畑で育てるトマト
作物

主な品種

桃太郎、サターン、フルティカ(中玉)

01.トマト栽培の基本

まずは、トマト栽培について知りましょう!

土づくりからはじめるトマト栽培で、さらにおいしく!

トマトは中南米のアンデス高地が原産といわれており、日本では夏の栽培にぴったりな野菜です。
トマトの赤い色はリコピンという成分です。リコピンには強い抗酸化作用があり、ガンや動脈硬化などを予防する効果が高いことがわかっています。
ほかにも、トマトは、ビタミンC、E、B6、β(ベータ)カロチン、鉄分、ミネラル、カリウム、グルタミン酸などを含む栄養素の宝庫。塩分を排出して血圧を下げ、ストレス解消や疲労回復を助ける効果があります。
畑で食べる、もぎたてのトマトは格別のおいしさです。また、枝についたまま完熟したもののほうが栄養価も高いのです。土づくりから始めることで、今まで上手く育たなかった野菜も、立派に育てられます。
畑で美味しいトマトを自家栽培してみましょう。

トマトの基本

5月に植えると、7月にはおいしいトマトが!

夏に向けて、5月に植え付けると、6月末〜8月頃まで収穫できます。

トマトの栽培歴
トマトの栽培歴
  • 栽培カレンダーは目安です。地域や品種によって栽培時期は異なります。

用意しておきたいトマトの栽培用品

  • クワ
  • スコップ
  • 園芸用手袋
  • ホース(ジョウロ)
  • 園芸用ハサミ
  • 支柱(1.8m)
  • 霧吹き
  • ミニ耕うん機(あれば便利)
トマトの栽培用品

02:土づくりをしよう

おいしくて栄養たっぷりの作物をつくるには、まず、育ちやすい土をつくることが大切です!!

育ちやすい土とは

  • 排水性が良い
  • 通気性が良い
  • 養分がある

排水が良く、有機質に富み肥えた通気性の良い土にするために、十分に耕うんして、肥料を施します。

元肥を施すときは、石灰欠乏が出やすいので、元肥に石灰質肥料を施してください。
元肥が多く、第1花房の開花時に窒素成分が多いと、落花しやすいので注意しましょう。

トマトの土づくり

施肥例(10㎡当たり)

種類 元肥
苦土石灰 1.5kg
配合肥料(9-8-7) 0.6kg
化成肥料(8-8-8) 0.4kg

ミニ耕うん機を使えば、ラクラク!

ミニ耕うん機

クワやスコップでまんべんなく耕すには、時間もかかるし、体力もいります。
ミニ耕うん機を使えば、より深く耕うんすることができ、野菜の生育しやすい環境を、手軽にしかも短時間でつくることができます。

連作障害について知ろう!

トマトは、同じ場所に連続して植えると、障害が出やすいので、できれば3年ほどナス科の作物(ナス・トマト・ジャガイモなど)をつくっていない場所を選びましょう。 また、過湿を嫌うので、排水が良い畑を選びます。

相性の良い作物と一緒に植えて、農薬を抑えた栽培をしよう

一緒に植えると相性の良い作物

ニラ
トマトの苗の根とニラの根を接触させて植えることで、萎ちょう病を抑制します。
ラッカセイ
株元から20cmほど離して、1か所3粒ほどまきます。
トマトは乾燥させ気味で栽培すると甘くなることから、水分を必要とするラッカセイを植えることで、トマトが甘くおいしくなります。
バジル
トマトの生育を助け、風味を良くします。
また、蚊やハエを追い払います。
トマトのコンパニオンプランツ

トマトとニラ(萎ちょう病の抑制)

一緒に植えると相性の悪い作物

ジャガイモ
フェンネル
トウモロコシ

03:栽培しよう

トマトづくりのコツをつかんで、栽培しましょう。

(1)うねを立てよう

土づくりが終わったら、幅1.5m・高さ25〜30cmのうねを立てます。
トマトの根は、深さ1mくらい伸びるので、深く耕し、水はけを良くするようにしましょう。

うね立ても、ミニ耕うん機で作業すればラク!

