油圧ショベル・ミニショベルを安全に運転するために

カテゴリ:建機を安全に取り扱うために

ちょっとした気の緩みが命とり!安全第一を何よりも大切にしましょう 油圧ショベル・ミニショベルを扱う際は、ちょっとした気のゆるみや甘えが、大きな事故の原因につながります。ひとたび事故を起こせば自分自身にも他者にも、被害や損害を与えることになります。後悔先に立たずです。安全に対する心構えの総点検をしましょう!

安全の心構えと秘訣

安全のための「常識」と言われていることであっても、守られていないことはありませんか?
現場作業では些細なことや「めんどくさい…」と思うようなことをおろそかにしないことが安全の秘訣です。
油圧ショベル・ミニショベル(バックホー/ミニバックホー)を運転する前に、今一度見直してみましょう。

●運転資格

油圧ショベル・ミニショベル(バックホー/ミニバックホー)を運転するときは、必要な免許証・修了証を必ず携帯する必要があります。運転前に必ず携行していることを確認しておきましょう。

●服装の乱れは心の乱れ

だらしない格好は、見た目の悪さだけでなく機械に引っかかったりするなど、事故の原因になることもあります。 きちんとした服装は安全の基本です。

●油圧ショベル・ミニショベルに関する基礎知識の習得

油圧ショベル・ミニショベル(バックホー/ミニバックホー)の取扱い説明書をよく読み「運転操作」、「安全装置」、「点検・整備の仕方」等について、正しく理解しましょう。

●各種点検

1.現場の事前確認
  • 事前に危険がないか予知、確認してから作業を始めましょう。危険な所には、立入禁止とする・誘導者を配置・地盤の補強など、安全に必要な処置をしてください。
  • 作業場の地形、土質を調べて最良の作業方法を決めましょう。
  • 作業現場内に関係者以外の機械や人が入ると、接触事故や人身事故の原因となります。作業前に作業範囲内に誘導者以外の人や障害物がないかを必ず確認してください。作業現場内に関係者以外が入らないように、立入禁止の措置をおこなってください。
  • 市街地や道路上での作業は、誘導者を配置したり、囲いを設けたりして通行車両と歩行者の安全を確保してください。
  • 水道管、ガス管、高電圧管などの埋設物があると思われるときは、管理会社に連絡して位置を確認してください。埋設物を破壊しないように作業してください。
    水中での作業や浅瀬を渡るときは、事前に地盤の状態、水深、水の流速を調べて許容水深を越えていないか確認してください。(許容水深に関する注意は各種取扱説明書を参照ください)
  • 橋や構造物の上を走行するときは許容荷重を調査し、強度不足の場合は補強してください。
2.火災防止の点検
  • エンジンのまわりに木片、枯れ葉、紙くずなどの可燃物が蓄積していると、火災の原因になるおそれがあります。常に点検して取り除いてください。
  • 燃料やオイル漏れ、作動油系統からの液体漏れを点検してください。不具合がある場合は、修理して油汚れを拭き取ってください。
  • 消火器の設置場所と使用方法を確認しておいてください。
3.運転席回りの点検
  • フロアー、レバー、手すり、ステップなどに泥、油、雪などが付着すると滑りやすくなり危険です。泥、油、雪などが付着している場合は拭き取ってください。
  • 運転席周辺に部品や工具を置かず、整理、整頓、掃除をしてください。操作レバーやスイッチ類を破損したり、事故の原因となったりするおそれがあります。
4.始業点検

油圧ショベル・ミニショベルを扱う際は、作業開始前に必ず始業点検を行い、異常のあるときは責任者に報告し、必要な措置をりましょう。また、定期検査を実施していない建設機械は使用できません。

●体調管理

油圧ショベル・ミニショベル(バックホー/ミニバックホー)の運転は、車と同じです。機械がいくら高性能でも、それを動かす人の体調が不十分では、機械を使いこなすことはできません。逆に事故の原因にさえなってしまいます。
日頃から健康に気をつけて、ベストコンディションで仕事にとりかかりましょう。

