田植機 セルフ点検 お客様自身が機械の点検や部品の交換をされるときのポイントをご紹介します。

お客様⾃⾝が機械の点検や部品の交換をされるときのポイントをまとめました。
機種によって各部の位置や形状、部品などが変わりますので、必ず取扱説明書と⼀緒にご利⽤ください。

日ごろから「点検・整備」を実施されることにより、いつでも機械を安心して使える状態に保ち、時期中のトラブルを防ぐことができます。

田植機のセルフ点検・交換のポイント

大切な機械を長くお使いいただくために、田植機の点検のポイントや交換のしかたなどをご紹介いたします。

チェックしたい部位をクリックしてください

田植機の点検チェックシート

定期的な点検整備により不良箇所や不安な箇所を見つけられた場合は、最寄りのヤンマー販売店・JAにご連絡ください。

診断内容を一覧でご覧になりたい方は

エンジン部

エンジンオイル

エンジン内部を潤滑・冷却・洗浄・防サビ・密封する働きをしています。

点検のポイント

量:オイルゲージの先端が、上限と下限の間になっているかを確認
汚れ:オイルの汚れ具合を確認

こんなときは交換、給油 予想されるトラブル
  • 汚れている。粘りがない。
  • オイル量が少ない。
  • 長時間または長期間使用している。
  • 初回はアワメータ表示で50時間目。2回目以降はアワメータ表示で100時間使用ごと。
  • エンジンの力が出なくなります。
  • エンジンが過熱します。(オーバーヒート)
  • マフラーから常に白煙を吐きます。

点検のしかた(エンジンが冷えている状態で行います)

  • オイルゲージを抜き出してください。
  • きれいなウエスでオイルゲージの先端に付いたオイルを拭き取ってください。
  • 同時にエンジンオイルの汚れ具合を確認してください。
  • 再度、オイルゲージを差し込んでください。オイルがゲージの上限と下限の間に付着していれば適正です。
  • オイルゲージ先端の形状は型式によって異なります。取扱説明書を参照してください。

交換のしかた(エンジンが冷えている状態で行います)

  • ドレンプラグを外して、オイルを抜き取ってください。このとき、給油口のふたを外しておくとオイルが早く抜けます。
  • 完全に抜けきった状態で、ドレンプラグを取付けてください。
  • 給油口から純正エンジンオイルを規定量入れてください。
  • 点検の要領でオイル量が規定量(上限まで)あるか確認してください。
  • 少なければ給油、多ければ抜き取ってください。
  • オイルの種類、ドレンプラグ、給油口は型式により場所が異なります。取扱説明書を参照してください。
純正エンジンオイル

エンジンオイルフィルタ

エンジンオイルの汚れ(金属片など)を取除く働きをしています。

点検のポイント

外見からは判断できないため、使用時間から交換時期を決定

エンジンオイルフィルタ、汚れたエンジンフィルタ
こんなときは交換 予想されるトラブル
  • 初回はアワメータ表示で50時間目。
  • 2回目以降はアワメータ表示で300時間使用ごと。(オイル2~3回交換ごと)
  • エンジンオイルの汚れを取り除けなくなります。

点検のしかた

  • 外見からは交換時期が判断できません。
    使用時間から交換時期を決定してください。
正常時の流れ、汚れたオイル(エンジンから)、エレメント、汚れが取り除かれたオイル(エンジンへ)、エレメントが詰まると汚れたままのオイルがエンジンに流れます。
エンジンオイルフィルタ内のオイルの流れ

交換のしかた(エンジンが冷えている状態で行います)

  • エンジンオイルが完全に抜けた状態でフィルタを外してください。
  • 取り外したフィルタのOリングが本機側に残っていないか確認してください。
  • フィルタ側、本機側の合わせ面の汚れを拭き取ります。ホコリなどがあるとオイル漏れの原因となるので注意してください。
  • 新しいフィルタのOリングにエンジンオイルを薄く塗布し、手で固く締め付けてください。
  • 新しいオイルを規定量給油し、エンジンを始動させてください。
  • 油圧パイロットランプが消えたら、エンジンを停止し、検油ゲージでオイル量を点検してください。不足していれば補給してください。
  • フィルタは型式により異なります。取扱説明書を参照してください。
エンジンオイルフィルタ

