何からはじめる?脱炭素の進め方
更新日時:2025.04

「脱炭素を進めたいが、何からはじめて良いかわからない」「カーボンニュートラルで企業価値を高めるにはどうすればいい?」「CO2削減の数値目標は定めているが、具体的な解決策がわからない」「自社のエネルギーの使用状況がわからない」など、脱炭素に取り組む企業は、さまざまな課題を抱えています。
環境省では、「温室効果ガス排出削減指針」を作成し、温室効果ガス削減のための基本的な取り組みをSTEP0から5までの6つのステップで整理しています。企業の現状に応じたステップを確認し、課題解決に向けて取り組んでいきましょう。
温室効果ガス排出削減等指針とは
温室効果ガス排出削減等指針」は、日本の「温対法(地球温暖化対策の推進に関する法律)」に基づいて国が示しているガイドラインです。特に、「CO2などの温室効果ガスの排出量を削減したい」と考える事業者にとって、有効な進め方や削減目標の立て方、報告方法などが具体的に示されており、実践的な対策を進める際の参考になります。
温対法(地球温暖化対策の推進に関する法律)について詳しくはこちら
Step(0〜5)で進める、脱炭素への取り組み
ガイドラインでは、事業者が脱炭素経営を進める上で、以下の6つのステップで基本的な取り組みを段階的に整理しています。
Step 0:脱炭素に向けた意識醸成・体制整備
自社における脱炭素への理解を深め、体制づくりを行います。国が発信する「カーボンニュートラル」に関する方針や取り組みなどをチェックし、従業員一人ひとりが「カーボンニュートラルへの取り組みは、自社の成長につながる」という意識を共有することが大切です。
そのためには、CO2削減を推進する社内プロジェクトを立ち上げ、検討・実施する体制を整えることが必要です。
Step 1:事業に影響を与える気候変動関連リスク・機会の把握
脱炭素化に取り組まないことによる「取引先からの契約打ち切り」「製品の競争力低下」、今後日本において検討されている「炭素税(カーボンプライシング)」が導入された場合のリスクや、脱炭素に取り組む企業に投資する「ESG投資」などを呼び込む機会、および高騰を続けるエネルギー調達コストの削減につながるメリットを検討します。
ESG投資について詳しくはこちら
カーボンプライシングについて詳しくはこちら
Step 2:排出実態の把握
「Step 0」「Step 1」を踏まえて、脱炭素の重要性を認識したら、「どこでどれだけエネルギーを使っているのか?」「実際にどこを改善できるのか?」を知ることが大切です。
自社のエネルギー使用量をはじめ、GHG排出量の把握、さらに用途・設備ごとに詳しく把握することで、具体的な改善策が見えてきます。
Step 3:削減目標の設定 / 削減対策の検討 / 削減計画の策定
エネルギー使用量やGHG排出量の把握ができたら、削減に向けて「削減目標の設定」→「削減対策の検討」→「削減計画の策定」の計画を立てます。「削減目標の設定がわからない」という場合は、SBTやRE100、RE Actionといった既存のイニシアティブに参画し、具体的な中長期の削減目標を定める方法があります。
SBTについて詳しくはこちら
RE100について詳しくはこちら
Step 4:削減対策の実行
削減対策の実行に向けて、導入設備の選定や導入スケジュールの決定をはじめ、資金調達の手段などを検討します。設備の導入にあたって、活用できる補助制度や資金調達手法を検討します。
活用できる補助金の情報について詳しくはこちら
Step 5:Step 1〜4にかかる情報開示
脱炭素の取り組み情報を開示することで、「ESG投資を呼び込める」「資金調達・経費削減の有利」「企業価値の向上」などのメリットがあります。訴求方法としては、SBTやRE100、RE Actionといった既存のイニシアティブを活用し、削減効果を検証し、社内外に共有すると良いでしょう。
- ※参考:環境省「温室効果ガス排出削減等指針」より
ヤンマーの「脱炭素支援サービス」

脱炭素を進める上で「Step2:排出実態の把握」「Step3:削減目標の設定 / 削減対策の検討 / 削減計画の策定」「Step4:削減対策の実行」については、エネルギーに関する知識やノウハウが求められます。自社で解決できない場合は、エネルギーのプロに相談してみてはいかがでしょうか?
ヤンマーは、エネルギーのプロとして長年培ってきた技術・知見を活かして、お客様のエネルギー課題に合わせた脱炭素化サポート「脱炭素支援サービス」をご用意しています。
「脱炭素推進の担当となったが、何からはじめたらよいかわからない」「CO2削減において現状の取り組みが正しいのかわからない」「脱炭素ロードマップの作り方がわからない」など、カーボンニュートラルの進め方にお悩みがあれば、ぜひご相談ください。