はじめに

ここでは、野菜づくりでよく使う栽培用語を解説します。

あ行

育苗(いくびょう)

鉢(ポット)や箱(苗床)に種をまき、広い土に植え替えるまで人工的な環境下でしっかりとした苗になるまで育てることです。
苗は、発芽・育成時期に天候の影響を受けやすく、いきなり広い土に種をまくと丈夫に育たない可能性があります。

うね(うね)

種や苗を植える場所の土をよく耕し、細長く直線上に土を盛り上げた場所のことです。
水はけを良くしたり、通路のためでもあります。

代表的なうねの形状

うねの形状は、栽培する作物や土質に合わせて決めます。うねの高さは、水はけの良い土地では低く、水はけの悪い土地では高くというのが基本です。
作物によっても異なり、イモやダイコンなどの根菜類、ナスやキュウリなどの果菜類は、根が長く伸びて根張りも良いため高いうねが適しています。ホウレンソウなどの葉菜類は根が浅いので、低いうねが適しています。

かまぼこうね
台形うね(平高うね)
平うね

うね立て(うねたて)

耕した土を盛り上げて畑に「うね」をつくることをいいます。

うね立ての効果
  1. うねを高くすると、排水性が良くなります。
  2. 空気に接する面積が多く、通気性が良くなるので生育が促進されます。
  3. 日照面積が広くなるので地温が高くなり、作物の初期生育が促進されます。
  4. 根の伸びる範囲が広がり、根の伸びる範囲が広がり、排水性が良くなることで根腐れを防止できます。
ミニ耕うん機があれば、うね立て作業もラクラク!
うね立ての効果

か行

かん水(かんすい)

かん水

作物に水を注ぐことをいいます。水やりと同義語です。

寒冷紗(かんれいしゃ)

遮光性があり、風通しが良く、防虫効果のある資材です。

苦土石灰(くどせっかい)

炭酸マグネシウム(苦土)と炭酸カルシウム(石灰)の補給が同時にできる肥料のことです。
畑のpHの矯正や、カルシウム、マグネシウムの補給時に施します。

耕うん(こううん)

土に堆肥を混ぜる

耕うん作業は、土の中に空気や肥料を取り込み、野菜の根張りを良くする大切な作業です。
また、雑草や土中の病原菌を日光に当てて殺菌する効果もあります。

重労働の耕うん作業も、ミニ耕うん機を使えば、簡単・ラクラク!

さ行

支柱立て(しちゅうたて)

キュウリやマメ類などのツル状になるものや、トマトのように草丈が高くなるもの、ナスやピーマンのように風で倒れやすいものなどに、竹やプラスチック製の棒を立て支えることです。

条まき(すじまき)

条まき

土に浅く溝をつけ、溝内に適当な間隔で種をまきます。
葉茎に十分光を当てたい野菜に適しています。

整枝(せいし)

野菜のツルや枝を整えることを整枝といいます。

剪定(せんてい)

混みあっている枝や、余分な枝を切り除く作業のことです。

た行

中耕(ちゅうこう)

中耕・土寄せ(培土)

作物の生育中に、うね間の土を軽く耕すことを中耕作業といいます。

土寄せ(培土)(つちよせ(ばいど))

中耕でうね間の土を細かく砕いた後に、砕いた土を作物の株元へ寄せる作業を、土寄せ(培土)作業といいます。作物が倒れるのを防ぎ、表土の土壌改善効果があります。
また、ジャガイモ・ニンジン・ネギの土寄せは、日光による変色を防止する役目があります。

定植(定植)

仮植えしていた苗床や鉢から、畑などの広い土に植えることです。

摘果(てきか)

早い時期に着果したものを摘除することです。
残った部分の成長や結実が良くなります。

摘芯(てきしん)

茎の先端を摘み取る作業のことです。
残った部分の成長や結実が良くなります。

点まき(てんまき)

点まき

土に何か所かくぼみをつけて、1か所に3~6粒づつを種の間隔を空けてまきます。
大型に育つ野菜を直まきするときに適しています。

は行

覆土(ふくど)

種をまいたあと、土をかけることです。発芽のための水分を逃がさない、大事な作業です。

pH・酸性度(ペーハー・さんせいど)

土壌の酸性度・アルカリ度を示す値をいいます。作物によって適正なpHが異なります。
pHを最適にしないと、さまざまな欠乏症・過剰症が起こり、作物に悪影響が出ることがあります。

  • アルカリ性が強くなると…
    生育に必要な主養分が溶けにくくなります。
  • 酸性が強くなると…
    作物に悪影響を及ぼすアルミニウムやマンガン、鉄、銅、亜鉛などの微量要素が溶け出しやすくなります。

ま行

間引き(まびき)

芽が出て本葉が増え、大きくなっていくとき、混みあわないように株間を広げたり、成長の遅れているものや病害虫のついているものを取る作業のことです。

マルチ栽培(マルチさいばい)

マルチフィルムなどの資材を用いて、土壌表面を覆って栽培することをいいます。

マルチ栽培の効果
  1. 地温の調節
  2. 表土の保全
    雨などによる表土の流失を防ぎます。また肥料の流失も防ぐため、肥料の節約にもなります。
    ただし、追肥が困難なので、元肥をしっかりと施します。
  3. 泥はねの防止
    土の汚れによる病気の予防にも役立ち、農薬使用量も少なくてすみます。
  4. 土壌水分の保持と多湿の防止
  5. 雑草防止(黒色フィルム)
    光をさえぎり、雑草の種子の発芽が阻害されて雑草の防除になります。除草剤の使用が少なくてすみます。
フィルムの種類

マルチフィルムには、色(透明(白)、黒、シルバーなど)や幅、穴あきの有無などの種類があります。

マルチがけも、ミニ耕うん機で作業すればラク!
ミニ耕うん機でマルチ作業

ミニ耕うん機で、マルチがけ作業をすることもできます。

  • 写真は、黒色フィルムを使ったミニ耕うん機によるマルチがけ作業です。

ら行

ランナー(らんなー)

イチゴなどの作物で、親株の株元から長く伸びる茎のことです。
先端に子株がついていて、それが地表に着くと発根して新たな株になります。