環境

製品

製品ライフサイクルの環境配慮

ヤンマーグループでは、製品ライフサイクル全体での環境負荷低減に向け、あらゆる事業活動の段階でさまざまな取り組みを実施しています。

考慮・取り組みの内容
設計 製品への環境配慮項目の織り込み(有害物質の排除、燃費向上、省冷媒化、排気ガスのクリーン化、振動・騒音の低減、リサイクル、省資源、LCA)、出荷国法規へのコンプライアンスアセスメントを確実に実施するため、「商品アセスメント規程」を制定・運用しています。
調達
  • 統合的なESG調達の実現に向け「調達基本方針」および「サプライチェーン行動規範」を制定しています。
  • 調達業務の適正性を確保するため、物品および役務の調達において遵守するべき事項を定めた「調達適正化規程」を制定しています。
  • 「環境負荷物質使用規程」において、ヤンマーグループの販売商品および各社内で消費する製品が、環境負荷物質規制に適合するための遵守事項、および最小化に向けた「ヤンマー自主基準」を制定しています。また、ヤンマー自主基準遵守徹底のため、「環境標準 兼 購買仕様書(YIS-V0001 環境負荷物質の使用規制)」を用いたサプライヤー選定を実施しています。
  • サプライヤーとのコミュニケーションにおいては「製品含有化学物質管理システムを」用いて、自社製品に含まれる環境負荷物質の確実な情報伝達・コンプライアンス管理を実施しています。
  • サプライヤーに向けた、GHG排出量の計算に関する講習会を実施しています。講習会を通して、GHG削減への取り組みの取引先の理解・協力を深めることで、サプライヤーと協調した排出量削減を目指しています。また、主要サプライヤーに対しての排出量調査を行い、Scope3排出量の把握に努めています。
  • 年次で実施するサプライヤー評価項目に従来の「Q・C・T」に加えて、T(テクノロジー)・S(安定供給)の項目を追加しました。Sにおいては、BCP対応・環境・コンプライアンスを重点項目とし、毎年のサプライヤーの取り組み状況の調査・評価を実施します。
生産
  • 国内製造事業所の改善取り組み(YWK活動)を評価する指標マップに「YANMAR GREEN CHALLENGE 2050(YGC2050)指標マップ」を追加しました。
    YGC2050 の目標達成に向け、YWK活動を通し、生産活動におけるエネルギー使用量・廃棄物発生量・水使用量の削減をより一層加速させていきます。(生産量当たりの環境負荷の把握・低減活動の実施、工法・プロセス改善による原材料および加工ロスの改善など)
  • 化学物質管理システムを用いた安全データシート(SDS)の一元管理、および工場からの環境負荷物質排出量の把握を行っています。
物流 グループ全体の物流の「見える化」、GHG排出量の把握に取り組んでいます。
サプライチェーンマネジメント改革プロジェクトで輸送コストダウン施策効果を環境負荷で評価する取り組みを開始しました。
使用 省エネルギー、GHG排出量の削減を中心とした環境配慮製品の開発を推進しています。
【推進例】
  • 燃費向上に向けた、燃焼・電子制御技術等の研究開発
  • 省エネルギーな農業を実現する、オート・スマート農機の研究開発
  • ビルやサイトにおける効率的なエネルギー変換と利用管理を行う、エネルギーマネジメントシステムの研究開発
  • グループ販売製品の使用時における温室効果ガス排出量の算定
  • 水素、バイオ燃料等のカーボンニュートラル燃料対応製品の研究開発
  • 電動パワートレインおよび電動化製品の研究開発
回収・修理 アグリ事業、建機事業では、お客様が使用した一部製品を下取りし、整備した上でリユース品として販売しています。
また、船舶エンジンについては部品の補修・再利用を可能にする部品再生・加工技術である、レーザクラッディング技術を強みとして、部品再生にも取り組んでいます。

製品GHG排出量の把握とGHG排出量削減に向けた技術開発

ヤンマーグループでは、Scope3 Category11「販売した製品の使用」時におけるGHG排出量の算定を行っています。

また、「YGC2050」で掲げたGHG排出量削減目標の実現に向けて、水素やバイオ燃料などのカーボンニュートラル燃料対応エンジン、バッテリーを含む電動パワートレインなど、多様なグリーンエネルギーに対応できるグリーンパワートレインとそれらを搭載した農業機械や建設機械などの開発、市場投入を推進しています。

