2018.04.04

【世界の中のヤンマー イタリア篇 vol.1】岡山の田舎町からイタリアへ!初の海外駐在員生活

海外で働くヤンマー駐在員の生活に密着する企画「世界の中のヤンマーイタリア篇 vol.1」。まさかの転勤劇を経て、イタリアでロボット研究に励む平松敏史さんにお話を伺ってきました!考え方から語学力、ファッションまで、どんな変化があったのか!?あらゆることに対する向き合い方は、注目です。

平松 敏史
YANMAR R&D Europe S.R.L 所属

2017年月より赴任。赴任前は、ヤンマー研究開発ユニット中央研究所基盤技術研究部にて農業ロボット開発を担当。 YANMAR R&D Europeでも小型機械のロボット研究に従事。

記事の目次
1.岡山の田舎町で育った若者がイタリアで研究員に。
2.花の都フィレンツェ。理系男子が美た、芸術の街と人々とは。
3.通じなくても喋り続けるイタリア人から、語学習得の必要性を痛感!

岡山の田舎町で育った若者がイタリアで研究員に。

岡山県出身で、小さい頃からずっと山に囲まれた場所に住んでいました。隣の家が100mも離れているような超田舎の出身です。今こうしてイタリアのフィレンツェで働いてることが、本当に不思議なくらい。

イタリアには2017年4月から赴任しているので、現在10か月目(取材時:2018年1月)ですね。妻は日本での仕事や子育てがあるため、⼀人でイタリアにやって来ました。

イタリアではどういった仕事を担当していますか?

ロボット研究チームは現在5名。ミーティングでは活発に意見が飛び交います。

赴任先のYANMAR R&D EUROPEでは、エネルギーと作業機の次世代技術の研究開発を行っています。
私はその中でも、ロボット技術を活用した作業の省力化技術の研究がメインです。
建設機械や農業機械の市場において、今後、先進国では少子高齢化による熟練労働者の減少が非常に大きな課題となることが予想されています。
そこで、作業や走行の自動化を進めることにより、少ない人手で、なおかつ初心者でも熟練者並みの作業が可能になるような技術の開発が、私のミッションです。
特に、ヤンマーの製品は建設現場や農場といった屋外の厳しい環境下で使用されることが多いため、それらの環境下でも問題なく使える技術開発が求められていますね。

現地社員のみなさんの仕事場。個室のような空間に好みのモノを飾り、とても快適そうです。

ミケランジェロ広場にも近い小高い丘の上にある建物が、YANMAR R&D EUROPE。
玄関から建物まではオリーブの木の道が続きます。

イタリアでの生活には慣れましたか?

9ヶ⽉住んでみて慣れつつ…ありますけど。やっぱり色々と⼤変です。
基本的に日本は、サービスが過剰で時間に正確なんでしょうね。それが当たり前になっていたから、wifiの回線⼯事の予約をしてもすっぽかされたり、9時に約束しても9時半になるのが普通だったりします。
他にも、家に帰ってお風呂に入りたくてもお風呂がないですし。基本は土足の生活なので、日本の生活に慣れ親しんで育っている分、細かいところでストレスがあるのは仕方ないかなと思います。
イタリアの文化や考え方などを少しずつ受け入れながら、心に余裕を持つようにしています。

花の都フィレンツェ。理系男子が見た、芸術の街と人々とは。

歴史ある街並の中でもひと際美しい、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂。

海外で働く魅力のひとつは、今までの自分の人生では出会えないような人々と知り合えることだと思います。
現地で暮らすイタリア人もそうですし、私と同じように海外で働くことを決断した他の企業の日本人といろんな話をしながら、さまざまな考え方に触れることができるのは、本当に興味深いですね。

 

日本にいた頃は、自分が働いている研究所をはじめ、学生時代からの友人を含めて理系の知り合いばかりでした。でも、フィレンツェに来てからは、ファッションやアートといった芸術関係の方など、今まで全く触れ合うことのなかった業種の人と話ができるのがとても新鮮!日本の研究所にこもっていたら、実現できなかったことですね。

