2020.11.10

女性が働きやすい企業へ。ヤンマーが推進するダイバーシティとは?

ヤンマーでは、グローバル化戦略を進める上で「国籍・性別・年齢を問わず、世界で通用するプロフェッショナルな人財の確保」を目的とするダイバーシティに取り組んでいます。性別、国籍、ライフスタイル、文化などのさまざまな違いを受け入れ、尊重し、一人ひとりの能力を最大限活用することで、企業パフォーマンスの向上とグループ全社員が“働きがいと誇り”を持てる企業を目指しています。

Y mediaでは、ヤンマーのダイバーシティの取り組みを3回に渡ってご紹介します。第1回はダイバーシティ推進の中心となるヤンマーホールディングスの2名の取締役、経営戦略部長(CSO)の長田志織さん、人事部長(CHRO)の浜口憲路さんに、「ヤンマーのダイバーシティ戦略」について語っていただきました。

長田志織(ながた しおり)
ヤンマーホールディングス株式会社 取締役 チーフストラテジーオフィサー 経営戦略部長(CSO)。オランダにあるYANMAR MARINE INTERNATIONAL B.V.のトップとして事業の立ち上げに貢献後、ヤンマーホールディングスの女性初の取締役に就任。最高戦略責任者の役割を担う。

浜口憲路(はまぐち のりみち)
ヤンマーホールディングス株式会社 取締役 チーフヒューマンリソースオフィサー 人事部長(CHRO)。長年、企画・管理業務に関わり、アメリカやシンガポールでの海外経験を経て、ヤンマーホールディングスの人財戦略のトップとして、ヤンマーホールディングスの取締役に就任。

企業の成長には、ダイバーシティは不可欠

―― 企業の成長のためには、どうしてダイバーシティの推進が必要なのですか?

浜口:ヤンマーは「企業の成長を支えるのは社員」と考えています。ダイバーシティとは、多様な人材を積極的に活用するということです。多様性と言っても、性別もあり、国籍もあり、人種もあり、宗教の違いとかもあります。他にも、在宅勤務やフレックスタイムなど、“働き方の多様性”もあります。“働くことの価値観の違い”だって、多様性の中に含まれます。私は、社員一人ひとりの多様性(ダイバーシティ)をお互いに認め合って、それらが融合(インクルージョン)する「ダイバーシティ&インクルージョン」が大切だと考えています。

長田:ダイバーシティとは、「多様なバックグラウンドの人材を活かすこと」だと思うんですね 。例えば、日本の企業のミーティングは、40歳以上の日本人男性が多いような印象を受けます。それ自体は悪いことではないのですが、私は「違う観点や価値観を有するメンバーが意見交換することによって、AでもBでもない、新しいモノの考え方が生まれる」と思っています。ヤンマーは、ダイバーシティを推進することで、より高いパフォーマンスを発揮できる会社になれると思います。

浜口:グローバルな視点に立つと、世界中の人材から、その業務に合った人材を起用することが重要です。人事においても、日本的な価値で考えるのではなく「この仕事にはこの方だ」といった適材適所で活躍してもらいたいです。外国籍の社員かもしれないし、外国籍の女性かもしれない、その道に優れた人材が中心となって業務をやっていくことが、ヤンマーの大きな力になると思います。

長田:私は5年半くらいオランダにいましたので、必然的に海外メンバーとの仕事が多く、人材の選択肢に海外の方が入ることが多いですね。現在は、日本人メンバーとも知り合う機会が増えたので、人材の選択肢が広がったことを感じています。経営戦略の観点では、「この案件のベストな担当者は日本人のこの方、この案件はアイルランド人のこの方に」といった、フラットな人材活用の体制づくりが重要だと思います。

女性が活躍できる仕事環境づくり

―― 女性の活躍について、どう考えていますか?