燃料フィルタ

燃料に混じったゴミを取除きます。

点検のポイント

汚れ・詰まり:汚れや異物がないことを確認

燃料フィルタ、汚れた燃料フィルタ
こんなときは交換 予想されるトラブル
  • 一体式(カートリッジタイプ)
    アワメータ表示で300時間ごと。
  • 別体式
    汚れている。アワメータ表示で300時間ごと。
  • エンジンの力が出なくなります。
  • エンジンの回転が安定しなくなります。

点検のしかた

  • 一体式(カートリッジタイプ)
    アワメータで判断してください。
  • 外見からは判断できません。
  • 点検・交換のしかたは型式により異なります。取扱説明書を参照してください。
カートリッジタイプ
  • 別体式(エレメントタイプ)
    アワメータと目視で汚れを判断してください。
  • 点検・清掃のしかたは型式により異なります。取扱説明書を参照してください。
エレメントタイプ

交換および清掃のしかた

フィルタ内やホースに残った燃料がこぼれることがあるので火気には注意してください。

一体式(カートリッジタイプ)
  1. 燃料コックを「C」(閉の状態)位置にしてください。
  2. フィルタを取り外し、新しいものを取付けてください。
  3. 交換後は、燃料コックを「O」(開の状態)位置にし、燃料のエア抜きを行ってください。
別体式
  1. 燃料コックを「C」(閉の状態)位置にしてください。
  2. エレメントを取り外し、軽油またはガソリンで洗浄してください。(エレメントを破損しないように注意してください)
  3. 交換後は、燃料コックを「O」(開の状態)位置にし、燃料のエア抜きを行ってください。

ウォーターセパレータ(ディーゼルエンジンのみ)

燃料に混じった水を分離します。

点検のポイント

汚れ:水や汚れが溜まってないか確認

  • コモンレールエンジン搭載機の場合、使用期間はごと日点検してください。
こんなときは交換、清掃 予想されるトラブル
  • 水やゴミが溜まっている。
  • エレメントの交換は、アワメータ表示で300時間ごと。
  • エンジンの力が出なくなります。
  • エンジンの回転が安定しなくなります。

点検のしかた

型式によっては赤いリングが上がることにより、点検できるタイプもあります。

  • 水が噴射ポンプや噴射ノズルまで行くと、サビの原因となります。
  • 点検のしかたは型式によって異なります。取扱説明書を参照してください。

交換および清掃のしかた

  1. ウォーターセパレータのコックを「C」(閉の状態)位置にしてください。
  2. ウォーターセパレータのコシ器を外し、コシ器内の水・ゴミを取除いてください。
  3. コシ器の洗浄が終わったら元通りに取付け、ウォーターセパレータのコックを「O」(開の状態)位置にし、燃料のエア抜きを行ってください。
  • エア抜きのしかたは型式により場所が異なります。取扱説明書を参照してください。
ウォーターセパレータの下部に水抜きコックがついたタイプ
交換用エレメント

燃料ホース・燃料パイプ

燃料タンクからエンジンへ燃料が流れる通路になっています。

点検のポイント

破損:ホースに破損、ヒビ割れがないか確認
漏れ:ホース、パイプの継手部から燃料が漏れていないか確認

こんなときは交換 予想されるトラブル
  • ホースの破損、ヒビ割れがある。
  • ホース・パイプ継手部から燃料が漏れている。
  • ホースの交換は2年ごと。
  • 燃料が漏れると、火災の危険があります。

点検のしかた

燃料タンクから燃料噴射ポンプまでの燃料ホースおよび継手部からの漏れを点検してください。

ここに注意!

