舶用エンジン - ニュースリリース
環境に優しく信頼性の高い船舶用デュアルフューエルエンジン6EY26DFの開発を完了
2016年07月26日
ヤンマー株式会社
ヤンマー株式会社(本社:大阪市、社長:山岡健人)は、天然ガス燃料(LNG)とディーゼル燃料の切り替え運転が可能でかつ信頼性の高い、船舶用デュアルフューエルエンジンの開発をこのたび完了しました。
船舶市場の排出ガス規制は、本年1月から施行された国際海事機構(IMO)の3次規制ではエンジンからのNOx(窒素酸化物)の排出量を1次規制値から80%削減、2020年からはCO2(二酸化炭素)に関しても、船舶からの排出量を20%改善が予定されるなど、年々厳しくなっています。
こういった市場環境の中、環境性に優れたLNG燃料と入手の容易なディーゼル燃料の両方をフレキシブルに使用できるデュアルフューエルエンジンは、IMO 3次規制に高いレベルでフィットできることから、船舶市場において近年注目が集まっています。
二種類の燃料の使い分けには、高度な制御技術が必要となりますが、EY26DFエンジンは、高精度な空気流量制御技術によりエンジンを常に最適な燃焼状態に維持することで高い信頼性と安定した運転を実現しています。
ヤンマーは今後も船舶用デュアルフューエルエンジンのラインナップ拡充に取り組み、様々なお客様に最適なソリューションを提案してまいります。
1. 6EY26DFの特長
【燃料のフレキシビリティ】
- 全負荷運転状態においても、ディーゼルを燃料とするディーゼルモードとLNGを燃料とするガスモードの切り替え運転が可能。
- ノッキングが発生しやすい低メタン価のLNG燃料においても出力を制限することなく運転可能。
【高度なエンジン制御】
- 独自の空燃比制御※1とノッキング検出システムにより安定したガスモード運転が可能。
- ガスモードにおいてはマイクロパイロット燃料噴射装置※2による着火を行い、ディーゼルエンジンと同等の応答性を実現。
【ガスモードにおける優れた環境性と高い熱効率】
- ガスモードにおいて同クラスの当社ディーゼルエンジンEY26と比較して、NOx 84%、CO2 25%、Sox(硫黄酸化物)・PM(粒子状物質) 99%を削減し、IMO 3次規制に対応。
- ガスモードにおいて当社ディーゼルエンジンを超える熱効率46.8%を実現。
2. 6EY26DF機関主要目
型式名 | 6EY26DF |
---|---|
定格出力 [kW] | 1533 |
定格回転数 [min-1] | 750 |
シリンダ数 | 6 |
シリンダ径 x ストローク [mm] | 260 x 385 |
平均有効圧力 [MPa] | 2.0 |
使用燃料 | 船舶用重油、LNG(36.0~40.6 MJ/Nm2) |
- ※1:ガスエンジンは負荷変動や燃料のメタン価によって、燃焼に最適な空気量(空燃比)が異なる。また、ディーゼル燃料とLNG燃料も空燃比が異なるため、デュアルフューエルエンジンでは最適な空燃比制御が重要となる。
- ※2:ディーゼル燃料を微量噴射しLNG燃料に着火することで確実で素早い燃焼を実現。
<ヤンマーについて>
1912年に大阪で創業したヤンマーは、1933年に世界で初めてディーゼルエンジンの小型実用化に成功しました。以来、産業用ディーゼルエンジンを事業の柱とし、さまざまな市場へ商品・サービス・ノウハウを融合したトータルソリューションを提供する総合産業機械メーカーです。小型エンジン、大型エンジン、農業機械・農業施設、建設機械、エネルギーシステム、マリン、工作機械・コンポーネントの7事業を有し、グローバルにビジネスを展開しています。
「自然と共生し、食料生産とエネルギー変換の分野でお客様の課題を解決するとともに、未来へつながる社会とより豊かな暮らしへの貢献」をミッションステートメントに掲げ、世界の「都市」「大地」「海」の事業フィールドで、資源循環型社会“A SUSTAINABLE FUTURE”実現への貢献を目指しています。
詳しくは、「ヤンマーについて」をご覧ください。
【報道関係者お問合せ先】
ヤンマーホールディングス株式会社
ブランド部コミュニケーション部 広報担当
E-mail: koho@yanmar.com
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