February 15th, 2019|

国内農機メーカー初の取得!ヤンマーグリーンファームのレタスが認証を受けた「GLOBALG.A.P.」とは

滋賀県栗東市にあるヤンマーグリーンファームは、ヤンマーのグループ会社であるヤンマーシンビオシスが管理・生産を行う農業施設です。2018年5月、本センターはファーム内の水耕レタス栽培において、「食の安全」「環境保全」「労働の安全」を国際標準の生産工程管理で実現する「GLOBALG.A.P.(グローバルギャップ)」認証を国内農業機械メーカーとして初めて取得しました。

GLOBALG.A.Pは2020年東京オリンピック・パラリンピックにおける食材調達の基準として注目を集めましたが、その内容についてはご存知ない方も多いのでは。そこで、GLOBALG.A.P.とはどのような取り組みなのか、また、GAPを実践すること、そしてGAP認証を取ることで、農業者や農業法人さらには消費者にとってどのようなメリットがあるのかについてご紹介します。

「食品安全・環境保全・労働安全」に配慮した農産物へ与えられるGAP

GAPとは、食品安全・環境保全・労働安全において合法な(GOOD)、農場管理を(AGRICULTURAL)、実践(PRACTICES)する取り組みのこと。そのGAPを実践している農場を、第三者の認証機関が各認証の基準に基づき、GAPが正しく実践されていることを審査し認証する制度が、GLOBALG.A.P.をはじめとする各GAP認証制度です。

GLOBALG.A.P.取得のための大まかなステップをご紹介します。(生産工程における以下①~⑤の取り組みを、第三者機関による審査を受けることで証明されます。)

①  作物の生育段階(土づくり・播種・植付・管理・収穫・出荷…等)ごとに、食品安全・環境保全・労働安全に関する問題点・課題・リスクを出し合う。(農場メンバー全員で話し合う)
②  ①で挙げられたリスクについて、それらを解決・防ぐためのルールやチェックリスト(点検項目)を定める。
③  ②に従って農作業を行い、記録を残す。
④  ルールが守れたか点検し、改善点を見つけ出す。
⑤  次年度に向け見直し、改善する。

<参考例> ①作物の生育段階にあわせた各生産工程の問題点・課題・リスクの洗い出し
<参考例> ②挙がったリスクを解決・防ぐための「ルールやチェックリスト(点検項目)」を制定

このように、GAPの実践により農作業を見える化し、改善することで、よりよい農業経営へと繋げていくというのも重要なポイントになります。

GLOBALG.A.P.は国際的に認められたGAP認証

GAP認証にはGLOBALG.A.P.以外にも、(一財)日本GAP協会が定めたJGAP(ジェイギャップ)/ASIA GAPなどがあります。

今回ヤンマーグリーンファームの水耕レタスが取得したのは、非営利組織団体FoodPLUS GmbH(本部:ドイツ)によって世界120か国以上に広まり、事実上の国際基準となっているGLOBALG.A.P.。東京オリンピック・パラリンピック2020大会において提供可能な農産物の基準と認められている他、日本国内でも、大手流通チェーンや食品メーカーにおいて、取り扱う食材にGAP認証取得を求める動きが拡大しています。今後GAP認証への取り組みは必須となる可能性があり、早くから準備しておくことで優位性が高まり、国際競争力をつけることもできるのです。

安心・安全の“見える化”で、信頼性・透明性を確保

チェックリスト作成や日々の農作業の記録、書類の作成など、通常の農作業へ事務作業が加わるため、GAPの実践やGAP認証取得に関して尻込みしている農業者・農業法人は多いかもしれません。そこで、GAP実践とGLOBALG.A.P.をはじめとするGAP認証を取得することで得られる具体的なメリットについて、大きく2つご紹介します。

まずは、消費者そして取引先が直接確認できない、生産者の「食品安全・環境保全・労働安全」への取組が、第三者機関などによる審査を受けることでしっかりと証明されます。これにより、安心・安全が“見える化”され、信頼性・透明性が確保でき、他との差別化を図ることができます。

(左)水耕レタス栽培施設では、衛生管理に関する細かなルールが定められています。
(右)食品トレーサビリティを確保するため、すべてのレタスに「パネル番号」を付与。いつ種を蒔き、パネルに植え替えたのか一目瞭然です。

また、生産過程での履歴がしっかり残されているため、食品トレーサビリティ(追跡可能性)が確保できます。仮に、万が一の事態が発生しても原因を速やかに突き止めることができるため、消費者や取引先へ安心感を与えられるのです。

チェックリストを作成する過程で、農作業の“マニュアル化”も可能

次に、GAPを実践する過程で得られる、生産体制の“見える化”がもたらすメリットを紹介します。

GAPの実践における重要な取り組みのひとつが“農場ごとのルール決め”、つまり、チェックリストの作成です。GAPガイドライン等に基づきながら、農産物の各生産工程のリスクや問題点について生産に携わるメンバー全員で話し合いながら洗い出し、リスト化してそれぞれについて対策を考え、各自がルールを理解した上で作業・記録を行います。

農業においては、長年の経験やカンなどで作業を行う、いわば“個人の頭の中にある”情報を元に作業を行うケースが多く見られます。しかし、GAP実践の工程で必要となる日々の作業内容を記録・文面化することで、農作業のマニュアル化が可能に。さらには、作業内容を継続して記録することで、生産方法や経営の改善にも役立ちます。

また、全員がチェックリストに従って作業することで、従業員の意識改革にも繋がります。作業場へ入る前に手洗いを徹底する、使い終わった作業用具は指定位置に戻すなど、作業の一つ一つを改めて見直し、ルールを周知徹底することにより、異物混入事故や作業中のケガを防ぐこともできるのです。

ここまでGAPの概要やメリットについてご説明しましたが、いかがでしたでしょうか。次回はヤンマーシンビオシスにてGAPを取得した際の経緯をはじめ、具体的に改善したポイントなどをお伝えします。

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ヤンマーシンビオシス株式会社