August 31st, 2016|BASE

将来の担い手に出会う! アグリソリューションセンター北海道の子ども社会科見学

アグリソリューションセンター北海道密着レポート第二弾。前回Y MEDIA編集部は、ヤンマーアグリジャパン 北海道カンパニーの上田和代さん、三浦伸一さんにナビゲートいただき、施設見学を誌上で再現。同所で提供しているソリューションや、掲げるコンセプトを明らかにしました。取材の中で「今後は未来の農業の担い手となりうる子どもたちの見学を増やしたい」と、農機販売会社として次世代の農業にかける強い想いがありました。

この想いは少しずつですが、形になっています。後編となる今回は、アグリソリューションセンター北海道の、次世代の農業に向けた取り組みをレポートします。小学生の団体による施設見学密着レポート、施設見学を企画された中学校の先生へのインタビューと、二部構成でお送りします。

 


トラクターに大興奮! アグリソリューションセンター北海道に初の小学生団体がやってきた

2016年7月末、北海道新聞を販売する、有限会社 道新ながさわ様主催の「子ども社会科見学バスツアー」が開催されました。地域の小学生を対象に、北海道の企業をめぐる同バスツアー。夏休みの自由研究にももってこいの企画です。

実は、小学生の団体の受け入れは初めて! ガイドを務める三浦さんもどこか緊張気味の中、子どもたちが到着しました。ナレッジセンターに並ぶトラクターに大興奮で、見学スタート前からキャビンに乗り込んだり、早くもテンションは最高潮。

それでは早速、見学の模様を見ていきましょう。

YTトラクターとジョンディア製トラクターの前で記念撮影を終えたら、三浦さんのガイドがはじまります。トラクターやエンジンの歴史が語られる中で印象的だったのが、「農業」のお話です。かつて農耕民族であった時代から、私たちの生活に欠かせない存在である農業。農業の発展の歴史は、省力化や大規模化をサポートした農業機械の発展の歴史でもあります。新旧のトラクターが並ぶ中でのお話に、子どもたちも興味津々。熱心にメモを取る姿が印象的です。

とはいえやはり、子どもたちの反応は「トラクターカッコいい!」の声がいちばん大きかったですね。

 

次は、メインイベントのトラクター試乗体験! 子どもたちが待ち望んでいた瞬間です。「乗りたい人~?」と募ると、我先に! とたくさんの手が挙がりました。

残念ながらこの日も雨模様。デモンストレーションフィールドを走らせることはできませんでしたが、YTトラクターとジョンディア製トラクターに分かれ、雨の中なんと参加の47人全員が試乗体験しました。

あらかじめGPS自動操舵システムでコースを設定しているので安全面も問題なし。いよいよ乗りこむとなると「登るのちょっと怖かった……」など、あらためてその大きさに圧倒される子どもたちでしたが、サポートを受けながらの運転では「思ったより速い!」と喜び半分、驚き半分の歓声が次々に上がりました。

 

見学を終えてナレッジセンターに戻ってきた子どもたち。カフェで自慢のコーヒーを……とは小学生には少し早いので、オレンジジュースで休憩しました。細かな部分でもお客様に合わせたおもてなしを行います。

 

あっという間の1時間半。最後は社員総出で、道新ながさわ子ども社会科見学バスツアーご一行をお見送り。バスの中からいつまでも手を振り返してくれる子どもたちの姿、心温まる光景でした。引率の方からも「ホスピタリティに感動しました! 試乗体験も全員できるとは思ってなかったので、とても良い経験になりました」と、感想をいただきました。アグリソリューションセンター北海道では、この日に限らず、施設見学の終了時にオフィスにいる社員全員でお見送りするそうです。

終始笑顔と笑い声が絶えなかった社会科見学。小学生にとって農業の歴史や機械の知識を覚えることは難しくても、はじめて農業に触れた思い出が「楽しかった」となることは、とても意義深いのではないでしょうか。子どもたちに農業の楽しさを伝えること。この施設の役割をあらためて知る瞬間でした。

 

先生に聞く、職業体験としてのアグリソリューションセンター北海道見学の価値

後半は2016年5月に社会科見学で訪れた、札幌市立西野中学校の森寛先生にインタビューを行いました。企画から当日の引率、事後学習まで担当された森先生に、社会科見学の振り返り、アグリソリューションセンター北海道の取り組みへのご意見などをうかがいました。

――アグリソリューションセンター北海道を見学されたきっかけを教えてください。

中学2年生で行う1泊2日の宿泊学習で見学先を探していました。実は別の施設を予定していたのですが都合つかず、相談していた旅行代理店の紹介でこちらの施設を知りました。私とほかの教員3名で視察に訪れたところ、「こんなにいいところがあるじゃないか!」と。2日目に田植え体験、お昼はジンギスカンというコースが決まっていたのですが、そこにこちらの施設が加わることで、結果として「農業・食育」で軸ができました。

――事前視察が決め手だったそうですが、具体的に良いと思われたポイントは?