●チームワーク

建設工事では、1人だけで仕事をすることはまずありません。油圧ショベル・ミニショベル(バックホー/ミニバックホー)のオペレーターや搬出トラックの運転手、安全を指示する誘導者など、お互いの息が合っていることは、安全な作業のために重要です。

エンジン始動前の注意事項

●労働安全衛生規則

労働安全衛生規則で定められた項目は遵守しましょう。

◆◆労働安全衛生規則(抜粋)

    • 地形・地質の調査と記録<規則第154条>
    • 作業を行う前には、機械の転落、地山の崩壊などによる労働者の危険防止のために、現場の地形地質の状態を調査・記録しなければなりません。
    • 作業計画<規則第155条>
    • 前項の調査・記録にもとづいて、次の項目の作業計画を立てなければなりません。
      1. 使用する車両系建設機械の種類および能力
      2. 車両系建設機械の運行経路
      3. 車両系建設機械による作業の方法
    • 転落の防止<規則第157条>
    • 転落、崩壊などのおそれのある所で作業させてはならず、またそのような事故を防止する措置を講じなければなりません。
    • 接触の防止<規則第158条>
    • 接触事故を防止するため、危険な場所に、他の作業者を立ち入らせてはなりません。
    • 合図を決める方法<規則第159条>
    • 運転について誘導者を置く時は、一定の合図を決め、誘導者に行わせ運転者はそれを守らなければなりません。

●屋内では十分に換気しましょう

屋内でエンジンを始動させるときは、窓や出入口を開けて、換気を良くしてください。
不必要な空ブカシや、作業をしていない状態でエンジンをかけっ放しにしないようにしましょう。

●視界の確保

キャビンガラスと前照灯は、良く見えるように表面の汚れを落としてください。
作業状況に応じた前照灯、作業灯が装着されていることを確認してください。前照灯、作業灯が正しく点灯するか常に点検してください。

●シートベルトを締める

転倒時保護構造(ROPS)仕様には、ヘッドガード、シートベルトが装着されています。

  • 運転するときは、必ずシートベルトを腰骨の低い位置に確実に締めてください。絶対に腹部で締めないでください。
  • 事故が発生したときは、シートベルトを交換してください。シート、シートマウントの点検は最寄りの販売会社に依頼してください。破損している場合は、必ず交換してください。

●排気熱に関する注意

排気口から高温の熱風が排出されます。この熱風が直接植物に当たると、植物は枯れてしまいます。
生け垣や樹木の近くで作業をするときは、植物を熱風から保護するための遮蔽板を施してください。

●運転席の調整

運転席が正しく調整されていないと、誤操作や疲労の原因となり、事故を引き起こすおそれがあります。運転前には、運転席を正しく調整してください。運転者が背中を背もたれにきちんとつけた状態で、操作レバーおよびペダルを十分に操作できるようにしてください。

エンジン始動・作業現場・駐車に関する注意事項

●合図してからエンジンを始動しましょう

  • 一日の始めは、始業点検を実施してください。
  • 乗降する前に、車両の周囲に人がいないか確認してください。
  • コントロール装置に「警告札」が標示されているときは、エンジンを始動させないでください。
  • エンジンを始動させるときは、警告のためホーンを鳴らしてください。
  • 始動および運転は、運転席に座って操作してください。
  • シートベルトは確実に装着してください。
  • 運転者以外の人を乗せないでください。
  • バケット・作業装置上も含め運転席以外へ人を乗せないでください。

●エンジン始動後の点検

エンジン始動後はすぐに車両の運転を行わず、エンジン始動後の点検をしてください。怠ると機械の異常の発見が遅れ、人身事故や機械の損傷の原因になります。(点検方法については、各種取扱説明書をご参照ください)

●機械の異常を感じたら

作業中に機械の異常を感じたら直ちに使用を中止し、故障箇所を整備してください。

●火災発生時の対応

  • 火災発生時はスタータースイッチをOFF にしてエンジンを停止してください。
  • 手すりやステップを使って機械から脱出してください。機械から飛び降りないでください。転落し、傷害を受けるおそれがあります。