  • カバー類に燃料ホースがあたっていませんか?
  • ホースの曲がり部は大丈夫ですか?
  • ホース継手部のホースバンドにゆるみはないですか?
>交換が必要な場合は、お近くのヤンマーの販売店にご相談ください

キャブレター(ガソリンエンジンのみ)

燃料を気化し、エンジンに送り込みます。

点検のポイント

燃料:燃料を入れた状態で保管していないか確認
変色・変質:ガソリンが変色・変質していないか確認

こんなときは清掃または交換 予想されるトラブル
  • 燃料を入れた状態で保管している。
  • ガソリンが変色・変質している。
  • エンジンが始動しなくなります。
  • エンジン回転が安定しない。
  • 燃料がオーバーフローします。

点検のしかた

燃料コックレバーは「停止」側にしてください。また、燃料タンクおよび気化器(キャブレター)より、ガソリンを完全に抜き取ってください。

  • ガソリンは長期間放置しておくと変質し、次期使用時にエンジントラブルの原因になります。田植機を長期間使用しない場合は、必ずガソリンを完全に抜き取ってください。

キャブレター内の燃料の抜き方

  • キャブレターの下部にあるドレンホースの下に燃料を受ける容器を置いてください。
  • ドレンノブを引くと、ドレンホースから燃料が流れ出てきます。ドレンノブから手を離すと、ドレンホースから流れ出ていた燃料が止まります。
ドレンノブ ドレンホース
キャブクリーナー
キャブレター内の詰まり(劣化したガソリン)を取除きます。

エアクリーナエレメント(ディーゼルエンジンの場合)

エンジンに取込む空気のホコリやゴミを取除きます。

点検のポイント

汚れ:エレメントに汚れがないか確認

  • 機種によっては「目詰まり警報ランプ」があります。
汚れたエアクリーナエレメント
こんなときは清掃または交換 予想されるトラブル
  • 汚れている。
  • 汚れている。
  • 清掃はアワメータ表示で50時間ごと。
  • 交換はアワメータ表示で300時間ごと。
  • マフラーから常に黒煙を吐きます。

点検のしかた

  • ふたを取り外してください。
  • エレメントを抜き出し汚れを確認してください。
  • ふたには取付け方向(TOPが上になるように)があり、間違えて取付けるとトラブルの原因となります。

交換のしかた

エレメントの内側から、空気を吹き付けるか、振動を与えて塵を落としてください。

  • エレメントを変形させないように注意してください(特に両端のゴム部分)。ゴミやホコリが入り、エンジンを傷める原因となります。
エアフィルタエレメント

エアクリーナエレメント(ガソリンエンジンの場合)

エンジンに取込む空気のホコリやゴミを取除きます。

点検のポイント

汚れ:エレメントに汚れがないか確認
劣化:エレメントが劣化していないか確認

  • 機種によっては「目詰まり警報ランプ」があります。
汚れたエアクリーナエレメント
こんなときは清掃または交換 予想されるトラブル
  • 汚れている。
  • 汚れている。
  • 劣化している。
  • 清掃はアワメータ表示で50時間ごと。
  • エンジンの力が出ない。

点検のしかた

スポンジタイプ

清掃はアワメータ表示で50時間ごとに行ってください。

ろ紙タイプ

清掃はアワメータ表示で100時間ごとに行ってください。

エレメント

交換のしかた

スポンジタイプ

エアクリーナの止め金を外し、中のスポンジを取り外します。中のスポンジは、ガソリンできれいに洗浄した後、エンジンオイルをしみ込ませ硬くしぼって取付けてください。汚れたまま使用すると、エンジン出力低下や故障の原因になります。

  • 点検・清掃のしかたは型式により異なります。取扱説明書を参照してください。
ろ紙タイプ
  • エレメントは、外周のスポンジと内側のろ紙でできています。スポンジを外し、別々に掃除してください。
  • スポンジは、灯油またはガソリンできれいに洗浄し、硬くしぼった後、完全に乾かしてから取付けてください。
  • ろ紙は、軽く叩いて汚れを落とすか、内側からエアを吹き付けて汚れを落としてください。(強く叩くと破損します。)
  • 点検・清掃のしかたは型式により異なります。取扱説明書を参照してください。

冷却水(ディーゼルエンジンのみ)

