お客様事例紹介

有限会社 大幸産業様〈バイオディーゼルコージェネ〉

有限会社 大幸産業

会社紹介

2002年に設立された大幸産業様は廃食油を回収し、化石燃料の代替燃料であるバイオディーゼルの製造・販売を手掛ける会社です。沖縄県内の1/3にあたる年間2,500トンの廃食油を回収する県内大手の廃食油メーカーです。廃食油をリサイクルするだけでなく、太陽光発電を導入し、環境問題や循環型社会の構築に向け積極的に取り組まれています。

所在地

有限会社 大幸産業
〒904-2142 沖縄県沖縄市字登川1708番地
導入製品 バイオガスコージェネレーション 510kW 1台
発電開始年月 2018年5月11日

稼働実績

累積運転時間:15,637時間
発電電力量:7,867,656kWh
稼働率:93.3%
本データは2020年3月末までのデータです。

廃食油を販売するだけでなく、自社で消費することを検討

大幸産業様では年間2500トンの廃食油を回収してバイオディーゼル燃料(FAME※1)に加工していました。家庭や工場等で排出される植物油や動物油、そのままではエンジンの燃料に使用できませんが、適切に処理し、FAMEに加工することで、自動車などに使用できるようになります。
しかし、近年、国内では貴重な国内資源であるFAMEの販売量が低下し、SVO※2の輸出やボイラ燃料の販売にシフトしなければなりませんでした。輸出は需要の変動、為替の影響も受ける、ボイラ燃料は市場拡大が望めず、大城社長は事業存続に危機感を持ちました。低迷する廃食油の流通量の拡大と事業成長するため、廃食油を輸出するのでなく、自社で活用できないかと考えたのが、発電機導入のきっかけでした。

※1 FAME (Fatty acid methyl ester) : FAMEは脂肪酸メチルエステルで廃食油とメタノールとのエステル交換反応によって生産され、室温で液体であり、ディーゼル燃料とよく似た特徴にしたものです。
※2 SVO (Straight Vegetable Oil) : SVOは廃食油の異物や水分を取り除いたものです。

沖縄県の廃食油を回収する回収トラック
沖縄県の廃食油を回収する回収トラック

発電機を購入し、発電を開始

2016年160kWの中古のディーゼルエンジン発電機を購入し、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT制度)を活用し、売電を開始しました。燃料は精製コストが安く、廃食油の不純物を取り除いただけのSVOを使用しました。

さらに、廃食油で発電をするため、エンジンメーカーであるヤンマーに、SVOで安定稼働できるエンジン発電機について相談をし、ヤンマー製の510kWの発電機を導入しました。メンテナンス体制があるため、廃食油を安定的に消費し、安定した売電収入を得ることができることが導入の決め手でした。500kW級のバイオディーゼル発電機の納入の初号機だったため、初期は燃料の劣化や混入による想定外の不具合もありましたが、順調に稼働を続けています。
『廃食油発電で気を付けなければならないことは、廃食油を常に一定の品質を保つ事と、廃食油燃料を足りなくならないようにする事です』とおっしゃる大城社長。ヤンマーのメンテナンス体制と大幸産業様の燃料の管理でバイオディーゼル発電が実現できました。

510kWのSVO発電機
510kWのSVO発電機

バイオディーゼル発電の効果は

発電した電力はFIT制度を利用し、売電単価17円/kWhで売電し、年間約7千万円の売電収入があります。
メンテナンスコスト等のランニングコストを引くと、投資回収が約8年となりました。
SVOは植物由来の燃料のため、発電した電力はカーボンフリーで年間3,044トンのCO2削減・環境負荷の低減に繋がります。また、SVO輸出に伴う沖縄県内のトラック配送で軽油16トン/年の低減となります。

大幸産業様はSVO製造工場からSVO発電事業所になりました。
事業の環境改善が評価され、沖縄県の「製造業企業賞」を受賞し、学生中心に市民学習の見学拠点となり、県外の廃食油事業者の視察受け入れ等も増加しています。沖縄県内の地産地消の発電所として広く認知され、地元メディアでも大きく紹介されました。

本事業で大幸産業様の廃食油の利用先は主に発電用の燃料となり、輸出量は大幅に削減し、SVO発電機が安定的に廃食油を消費し、売電収入を得ることができ、エネルギーの地産地消が実現できました。好調な510kWに手ごたえを感じておられ、『今後、発電機を増設し、規模を拡大したい』と大城社長はおっしゃっています。

SVO発電を導入された大幸産業様 大城所長
SVO発電を導入された大幸産業様 大城所長

バイオディーゼル発電

廃食油を燃料として、エンジンを運転し、電気と熱に変換します。

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