26日)。
※新稲作研究会令和6年度委託試験成績より
※新稲作研究会令和6年度委託試験成績より
緑肥とは?
土壌改良や肥料効果を目的として栽培される植物です。主にイネ科やマメ科が利用され、栽培後に土にすき込むことで様々な土づくり効果を発揮します。
緑肥の最大の特徴は「根がある有機物」であることです。根が土壌深部まで伸びることで、機械では届かない深い層まで耕し、透水性改善や作土層拡大をもたらします。また、堆肥と違い発酵の手間が不要で、栽培した植物をそのまま土にすき込むだけで効果が得られる手軽な土づくり手法です。
マメ科緑肥(クロタラリア、セスバニア、ヘアリーベッチ、レンゲなど)
根粒菌による窒素固定で減肥効果が高く、品種によって線虫抑制、病害軽減、雑草抑制など特有の効果があります。特にクロタラリアは線虫抑制効果が幅広く、セスバニアは耐湿性に優れ水田転換畑での耕盤破砕に効果的です。
緑肥作物のすき込み速度は、ロータリーに比べてディスクティラーが約3倍速かった。ディスクティラーの理論作業量は、ロータリーの約2.7倍であった。
小麦の出芽数は、すき込み法、緑肥の種類による差はなかった。
フレールモア
ディスクティラー
ディスクティラーDTMシリーズ
他にも様々な実証試験データを公開しています。