ミニ耕うん機でうね立て

ミニ耕うん機でうねを立てたり、土寄せをすることもできます。

  • 写真は、葉物類向けのうね立てをしています。
    トマトの場合は、1.5m幅の大きなうねをつくりましょう。

(2)苗を植えよう

  • 株間35~40cmで2条植えにします。
  • 苗は本葉7~10枚で第1花房の開花前後を見定めて、植穴に置き、株元に土を盛るように浅植えにします。
  • 定植時に粒剤を株元に散布しておくとアブラムシ類、コナジラミ類を防除できます。
トマトの定植

良い苗選びのポイント

  • 種苗店などで苗を購入します。
  • 節間が短く、葉の色ツヤが良い、根が巻いていない苗を選びましょう。
  • 定植する苗は1番花が開花直前のものが良いので、購入した苗が若苗の場合は4号ポットなどに移植して育苗します。
  • 病気につよくて裂果しにくい桃太郎・サターン・フルティカ(中玉)などがオススメです。
トマトの苗

(3)株ごとに支柱を立てよう

トマトの地上部は重く、折れやすいので、株ごとに支柱を立てます。 支柱同士を針金か支柱で結びつけると、より安定します。

トマトの支柱立て

(4)ホルモン剤を処理しよう

  • 完全に開花した花が3花以上ある状態でトマトトーン等のホルモン剤を晴れた日の午前中に処理すると着果肥大が良くなります。
  • 特に第1果房は、草勢を安定させるため確実に着果させます。
  • 開花した花だけを指の間から出して、つぼみや新芽にかからないように注意します。
トマトのホルモン剤散布

ホルモン剤処理ってなに?

落花防止と着果促進のため、開花した花にホルモン剤(トマトトーンなど)を散布する作業です。
茎や葉が成長していても、花のめしべの中の胚珠の受精が不十分だと、幼果の中のホルモン量が少なくなって、茎や葉から養分が順調に入ってこなくなり、果実の発育不良や落果が起こります。これを防ぐには花に植物ホルモンを人工的に与えてやらねばなりません。
花房部分のホルモン濃度が茎葉部分よりも高くなることで、果実の発育に必要な養分が茎から花房へ流れこむようになります。

(5)わき芽を摘み取ろう

各節から出るえき芽(わき芽)は摘み取り、1本立てにし支柱に誘引します。
なお、摘芽は草勢が強い場合には、早めに摘み取り、草勢が弱い場合には遅らせます。

(6)追肥をしよう

1回目の追肥は、1段目の花房の着果を確認してから施用します。2回目の追肥は、三段目の実がピンポン玉くらいになった頃を目安に行います。

施肥例(10㎡当たり)

種類 追肥1 追肥2
苦土石灰
配合肥料(9-8-7) 0.4kg 0.4kg
化成肥料(8-8-8) 0.4kg

(7)変形果や病気のものを取り除こう

摘果は品種や栽植密度によって異なりますが、ふつう1果房で3~5果つけるのが適当です。
変形果や病気のものは早めに取り除きます。
中玉のトマトやミニトマトは、摘果は不要です。

尻腐れ病とは

花落ち部分が変色して腐る病気です。
石灰欠乏が原因で、元肥に石灰質肥料を施すとともに、土壌の乾燥により発生が増加するので、十分にかん水しましょう。

トマトの尻腐れ病

(8)支柱の上ぐらいまでの高さになったら、摘芯しよう

支柱(1.8m)の上ぐらいまでの高さになったら、最上段の花房の上2葉を残して摘芯します。
6~7段目(下からの花房の位置)くらいが摘芯の位置です。

トマトの摘芯

04:真っ赤に熟したら、収穫!

赤く熟したトマトから順に、収穫しましょう。 トマトは少し早めに収穫しても室内に置けば赤く色付いてきます。これを「追熟現象」といいますが、家庭菜園ならではの醍醐味は、夏の太陽をいっぱい受けて、株で赤く色付き、完熟したトマトが食べられることです。
栄養価も追熟させたトマトに比べて高いので、ぜひ完熟させたトマトを収穫しましょう。

トマトの収穫

05:収穫したトマトをおいしく調理して食べよう!

採れたての完熟トマトは、そのまま食べても、調理しても格別のおいしさです。
ジュースやトマトソースにしたり、いろんなレシピを試してみましょう。

  • 野菜の旬:夏
  • ジャンル:洋食
  • 献立:副菜
  • 野菜の旬:夏
  • ジャンル:中華
  • 献立:パスタ・麺
トマトの冷製パスタ
  • 野菜の旬:夏
  • ジャンル:洋食
  • 献立:パスタ・麺
オープンサンド
  • 野菜の旬:夏
  • ジャンル:洋食
  • 献立:パン

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