エンジン内部を冷却します。

点検のポイント

量:サブタンクの冷却水が、上限と下限の間になっているかを確認
漏れ:漏れた冷却水が乾き、白い粉が付着していないか確認
汚れ:冷却水の色(緑色)が白くにごってないか確認

白濁した冷却水 きれいな冷却水
こんなときは交換または補水 予想されるトラブル
  • 冷却水の色(緑色)が、白くにごっている。
  • 冷却水の交換は1年ごと。
  • 冷却水が不足している。
  • エンジンが過熱します。(オーバーヒート)

点検のしかた(エンジンが冷えている状態で行います)

  • サブタンク内の冷却水の量が、上限(FULL)と下(LOW)の間にあるか確認してください。
  • 白濁している場合は交換してください。
  • 冷却水が少ない場合は、清水を補給してください。
  • 作業後など、エンジンが温まっている状態では冷却水の量が増えているので、正確な点検ができません。
不凍液

交換のしかた(エンジンが冷えている状態で行います)

  1. ラジエータキャップとドレンプラグを外して、ラジエータ内の冷却水をすべて抜いてください。
  2. 水道水でゴミやサビが出なくなるまでラジエータ内部を洗浄してください。
  3. ドレンプラグを取付け、不凍液を必要量入れてから、清水をあふれるまで入れてください。
  4. ラジエータキャップを取付け、エンジンを始動し、不凍液と清水をよく混合してください。
  • 交換のしかたは型式によって異なります。取扱説明書を参照してください。
  • 不凍液と清水の混合比率は下表を目安にしてください。メーカーにより多少異なるので、メーカーの取扱書にしたがってください。
不凍液混合比率表
外気温度(℃) -5 -10 -15 -20 -25 -30
比率 水(%) 82 73 66 61 55 49
不凍液(%) 18 27 34 39 45 51

ラジエータ(ディーゼルエンジンのみ)

熱くなった冷却水を冷やします。

点検のポイント

汚れ:ラジエータスクリーンにゴミやホコリが付着していないか確認、ラジエータフィンのすき間にゴミやホコリが付着していないか確認
漏れ:ラジエータから冷却水が漏れていないか確認

汚れたスクリーン
こんなときは交換、清掃 予想されるトラブル
  • ラジエータスクリーンにゴミやホコリが付着している。
  • ラジエータフィンのすき間にゴミやホコリが付着している。
  • ラジエータから冷却水が漏れている。
  • エンジンが過熱します。(オーバーヒート)

点検のしかた

汚れの確認
ラジエータスクリーンおよび、ラジエータフィンのすき間にゴミやホコリが付着していないか確認してください。

冷却水漏れの確認
保管時、地面やラジエータに漏れた冷却水の跡がないか確認してください。(フィンの変形も確認してください。)

  • オイルクーラ付き型式は、ラジエータとのすき間も忘れずに点検してください。

清掃のしかた

  • スクリーンを外してください。
  • スクリーンに付着したワラクズやホコリをハケや空気を吹き付けて清掃してください。
  • 後は元通りにスクリーンを取付けてください。

ラジエータホース(ディーゼルエンジンのみ)

ラジエータとエンジンの水の通路になっています。

点検のポイント

破損:ホースに破損、ヒビ割れがないか確認
漏れ:ホースの継手部から冷却水が漏れていないか確認

こんなときは交換 予想されるトラブル
  • ホースの破損、ヒビ割れがある。
  • ホース継手部から冷却水が漏れている。
  • ホースの交換は2年ごと。
  • 冷却水が漏れ、エンジンが過熱します。(オーバーヒート)

点検のしかた

  • ラジエータホースのヒビ割れを確認してください。
  • 継手部から冷却水が漏れていないかを確認してください。
  • 漏れのある箇所の周辺には白い粉のようなもの(冷却水が乾燥したもの)が付着しています。
ラジエータホース、継手部

ここに注意!