まずは現物のトラクターの迫力ですね。スーパーカーと見まがうほどのデザイン性。開放感のあるギャラリー(ナレッジセンター)の場そのものも良かったです。あとは座学の中身が優れていたこと。脱穀機から進化していく農業機械とともに、農業の歴史をスライドと動画を混ぜながら見せていただいた。

私が見学先で期待していたのが「大人の話を聞く」時間です。問題意識を持ちながら話を聞いてメモを取る機会が、学校ではなかなかないんですよね。座学を経て見学をしながら、メモを取り、質問をする。そんな学習が組み込めるのではと思いました。

――当日の様子をうかがいます。振り返ってみて、どのような感想をお持ちですか?

まず本物に触れる機会ができたのがいちばん良かったですね。ヤンマーのトラクターをCMで見た子もいましたが、機械の質感や乗った時の感触は現物でなければ得られない。

今の子達は、漠然と農業って大変そうだなとイメージしていると思います。農家離れなんていうのは勉強でも耳にしますから。でも今回「何時間乗ってても疲れない」「エアコンばっちりで乗り心地も良い」。快適性にこだわったトラクターに触れ、必ずしも苦しいだけではないんだなと感じた子もいるはずです。

――教育という観点では、今回のプログラムはいかがでしたか?

西野中学では2年生になると、秋に職業体験という活動があるんですね。職業を通じて、大人たちが社会でさまざまな役割を担っているということをこの1年間で伝えたいなというテーマで。親はサラリーマンで会社に勤めている。だけど、サラリーマンだけでは世の中は回っていなくて、日本中世界中の人が食べ物を食べるのであればそれを担っている人がいる。農業だけじゃなくて、水産業もそうだし、工業もあるだろうし。そういうことを手を変え品を変え、いろんな場面で伝えていきたいと思っていたんですね。その意味でも今回の見学はピッタリでした。

――宿泊学習から戻った学校では、事後学習が行われたそうですね。

6人ごとの班でそれぞれ、見学先での集合写真と各所で学んだことのまとめを大きな画用紙に書き出しました。目的は内容の再構成、体験の意識化です。単に「面白かった」ではなく、どこが面白かったのか、どういった学びが今後活かせそうなのかを、自分たちなりにまとめました。

トラクターの試乗や田植えなど、経験したことから座学で得た知識まで、アグリソリューションセンターの振り返りではやはり農業に関する内容が多かったです。美術が得意な生徒は、ヤンマーのロゴマークや建物のデザインについて疑問をまとめていました。単純に楽しかったー!という生徒もいますし、色んなレベルで感じた良さを自分なりの言葉でまとめてある、良いものになったと思います。

――こういった施設が教育や、地域との関わりを持つことについては、どう思われますか?

すごく良いと思います。都道府県の中で食糧生産を担う筆頭ともいえる北海道で、農業機械販売会社という産業の真ん中にある企業がこのような場を提供することはとても意味があります。農業に関する見学先は数多くありますが、生産するプロセスにトータルで直接関われる施設は、農家に行く以外ではそうそうないと思うんですよ。農業の未来の担い手を啓蒙する役割を担える場所だと思いますね。

教師としては、子どもたちが将来社会に出て行く時の判断基準、価値観をつくる重要な機会だと考えます。仕事を選ぶ際、さまざまな条件がありますが、百点満点の仕事はきっとないのではと思います。その中で、たとえばこちらであれば農業に携わることが社会にとってどんな価値を持つのか。そういったことを考える機会になる。単に楽しい時間で終わるのではなく、先のことまで考えられる時間にしたいので、代わりの施設が思い浮かばないくらい、良い見学になりました。


 

かたや地域の催しで小学生の団体、かたや中学生の学校行事。ひとくちに子ども向けの施設見学といっても、趣が異なります。「楽しかった」だけで終わらせず、何かを持ち帰ってほしい。迎える側も訪れる側もその想いは一緒です。アグリソリューションセンター北海道は、未来の農の種を蒔くように、これからも子どもたちに農の楽しさや働き方を体感してもらえる場であり続けます。
前後編に渡ってお送りしたアグリソリューションセンター北海道特集、いかがでしたか? 楽しみ方はお客様次第です。お客様にあったおもてなしで、お迎えします。お近くの方はもちろん、北海道旅行のコースに加えてみてはいかがでしょうか?