●ブレードの向きを確認してから車両を発進する

  • 走行レバーを操作する前にブレードの位置を確認してください。
  • ブレードが車体後方にある場合は、走行レバー操作が逆になります。(車両の発進については、各種取扱説明書をご参照ください)

●周囲に人がいないことを確認してから旋回、後進する

  • 危険な場所や見通しの悪い場所では誘導者を配置してください。
  • 旋回半径や進行方向に人が立ち入らないようにしてください。
  • 動き出す前にホーンを鳴らしたり、合図したりして警告してください。
  • 車両の後方には視界がさえぎられる範囲があります。後進する前に近くに人がいないことを確認してください。

●走行時の注意

  • 走行時は作業機を折りたたみ、地面から40 ~ 50cmの高さにしてください。
  • 走行中に、やむを得ず作業機操作レバーを操作するときは、急激な操作をしないでください。
  • 不整地を走行するときは、低速で走行してください。
  • 進路変更するときは、急激な操作をしないでください。
  • 障害物はできるだけ乗り越えないようにしてください。やむを得ず障害物を乗り越えるときは、作業機を地上近くに保ち低速で走行してください。車両が極端に斜めに傾く(10 度以上)ような乗り越えはしないでください。

傾斜地、不整地、軟弱地面での注意

傾斜地、不整地、軟弱地面では特に安全に気を配って作業しましょう。
市街地でも、危険はいっぱいです!油圧ショベル・ミニショベル(バックホー/ミニバックホー)やキャリア、ローダーだけでなく、どの機械でもほぼ共通です。

●傾斜地では

多少遠まわりでも命が大切です! 傾斜地の移動は、まっすぐ上り下りすることが基本です。石などがあって少しでも傾むくとさらに転倒しやすくなります。 以下の点に特に気をつけましょう。

  • 斜面で長時間運転するとエンジンが焼きつくことがあります。
  • 斜面の等高線に対し、平行や斜めに走ると横転や横すべりの危険があります。
  • 斜面は必ず直角方向に走ってください。
  • 坂を登りつめて平地に移る時も、障害物乗り越えと同様に体重移動で。
  • 傾斜地でやむを得ず駐車する時は、バケット等を食い込ませ、足まわりに必ず歯止めをしてください。
  • 斜面でのダンプ作業やアーム、ブーム、バケットの操作は非常に危険です。
  • 降坂途中で曲ると自重で機体が落下しますので絶対禁止です。

●不整地では

突起や石、木などの障害物があっても、ムリに乗り越えず、できるだけ避けて通過するようにしましょう。

◆どうしても乗り越えねばならない時は……

  1. 速度を落としてゆっくり乗り上げ、
  2. 重心が頂点に達したら一旦止まり、
  3. 自分の体重をゆっくり前に傾け機体の重心を前に移し、
  4. 接地に注意してゆっくり越える
    クローラー仕様の車両の場合、凹凸の激しい所ではクローラーをゆるめた方が機体が安定しやすく、足回りも長持ちします。

●軟弱地では

積荷が満載での軟弱地走行は特に要注意です。常に接地圧を考えておくことが大切です。

  • 軟弱地での急旋回はスリップのもとです。
  • もしスリップしたら、すぐ走行レバーを中立にして停止しましょう。
    スリップを続けると履帯やタイヤの下を掘るだけで、ますます動きがとれなくなります。ゆるめた方が機体が安定しやすく、足回りも長持ちします。

万が一、スリップした時には・・・

  • 前後進の方向を変えてみる。
  • 油圧ショベル・ミニショベル(バックホー/ミニバックホー)なら、掘削部を操作して履帯を浮かし、石や木材を敷いて脱出します。
  • デフロック装置を使えるローダーもあります。
  • 他のトラックなどに引いてもらうのも確実な方法です。

●市街地では

市街地での移動や作業は、人はもちろん、様々な施設への接触に注意しなければいけません。特に埋設物の有無をよく確かめることが大切です。埋設物のある所では人力による掘削をしてから、慎重に機械掘削をしてください。
また市街地では、騒音、ほこり、排気ガスなども問題になります。