  • カバー類にラジエータホースがあたっていませんか?
  • ホースの曲がり部は大丈夫ですか?
  • ホース継手部のホースバンドにゆるみはないですか?
>交換が必要な場合は、お近くのヤンマーの販売店にご相談ください

冷却ファンベルト(ディーゼルエンジンのみ)

冷却水を循環させるポンプ、発電装置を動かします。

点検のポイント

張り・劣化:基準値であること。
ベルトに亀裂・底付き・偏摩耗がないこと。

摩耗、ヒビ割れ、底付き ベルトとプーリが接している
こんなときは交換または調整 予想されるトラブル
  • ベルトの張りが弱い。
  • ベルトが摩耗(底付き)している。
  • ベルトが劣化(ヒビ割れ)している。
  • エンジンが過熱します。(オーバーヒート)
  • バッテリーに充電できなくなります。

点検のしかた

  • ベルトを指で押し、たわみ量が15~20mmであるか点検してください。
  • 同時にベルトの摩耗・破損を点検してください。
オルタネーター締付ボルト、冷却ファンベルト、オルタネーター

交換のしかた

  • オルタネータ締付ボルトをゆるめてください。(2ヶ所)
  • オルタネータを移動させベルトの張りを調整してください。
  • オルタネータをいっぱいに動かしても、ベルトがスリップするようなら、新しいベルトと交換してください。
  • 新しいベルトは、50時間目に張りを点検してください。
>交換が必要な場合は、お近くのヤンマーの販売店にご相談ください

プラグ(ガソリンエンジンのみ)

吸い込まれた燃料に引火させます。

点検のポイント

汚れ:プラグの電極部にカーボンが付着していない確認
摩耗:プラグの電極部が摩耗していないか確認

こんなときは点検 予想されるトラブル
  • エンジンのかかりが悪い。
  • セルモータは回るがエンジンがかからない。
  • プラグにカーボンが付着しやすくなります。
  • 点火不良の原因となります。

点検のしかた

  • プラグキャップを取り外します。
  • 付属のプラグレンチでプラグを取り外します。
  • プラグの電極部の状態を確認します。
    ・カーボンが付着している→清掃が必要
    ・電極が摩耗している→交換が必要
  • プラグの状態は、取扱説明書を参照してください。
プラグキャップ

交換のしかた

  • プラグキャップを取り外します。
  • 付属のプラグレンチでプラグを取り外します。
  • ワイヤブラシで、電極部の煤を取除きます。
  • 取付けは付属のプラグレンチで締め付けます。強く締めすぎるとシリンダヘッドのネジ山を破損するおそれがあります。
  • 電極カプラを根元までしっかり差し込みます。
  • 清掃・交換のしかたは、取扱説明書を参照してください。
スパークフラグ

バッテリー

発電された電気を蓄えておきます。

点検のポイント

量:液量が減っていないか確認
変形:変形や損傷がないか確認
サビ:ターミナルのサビ、ゆるみを確認

こんなときは交換 予想されるトラブル
  • 変形や損傷がある。
  • 液量が少ない。
  • ターミナルがサビている。
  • バッテリー液が漏れます。
  • エンジンが始動できなくなります。
  • ターミナル部が発熱します。

点検のしかた

  • 外観に変形や破損がないかを確認してください。
  • 各仕切りの液量が下限と上限の間にあるか確認してください。下限より少ない場合はその仕切りのキャップを外し、蒸留水を補充してください。
  • ターミナルがサビていないか確認します。サビがある場合はケーブルを取り外し(交換のしかた参照)、ワイヤブラシなどでターミナルのサビを落としてください。
極端に液量が減っている

交換のしかた

  • キースイッチを「OFF」にしてください。
  • バッテリーの固定ベルトなどを外してください。
  • ⊖端子のケーブルを外してください。
  • 次に⊕端子のケーブルを外し、新しいバッテリーと交換してください。
  • ケーブルの取付けは、先に⊕端子を取付けてください。
  • その後に⊖端子を取付け、バッテリーを固定してください。
  • 交換のしかたは型式によって異なります。取扱説明書を参照してください。

ヒューズ(スローブローヒューズ)

過電流が流れたときに配線を保護します。

点検のポイント

機能しない電気部品に関連するヒューズを点検し、切れていないかを確認

こんなときは交換または調整 予想されるトラブル
  • 切れている。
  • 電気部品が作動しなくなります。

点検・交換のしかた

キースイッチ「切」で機能しない箇所のヒューズを点検し、切れていないかを確認してください。

ヒューズ
切れたヒューズ 正常なヒューズ

スローブローヒューズはヒューズの一種で、万一、配線回路(常時通電している回路)へ過大電流が流れた場合、溶断して電流を遮断します。

スローブローヒューズ

ここに注意!

