未来を動かす水素のチカラ

未来を動かす水素のチカラ

水素エンジンが
切り拓く、新たな
可能性。

現在、低炭素社会実現に向けて、
オフロード業界においても電動化や
新しい動力源の活用といった
代替動力の検討が活発に行われています。
その中でヤンマーパワーテクノロジーは、
カーボンニュートラル社会の
実現に向けた提案のひとつとして、
オフロード作業機用途に適した、
水素エンジンの技術開発を進めています。

水素ってすごい! エコで
サステナブルな
未来の燃料

GHG※フリー

水素エンジンは、燃焼時に二酸化炭素を排出せず、環境負荷が非常に低いのが特徴です。また、水素自体も再生可能エネルギーなどを利用することで製造時からGHGを排出しません。
※Green House Gas : 温室効果ガス

枯渇の心配がない

水素は再生可能エネルギー由来の電力から水を電気分解して生成が可能なため、枯渇性の化石燃料(石油や石炭)とは異なり、無限に取り出すことが可能です。

YANMARの
エンジン技術 × 水素で、
未来を動かす!
Off-road Hydrogen Engine

排気量
: 3.8L
最大出力
: 70kW以上/2200min-1
GHGフリー
水素燃料のためCO2を排出せず、GHGフリーに貢献
搭載互換性(4TN101ディーゼル/水素)
既存ディーゼル仕様との部品共用の最大化
信頼性
舶用水素パワートレインで培った技術と、オフロード作業機用
パワートレインでの長い経験に基づく信頼性の高いエンジン設計

Compatibility & High reliability

最新のディーゼル
エンジンをベースに
水素仕様へ

今回、技術開発に着手した水素エンジンは、ヤンマーパワーテクノロジーが新しく開発したディーゼルエンジン4TNI101(排気量: 3.8L)をベースにしています。
ディーゼル仕様との搭載互換性を実現し、既存の車両から大きな変更を加えることなく、水素エンジンへの変更できることをコンセプトにしています。
また、先行して進めている舶用水素パワートレインで培った技術と、既存のオフロード作業機用パワートレインで保持している長い経験により、安全で、かつ信頼性の高いオフロード用水素エンジンの実現を目指しています。
ヤンマーは長年にわたり、世界で稼働するオフロードエンジンの供給を行ってきました。近年では、非常に厳しい各国の排ガス規制対応や、多種燃料対応(ガス・バイオ・HVO※など)を自社で蓄積された技術で進めてきました。今回の水素エンジンの技術開発を通じて、将来の動力源に対して新たな選択肢を提案すると共に、低炭素社会の実現に貢献していきます。
※ Hydrotreated Vegetable Oil : 水素処理植物油

ヤンマーの
事業フィールド×水素

技術者 INTERVIEW ディーゼルエンジンから
水素エンジンへ
産業用機械の可能性を広げる
新たな一手

中島さん
ヤンマーパワーテクノロジー
小形事業部 開発部 試験部 先行技術グループ

中島 厚ATSUSHI NAKAJIMA

ヤンマーではトラクターや油圧ショベルなど、さまざまな農建機に代表される産業機械を取り扱っています。これらの産業機械にはディーゼルエンジンやガスエンジンが使用されますが、Yanmar Green Challenge2050で掲げるカーボンニュートラル達成に向けて、水素エンジンの技術開発を進めています。

水素特有の課題を克服しつつディーゼルエンジンと同じスペックを目指す

小形事業部で量産している産業用エンジンを水素エンジンに置き換えた時に、お客様に満足いただけるものができるのか、というのがプロジェクト発足時のテーマでした。4TN101というディーゼルエンジンをベースに、シミュレーションを活用しエンジン設計の共通性を高いレベルで維持しながら仕様検討と設計を行い、まずは試作機で様々な試験ができる環境を構築しました。
ディーゼルと水素では燃焼方式も、燃料自体の特性も大きく異なります。産業用エンジンは作業内容によってエンジンの回転数や負荷の変動が大きい中でも安定して運転できるよう、高い応答性が必要となりますが、水素は非常に燃えやすい性質があるため、制御が難しいという課題があります。水素エンジンでも多様な使われ方に対応する方法を探すことが目下の課題です。

世界でも注目されている次世代エネルギー

安定した燃焼方法の模索と合わせて、水素をどのようにオフロード機械に搭載するのか、補給方法はどうするのか、といった水素ならではの課題も解決しなければなりません。他にも、燃えやすい気体なので安全への配慮も必要ですし、デメリットの方が多いのではと思われるかもしれません。
しかし水素は、地球上にたくさん存在する気体で、再生可能エネルギー(太陽光・風力・地熱など)から作ることも可能なため、無くなることはありません。また、電気よりもエネルギー密度の観点などで優れているというメリットもあります。水素の利活用は、次世代エネルギーの一つとして、先進国をはじめ、世界中から注目されています。ヤンマーでも約10年前から、船舶用の水素燃料電池システムの開発など、水素の社会実装に向けた実証実験から商品化に取り組んできました。

カーボンニュートラルに向けて提案の幅を広げていく

産業機械に対してはすべてを水素エンジンに置き換えるのではなく、既存のディーゼルエンジンや電動パワートレインと使い分けることで、提案の幅を広げていこうと考えています。先に説明したオフロード機械ごとの使われ方の違いから、どのパワートレインも向き不向きがあります。その中でお客様の要望に合わせた最適な提案ができるような技術の構築を目指していきます。

中島 厚さん
ヤンマーパワーテクノロジー
小形事業部 開発部 試験部 先行技術グループ
中島 厚さん

2019年ヤンマーパワーテクノロジーに入社。ディーゼルやガスエンジンの開発経験を活かし、水素エンジン開発のプロジェクトリーダーとしてプロジェクトをけん引する。

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