船の性能

基本的な性能

用途や海域などの諸条件を考えて、優れた走行性能、操業作業性、経済性などを実現するために、船体諸元や船型が工夫されています。

  • 船体は般的に排水量型と滑走型に大きく分けられ、滑走型に近いほど航走性能が向上しますが、搭載するエンジン、漁労具や機器類などにより諸性能は大きく変化します。
  • 細長い船は傾斜しやすいが、動揺周期が長いので乗り心地が良いとされる場合が多く、幅の広い船は波の傾斜に応答して周期は短いが、片荷による傾斜は少ない。甲板上に重量物を搭載する船は、幅を広くして復元性を確保します。
チャイン幅の広い船 チャイン幅の狭い船
深さおよび喫水 浮力があり浅い 深い
復元性 大きい 小さい
動揺周期 短い(速い) 長い(遅い)
重量物による舷側傾斜 小さい 大きい

船の揺れ

船は波やうねりの状況によって、ローリング(横揺れ)、ピッチング(縦揺れ)、ヨーイング(船首揺れ)、ヒービング(上下揺れ)など複雑な揺れ方をします。ローリングを減らす装置としてはチャイン部に取り付けるビルジキールや大型船の船底横に取り付けるフィンスタビライザーがあります。

波切り

FRP船は特性上船体が軽く、重心が高くなるので、走行性能、静止安定性ともに悪くなりやすいため、船体側部と底部の二つの面がつながる箇所(チャイン)に、航走時の波切り効果やローリングの防止のためのハードチャインが採用されています。

船体抵抗

船は機関の動力をプロペラに伝え、プロペラの推力によって船体に対して発生する抵抗に打ち勝って航走しますが、最も影響を受けるのが摩擦抵抗と造波・造渦抵抗です。

船体抵杭
席擦抵抗
  • 船体表面と水の摩擦による抵杭です。摩擦抵杭は表面積に比例するとともに船体表面の状態に大きく影響を受けます。
  • フジツボや海藻が付箔すると船底の平滑度が悪くなって、摩擦抵杭が大きくなります。
  • 船底を滑らかにするとともに抵杭を波らす形状の工夫が大切です。
造波抵抗
  • 船が進む際に水を押し分け波を起こします。この波を起こすエネルギーによる船の航走に及ばす影響が造波抵杭です。
  • 船が起こす波には船首波と船尾波があり、互いに打消し合って抵杭が小さくなる場合と、互いに同謁して抵抗が大きくなる楊合があります。
  • L/Bが大きい船は造波抵杭が小さく、L/Bが小さい船は大きくなります。
  • 造波抵杭の最大の山をラストハンプといい8~10ノット付近で現れますので、ラストハンプ域を避けた航走が効率良いといえます。
造渦抵杭 船体の後方や付加物(キール、舵など)の周りに発生する渦を造るためのエネルギー損失により抵杭が増します。この抵杭が造渦抵抗で造波抵抗に含める楊合があります。

走行性能

トリム

FRP船は航走においてある速度を超えると、船底に流れる水流の圧力が揚力として慟き、半滑走状態での走行する半滑走型船型に分類されます。排水量型の航走から半滑走型の航走への移行は、船尾の水が切れ始める状態のときです。

  • 高出力のエンジンを搭戟して高速を求めるとき、船体のチャイン幅を船尾部であまり絞らずに低くすれば、航走中に船尾部船底に浮力が付き、船尾トリムにならず半滑走状態にすることができます。(低速時には多少抵抗が増加する。)
  • 走行トリムが船首トリムであると船首が波浪に突っ込み、危険であり、船尾トリムであるとハンプ抵抗が大きく、波浪衝蒙を受けやすく、前方の見通しが悪いなどの問題があるため、適切なトリムの確保に努めなければならない。

ブローチング

船が荒れた海を航行中に斜め追い波を受けた場合、 波の下り斜面で波の力のために操船不能となり、傾斜して滑るように流される現象で、転覆に至ることもあります。

ブローチングの回避

  • 積荷の配置やイケスの使用での船首トリムになるのを避ける
  • 積荷により船の重心が上がるのを避け、荷くずれしないように荷を固定する
  • 追い波を受けるコースを避け、波高や潮流が少しでもおだやかなコースを選ぶ
  • 波に合わせてスロットル操作をする
  • 静水中のリードを船の長さの5%以下とする
  • 積荷により船の重心が上がるのを避け、荷くずれしないように荷を固定する
  • 首船底形状をU型にするとV型よりブローチングを起こしにくくなる
  • 船尾の横抵抗を増す