同じ容量(A:アンペア)のヒューズと交換すること。

>交換してもすぐに切れる場合は、お近くのヤンマーの販売店にご相談ください

配線(カプラ)

バッテリーからの電気を電気部品に流します。

点検のポイント

  • 被覆が破れていないか確認
    カプラが破損していないか確認
こんなときは交換 予想されるトラブル
  • 被覆が破れている。
  • カプラが破損している。
  • 電気部品が作動しなくなります。
  • ヒューズ切れや火災の原因になります。

点検・交換のしかた

植付部・エンジン周辺などを中心に確認してください。

  • 配線は1年または50時間ごとに定期点検を受けてください。

ここに注意!

配線コードが他の部品に接触していないか、被覆のはがれや傷、または接続部の破損がないか、作業前に点検してください。
バッテリーや配線に付着しているワラクズやゴミは、作業前、作業後にきれいに取除いてください。

>交換が必要な場合は、お近くのヤンマーの販売店にご相談ください

警報関連の作動確認

作業前には必ず実施してください。

点検のポイント

  • 苗つぎ警報
  • 肥料詰まり警報
  • ユニットクラッチ警報
  • 肥料補給警報
警報
肥料詰まり警報
肥料補給警報
ユニットクラッチ警報
>上記に1つでも該当する場合は、お近くのヤンマーの販売店へご相談ください

操作部

ハンドル

田植機の向きを変えます。

こんなときは修理 予想されるトラブル
  • 遊びが大きい。
  • ハンドルと前輪タイヤの動きが連動しない。
  • ハンドルが効かなくなります。

点検のしかた

エンジンを止めた状態で

  • ハンドルを軽く回してください。
  • ハンドルが重くなる位置で、遊び量を確認してください。

エンジンをかけた状態で(パワステ仕様)

  • ハンドルがスムーズに回るか確認してください。
  • ハンドルと前輪タイヤの動きが連動しているか確認してください。
  • 基準値は型式により異なります。取扱説明書を参照してください。
>修理が必要な場合は、お近くのヤンマーの販売店にご相談ください

ブレーキ

左右の後輪にブレーキをかけます。

こんなときは調整 予想されるトラブル
  • 遊びが多い。
  • ブレーキが効きにくくなります。

点検・交換のしかた

  1. ペダルを踏み込んだときに正常に作動することを確認してください。
  2. 駐車ブレーキが正常に作動することを確認ししてください。
  • 基準値は型式により異なります。取扱説明書を参照してください。
  • VPシリーズ(5条以上)は左右独立ブレーキではなく、左右共用のブレーキです。
>修理が必要な場合は、お近くのヤンマーの販売店にご相談ください

走行部

タイヤ

こんなときは調整または交換 予想されるトラブル
  • 空気圧が低い。
  • 空気圧が高い。
  • ラグが摩耗している。
  • タイヤに亀裂がある。
  • タイヤが外れる危険性があります。
  • タイヤが破裂する危険性があります。
  • 作業中に走行できなくなります。
  • タイヤがパンクする危険があります。