長田:ヤンマーは機械メーカーということもあるのですが、それでも「女性の管理職が非常に少ない」と感じています。「経験豊かな女性管理職を増やすには、どうしたらいいのか?」。この課題は浜口さんをはじめとする、人事部の皆さんが取り組まれているところです。日本の場合は、社会全体の問題でもあるので、企業側の努力が必要だと思います。欧米文化は、「家庭内での夫婦の役割分担」についての理解がありますが、日本の社会はまだまだ。企業側が思い切ってプッシュする必要があると思います。

浜口:私もシンガポールとアメリカでの海外勤務を経験していますが、男性は家庭の役割分担に積極的ですね。日本では仕組みがないと、女性が活躍できることは難しいと思います。そのために、人事部としては、女性のキャリア形成のための制度設計に取り組んでおり、結婚や子育てといった、女性のライフスタイルに沿った支援が重要だと考えています。
その一つとして、ヤンマー社員だけがアクセスできる「Diversity(ダイバーシティ)&Inclusion(インクルージョン)」サイトを立ち上げ、さまざまな支援活動を行う予定です。一生懸命頑張ってきて「今までの経験を活かして、もっと仕事ができる」という時の退職は、本人にとっても、会社にとっても、お互いに幸せではないことだと思います。

―― 女性が活躍するために、ヤンマーがするべきことは?

長田:私の意見としては、「社員の働き方について、もう少し現場に権限を移譲しても良いのでは」と思っています。現状では、働き方の制度と上司の方に柔軟性がないように感じています。例えば、子育て中の女性の場合、お子さんの年齢によって“働ける時間”が違ってきます。「規則だからダメ」というのではなく、柔軟な制度設計と上司・職場の理解が、“安心して気持ちよく働ける職場環境” につながると思います。

浜口:私が責任者であったシンガポールの職場では、人事や経理、総務のマネージャーが女性で、唯一ITのマネージャーだけが男性でした。「優秀な人を採用したら、たまたま女性が多かった」ということです。東南アジアの女性はしっかりしていて、勉強や仕事にも凄く熱心です。MBAを取得している方も多いですが、それも男性の理解があってのことです。共働き率が高い国だからこそ、“男女の助け合いの文化”が根付いているのでしょう。
人事の立場で言えば、「男女関係なく、その人の能力で採用し、その人に相応しい活躍の場を提供する」こと。採用する上司は、「自分との価値観の違い、多様性に理解を示してもらいたい」と思っています。

長田:そうですね。上司の男性には、「女性は同じ土俵で戦えていない」ということを理解していただきたいですね。日本では「女性は一歩下がれ」と小さいころから言われてしまう。その結果、意識していなくても、何ごとにも控えめになってしまうバイアスが働いてしまいます。仕事においても、女性の発言は控えめになっている可能性が高いことを理解して欲しい。上司の男性は、女性の部下の能力をしっかり見て、後押しすることも大切だと思います。ヤンマーとしては、女性が活躍できる企業風土の醸成に努めたいです。

―― 企業にとってプラスとなる、女性ならではの強みは何でしょう?

長田:強みというか、女性の方が比較的“横のコミュニケーション”が上手だと思います。男性が縦型社会的ならば、女性はその横型社会的。あくまで男女の双方にそういう人が多い傾向がある、ということに過ぎませんが。組織の活性化や透明性の確立の面では、コミュニケーション能力は、企業にとって大きな力になると思います。

社員が“いきいき、ワクワク”と働ける企業へ

―― 最後にダイバーシティの実現に向けた、お二人の夢をお聞かせください

浜口:ヤンマーでは、今回、長田さんが初めて女性の役員になりました。女性はもちろん、外国籍のトップがどんどん登場し、活躍していってもらいたいですね。マネージャー層にしても、女性の管理職比率が低いので、人事としては「ダイバーシティ&インクルージョン」に取り組んでいきます。社長がよく話す「いきいき、ワクワク」というキーワードで言えば、「仕事の選択肢を増やして、社員が“いきいき、ワクワク働ける”環境」を作っていきたいと思います。

長田:私は、「ヤンマーという会社は“美しい世界を作りたい会社”なんだ」と思っています。働く人のすべてが、楽しく安心して働き、仕事だけで1日が終わるのではなく、家族との楽しい時間があって、余暇を楽しむ時間もある。そういったビジョンの実現に向けて、ダイバーシティの推進に挑戦したいと思います。

■ヤンマーが目指すビジョンは「私たちの使命」でご覧いただけます。

 

関連情報

ダイバーシティ&インクルージョン