2024年度には、アグリ事業において、農業のCO2ゼロエミッション化を目指した小型電動農機のコンセプトモデル「e-X1」を公開しました。e-X1は、2025年の市場モニター開始を目指し、量産機の開発に向けて設計・試験を重ね、農業分野での脱炭素化に貢献する商品開発を積極的に進めています。また、エネルギーシステム事業では、発電時にCO2などの温室効果ガスやNOx(窒素化合物)などの大気汚染物質を排出しない、コンパクトな水素燃料電池発電システムを商品化しました。
さらに、お客様の活動において使用するエネルギーと、使用時に発生するロスを最小化するため、効率的なエネルギー変換と利用管理を行うエネルギーマネジメントシステムや、今まで捨てられていたエネルギーを電気や利用可能な熱に変換し、有効活用するソリューションなどを提供しています。

これらの活動を進めることで、2050年までにすべてのプロダクトを、これから進展する多様なグリーンエネルギーに対応できるようにしていきます。

製品の長寿命化の推進

ヤンマーグループの各事業では、製品の長寿命化を実現する取り組みを行っています。

アグリ事業:
ヤンマースマートアシストダイレクトによる機械の精密な状態診断や、スマートアシストリモートによる異常検知やメンテナンスの必要性分析等を実施し、製品が健全に長く稼働できるようサポートしています。同時にプロによる充実したメンテナンスにより、製品をより長く安心して使用いただける、月々定額でのメンテナンスサービスを提供しています。
ES事業:
製品の遠隔監視を実施し、異常時には適切に対応できるメンテナンスサービスを行っています。常に製品の健康状態を見守ることから、大きな故障が起こる前に適切なメンテナンスが受けられ、より長く使用いただけます。
大形舶用エンジン事業:
豊富なノウハウを持つヤンマーグループのエンジニアが、直接お客様の船舶用エンジンを修理・メンテナンス・サポートをすることで、より長く使用いただくことができます。
また、AIやICT技術で外航船に搭載されたディーゼル補機関の管理業務をサポートする情報支援サービス「SHIPSWEB」の提供を行っています。管理対象のエンジンの性能診断、エンジン状況の可視化、技術情報の検索やチャットボットによる問い合わせなどの機能を搭載しており、効率的で高度な保守管理の実現を支援することで製品をより長く、適切な状態で安全に使用いただくことができます。

製品サーキュラーエコノミーの推進

製品・サービスのリサイクルや廃棄・サーキュラーエコノミーに関する取り組み

ヤンマーグループは、これまで販売した製品のリサイクル可能率の向上に着目して取り組みを進めてきましたが、今後はリユース、シェアリング、リマニュファクチャリングなどを含む製品のサーキュラーエコノミーの実現にスコープを広げ、活動を展開していきます。

マリン事業では、廃棄予定であった廃船のエンジンを載せ替えることにより、他社が廃棄物として出した廃船の船体を再生し資源を有効活用する循環型ビジネスを既に展開しており、今後はこのような事業のさらなる創出・展開を目指します

製品含有負荷物質の削減

ヤンマーグループは、各国のリサイクル法令の遵守、製品に含有される環境負荷物質の削減、製品情報の提供・公表などの取り組みを行っています。また、製品設計段階においてリサイクル・省資源に関するアセスメント評価や分解作業性を考慮した製品設計を採用することにより、従業員の意識向上に努めています。

お客様のGHG排出ネガティブ・資源循環化の推進

ヤンマーグループでは、YGC2050の活動を通じて、自社の製品や事業活動からのGHG排出・環境負荷低減の取り組みの推進だけではなく、お客様の活動そのもののGHG排出ネガティブ・資源循環化に貢献する、さまざまなソリューションの提供にも取り組んでいます。

2024年度、ヤンマーグループでは脱炭素型農業の推進活動を開始しました。
国内では、ヤンマーマルシェ(株)が、ドコモビジネス(株)と共同で、Jクレジット制度を活用した新たなモデル構築の取り組みを開始しました。稲作の中干し期間を延長することにより、メタン発生量を削減し、取り組みの成果をクレジットとして国が認証、クレジット化によって得られた収益を生産者に還元する仕組みです。ヤンマーグループは収穫したお米を「環境配慮米」として販売しています。
また、フィリピンでは、ヤンマーアグリ(株)が(株)フェイガーと共に「Alternate Wetting and Drying」(AWD)という技術を用いて、水田由来のメタン削減に取り組んでいます。AWDは、水田を一定期間乾燥させ、土中に酸素を供給することでメタン生成菌の活動を抑制しメタン発生量を削減する手法です。ヤンマーグループでは、二国間クレジット制度(JCM:Joint Crediting Mechanism)を活用し、フィリピンで創出されたクレジットを用いてカーボンオフセットに取り組み、環境負荷低減と生産者の収益の拡大を両立した持続可能な農業の発展に貢献します。
また、ヤンマーホールディングス(株)は、工場などで排出される高温ガスから熱エネルギーを回収しCO2フリーで発電する、ヤンマー独自の熱交換技術を活用した「熱電発電システム」を開発しました。すでに開始している事業性実証試験を経て、今後、グループ会社のヤンマーeスター(株)での商品化を目指します。

関連情報

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