点検のしかた

タイヤの空気圧、亀裂、ラグの摩耗を確認します。

  • ノーパンクタイヤ装着の機種の場合は、空気圧の点検は必要ありません。詳細は取扱説明書を参照してください。

交換のしかた

空気圧が低い場合は空気を基準値まで入れてください。
空気圧が高い場合は空気を基準値まで抜いてください。

  • ※基準値は型式により異なります。取扱説明書を参照してください。
>交換が必要な場合は、お近くのヤンマーの販売店にご相談ください

メインベルト

メインベルトが損傷していないか点検してください。

こんなときは交換 予想されるトラブル
  • ベルトテンションを調節してもスリップするとき
  • ベルトに亀裂や損傷があるとき
  • 駆動不良になります。

点検・調節のしかた

点検のしかた

テンションバネ長さが184~186mmになっているか、ベルトが損傷していないか調べてください。

調節のしかた
  • たわみ量が適正でないときは、ベルトテンションのロックナットをゆるめ、調節ナットを回して、バネフック長を184~186mmになるように調節してください。
  • ロックナットを締め付けて固定してください。
  • ベルトテンションを調節してもスリップするときは、新しいベルトと交換してください。
>交換が必要な場合は、お近くのヤンマーの販売店にご相談ください

ミッションオイル

ミッション内部を潤滑・冷却・防サビします。油圧装置の作動油として使用します。

点検のポイント

量:オイルゲージの先端が、上限と下限の間になっているかを確認
汚れ:オイルの汚れ具合を確認

きれいなオイル
こんなときは交換 予想されるトラブル
  • 汚れている。粘りがない。
  • 長時間または長期間使用している。
  • オイル量が少ない。
  • 初回はアワメータ表示で50時間目。
  • 2回目以降はアワメータ表示で600時間使用時または2年ごとのどちらか早い方。(型式により異なる)
  • 油圧装置の作動不良をおこします。

点検のしかた

  • ネジ込み式オイルゲージ
  1. オイルゲージを抜き出してください。
  2. きれいなウエスでオイルゲージの先端に付いたオイルを拭き取ってください。
  3. 再度、オイルゲージを差し込んで(ネジ込まない)、オイルがゲージの上限と下限の間に付着していれば適正です。
  • 検油ゲージの位置や形状は型式によって異なります。取扱説明書を参照してください。

交換のしかた

  • ドレンプラグを外して、オイルを抜き取ります。このとき、給油口のふたを外しておくとオイルが早く抜けます。
  • 完全に抜けきった状態で、ドレンプラグを取付けてください。
  • 給油口から純正ミッションオイルを規定量入れてください。
  • 点検の要領でオイル量が規定量(上限まで)あるか確認してください。
  • 少なければ給油、多ければ抜き取ってください。
  • ドレンプラグ、給油口は型式により場所が異なるので、取扱説明書を参照してください。
ミッションオイル

植付部

植付アーム

苗マットから苗を取り、植付けます。

点検のポイント

変形・摩耗:植付爪が変形・摩耗しているか確認
すき間:植付爪とプッシュロッドのすき間を確認
ガタ:プッシュロッドにガタが多いか確認

こんなときは調整 予想されるトラブル
  • 植付爪が変形・摩耗している。
  • 植付爪とプッシュロッドのすき間が大きい。
  • 植付爪とプッシュロッドのすき間が小さい。
  • プッシュロッドにガタが多い。
  • 植付け姿勢が悪くなります。
  • 欠株が増えます。

点検のしかた

植付爪の摩耗

植付爪が下図の破線位置まで摩耗している場合は交換時期です。(B=3㎜以上)

植付爪とプッシュロッドのすき間

プッシュロッドが植付爪の先端にきたとき、プッシュロッドと植付爪が干渉していないか確認してください。

縦取り量のセット
  • セレクトダイヤルより「苗取量」を選択し、目盛りを左から6番目の位置にしてください。
  • 爪セットゲージを苗取出口にセットしてください。
  • ローターケースを手動で回転させて、植付爪の先端がゲージの中位置(3の横線)に合っているかを確認してください。
  • 苗のせ台が最右端、最左端位置では、爪セットゲージが入りません。中央寄りに移動させてください。