ファッションにはうといんですが、イタリアでは「男性のヒゲ=セクシーの象徴」らしいです。
イタリアに来て女性の上司から「ヒゲを伸ばした⽅がいい!」と言われたので、頑張って伸ばしてみたものの…。どう見ても、山男ですよね(笑)
今日はこの撮影のために剃っているので、終わったらまた伸ばすつもりです。
日本人はどうしても童顔で幼く見えてしまうから、ヒゲがあった方が「貫禄が出る」って言われますね。日本にいる子どもたちは「パパはヒゲがあった方がかっこいいけど、なくてもかっこいい」と言ってくれています。子どもだけですね、そうやって褒めてくれるのは。(笑)

いつもの平松さんがこちら。ビールの祭典オクトーバーフェストにて。(写真は平松さん撮影)

イタリア最古の橋ベッキオ橋。なんだか京都の鴨川沿いに似た雰囲気を感じます。
それもそのはず、フィレンツェは京都市と姉妹都市なんだそうです。

通じなくても喋り続けるイタリア人から、語学習得の必要性を痛感!

学生時代から英語が大の苦手で、海外を相手に仕事をするなんて、想像もしていませんでした。ヤンマーに入社した当初は、海外の研究機関とメールのやり取りをするだけでも、多大な労力をかけていたのを覚えています。
もちろん、今でもすらすらと英語を話せるわけではありません。
仕事なら専門用語で何を話しているか理解ができるので、こちらの話も通じますが、日常会話はまだまだ苦しいです…(苦笑)

 

最近少しずつ、同僚と冗談を言い合いながらランチを食べたり、コーヒーを飲みながら自分の家族や将来について少しずつ自然と話しができるようになってきたと思います。
イタリアは関西気質がよく合うのか、笑いに対してけっこう真剣なんです。こちらの冗談がウケたら、ハイタッチやグータッチをしてくる同僚もいるほど!最近では一日にグータッチができる回数も増えてきているので、自分も「成長できているのかな?」と思っています(笑)

イタリア人社員との会話のキッカケになると思い、オクトーバーフェストで買ったチキンヘッドはいつも机の上に置いています。「He is a brave man. Not many people have the courage(平松さんは勇敢な男だよ。多くの人はこれを買って人を楽しませる勇気はないでしょう!!)」

イタリア語は話せるようになりましたか?

イタリアではエスプレッソを⽴ち飲みでいただくのが定番スタイル。

職場の同僚たちはみんな英語が喋れるので大丈夫なんですが、街に出るとイタリア語しか話せいない⼈が多いので、私生活ではちょっと苦労しています。赴任前にイタリア語の授業も受けましたけど、難しいですね。
出かけた先や買い物、レストランではイタリア語しか通じないし、そういう時が⼀番あたふたします。
ちなみに、最初に覚えたイタリア語は「Dovʻè il bagno?(トイレはどこですか?)」です。
観光ガイドにも必ず載ってますが、イタリアに来てからも「これだけは覚えておけ」と言われました。

 

ヨーロッパの人は全般がそうかもしれませんが、イタリアの人って、こちらに話が通じていないと分かっていても喋り続けてくるから面白いですね。
たまに相槌を打つぐらいしかできないので、イタリア語はもっと勉強しないとダメかなと(笑)
実はイタリア語って、日本人にはとても分かりやすい言語だと言われているんです。だから、後は勉強あるのみです。

新しい出会いも、考え方やスタイルの変化も、語学力の成長も、
日本を離れたからこそ生まれたもの!
「日本ではこうだ!」という固定概念を置いて“受け入れる”ことで、
平松さんの進化はこれからも続きそうです。

 

次回、【世界の中のヤンマー イタリア篇 vol.2】は、
「イタリアでのワークライフバランス」です。

現地ならではの働き方と取り組みを、お楽しみに!
チャオ!

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