交換のしかた

プッシュロッドと植付爪のすき間調節
  • プッシュロッドと植付爪が干渉しているときは、植付爪の爪固定ナットをゆるめて、爪の左右調節を行ってください。
  • 調節後は、爪固定ナットの締め付けを行ってください。
縦取り量の調節
  • セレクトダイヤルより「苗取量」を選択し、目盛りを左から6番目の位置にしてください。
  • 植付アーム(1番)の固定ボルト(3番の2本)をゆるめてください。
  • 植付アーム(1番)のガタを上方に寄せながら、爪セットゲージの「中」位置(3番の横線)に植付爪の先端が合うように植付アーム調節ピン(2番の-溝)にマイナスドライバーで調節してください。
  • 調節後は植付アームの固定ボルト(3番の2本)を締め付けてください。

支持シュー

苗のせ台を保持します。(苗のせ台が左右にスムーズに動くように保持します)

点検のポイント

摩耗:支持シューが摩耗していないか確認
グリス:グリスが塗布されているかを確認

こんなときは交換、注油または塗布 予想されるトラブル
  • 支持シューが摩耗している。
  • グリスがない。
  • 苗のせ台がスムーズに動かなくなります。
  • 植付け姿勢が悪くなります。
  • 欠株が増えます。
注油・グリス塗布
  • 注油・グリス塗布の場所は型式によって異なります。取扱説明書を参照してください。
苗のせ台支持シュー
苗のせ台規制シュー
苗受板シュー(ゴムキャップ)
ゴムキャップの穴から、スプレーグリスで注油してください。

施肥機

植付けと同時に施肥を行います。

こんなときは清掃 予想されるトラブル
  • 作業中に雨が降った。
  • しばらく作業を行わない。
  • 肥料の種類を替える。
  • 肥料が詰まります。
  • 田植機がサビます。
  • 肥料が混ざります。

掃除のしかた

  • ホッパ内やロールケース内に残っている肥料を完全に取除き、ロールケースを分解してください。
  • ホッパやロールケース内部・ホースを水洗いしてください。
  • 目皿ロールふた仕組など繰り出し部の部品は、分解して水洗いしてください。
  • 側条施肥機以外の部分も、肥料が付着してサビやすくなっていますので、よく洗浄してください。
  • 水洗い後はよく水を切り、十分に乾燥させた後、注油およびグリスを塗布してください。
  • 洗浄後、各部が乾いたらロールケースを組み立ててください。
  • 作溝部を傷めないように、両サイドフロート部に架台を置いて、植付部を下げて保管してください。
  • 苗のせ台が最右端、最左端位置では、爪セットゲージが入りません。中央寄りに移動させてください。

【注意事項】

  • 施肥機を掃除するときは必ずエンジンを停止し、油圧ストップレバーを「ストップ」位置にしてください。エンジンをかけたまま行うと、不意に植付部が動いたりしてケガをするおそれがあります。
  • ホッパ内に肥料を入れたままにしておくと、吸湿して固着する場合があります。作業後は、必ず肥料を排出してください。
  • ホッパ内の結露を防ぐために、施肥田植機をほ場内に放置することは避けてください。
    側条施肥機を洗浄するときは、高圧洗浄機を使用しないでください。
  • 掃除のしかたは型式によって異なります。取扱説明書を参照してください。

その他

各部グリスアップ(注油)

50時間または1年のどちらか早い時期に実施。

こんな箇所に 予想されるトラブル
  • 各操作レバー支点(注油)
  • すこやかローター部(グリスアップ)
  • 植付部(グリスアップ)
  • グリスアップ箇所は型式によって異なります。取扱説明書を参照してください。
  • 動きが悪くなり、部品の摩耗が早くなります。
各操作レバー支点
すこやかローター部
植付部(支持シュー)
長穴の内面に塗布してください
植付部(苗台アーム)
植付部(苗のせ台規制シュー)
植付部(植付爪ケース)
  • グリスを多く入れ過ぎると、プッシュロッドの働きが悪くなり植付け不良が発生します。

作動確認

作業前には必ず実施をお願いします。

  • ブレーキペダルの作動(駐車ブレーキ)
  • ハンドルの作動
  • 主変速の作動
  • 植付部の作動
  • 油圧昇降装置の作動

確認するところ

ブレーキペダル
ハンドル
主変速
植付部
油圧昇降装置
>修理が必要な場合は、お近くのヤンマーの販売店にご相談ください

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