ガバナンス
コンプライアンス
基本的な考え方
ヤンマーグループは、経営トップはもとよりグループ社員全員に、企業倫理ならびに法令遵守意識を浸透・定着させることが社会から信頼される企業となるための基礎であると認識しています。
法務・コンプライアンス委員会を設置しリスク低減活動を推進しています
ヤンマーグループリスクマネジメント委員会のなかの専門部会として、法務・コンプライアンス委員会を設置しています。CSR部内に事務局を設置し、行動基準の策定・浸透活動、内部通報制度の運用、コンプライアンス研修、グループ各社のコンプライアンス担当者の参加によるワークショップ等を含むコンプライアンス・プログラムの実施を通じて、法務・コンプライアンスに関わるリスク低減活動を継続的に推進しています。
ヤンマーグローバル行動基準の浸透・定着活動
ヤンマーグループは、グループの全社員および役員が遵守すべき行動基準として「ヤンマーグローバル行動基準」を制定し、その浸透・定着活動を行っています。
「ヤンマーグローバル行動基準」の自律的な浸透・定着を目指し、グループ会社ごとに、①「ヤンマーグローバル行動基準」を軸としたコンプライアンス推進計画の策定 → ②同計画の実施 → ③コンプライアンス状況の自主点検 → ④改善に向けた推進計画の策定、というPDCAサイクルによるコンプライアンス推進活動を実施しています。これらの活動は、本社が主導しながらも、世界各地に所在するグループ会社を取り巻く文化や法制度等に関するニーズを尊重の上、展開しています。
また、各グループ会社の推進活動をイントラネット上のサイトを通じてグループ内担当者間で共有したり、参考になる取り組みをニュースレターで発信したりすることにより、継続的にナレッジの共有と活動の活性化を図っています。
さらに「ヤンマーグローバル行動基準」を軸としたコンプライアンス推進活動の成果と今後の方針を共有する場として、「グローバルリスクマネジメント委員会」を開催しています。この委員会を通じて、互いの推進活動を評価し合い、グッドプラクティスを共有する取り組みを実施しています。2021年度はオンライン会議での開催となりましたが、互いのコンプライアンス推進活動について、活発な情報や意見交換が行われました。
今後も同委員会の開催を通じ、「ヤンマーグローバル行動基準」の浸透・定着とコンプライアンス推進活動の活性化を図っていきます。
- GLOBAL TOPICS
タイ -YANMAR CAPITAL (THAILAND) CO., LTD.
個人データ保護法に関する取り組み
2019年に制定されたタイの個人データ保護法(PDPA)は、新型コロナウイルスの深刻な感染拡大により、施行が二度にわたって延期されました。同法への抵触を避けるべく準備していた事業者に少なからず影響を与えましたが、最終的に2022年6月1日に施行されました。
この新法に対応するため、YANMAR CAPITAL(THAILAND)(以下、YCT)は、2年前から概要の調査と実際の施行に先立つ要求事項の分析を行ってきました。新法とのギャップ分析に基づいて、2020年度以降は個人データ保護の重要性に対する社員の意識を高めるため、取り組みを進めてきました。PDPAのもと、5万件を超える個人情報を取り扱うYCTは、「データ管理者」となります。他方、社員の個人データが同法の対象となることから、YCTの社員は「データ保護対象者」となり、お客様と同様の権利を有することになります。そのため、社員の理解と意識向上が不可欠です。
2021年度には、オンライン社内セミナーを計6回実施し、フロント業務に携わる61名とサポート部門の136名の社員が受講しました。また、個人データに関するお客様からのお問い合わせへの対応、マーケティング目的等の場合の個人データの適切な利用など、個人データ保護法に沿った手順を定めるとともに、社員の理解を確保するため、Q&Aも作成しました。
さらに、データ保護責任者(DPO)を任命し、データ保護対象者が個人データ保護に関する問い合わせができるよう、ウェブサイト上に連絡先を公開しています。
YCTでは、今後もお客様とのあらゆる接点において、PDPAに関するコンプライアンスを推進していきます。
一例ですが、LINE公式アカウントやお客様にお送りする請求書の裏面に、YCTの個人データ保護方針にリンクするQRコードを掲載します。今後は、個人データ保護法の細則を注視しつつ、遵守を徹底していきます。


内部通報制度「倫理の目安箱」の運用
ヤンマーグループでは、コンプライアンス違反の防止、早期発見および是正を行い、透明で風通しのよい企業文化の醸成を図るため、2003年から継続して内部通報制度「倫理の目安箱」を運用しています。利用者の利便性の向上を図るため、専用のフリーダイヤル電話のほか、専用のメールアドレスを設置しています。2021年度の利用件数は、グループ全体で合計120件(コンプライアンス違反事件に至らなかったものを含む)に上り、ヤンマーグループの相談窓口として有効に活用されています。
改正公益通報者保護法の施行(2022年6月)に先立ち、内部通報に関連する社内規程を改訂しました。また、受付体制をはじめとする社内の制度運用を見直し、イントラネットを通じた全社員向けの周知と、グループ各社の担当者向け説明会を開催し、より実効性の高い制度にすべく、啓発活動を続けています。
内部通報案件については、通報者の保護に配慮しながら事実関係の調査を行い、コンプライアンス違反行為に当たるかどうかを判断します。違反であると認定した案件については、厳正な対応とともに再発防止策を策定し徹底します。
内部通報制度のフロー

コンプライアンス研修・啓発活動
コンプライアンス研修は、新入社員と新任管理職を対象とした集合研修を実施しています。
また、2019年度から、コンプライアンス課題を現場の具体的な業務環境に紐付け、コンプライアンス教育活動をより実効的なものとするため、グローバル行動基準コンプライアンス推進隊の活動を開始しました。コンプライアンス推進担当者と必要に応じて事業の担当者が事業の現場社員と対面し、ケーススタディ型のセミナーやディスカッションおよびヒアリングを組み合わせた活動で、現場の実態把握と改善促進に取り組んでいます。
さらに、Web環境を利用したeラーニングを継続して実施しています。2021年度は、「コンプライアンス行動基準」「独占禁止法」「下請法」「海外赴任前コンプライアンス研修」の4講座を開講し、延べ2,328名が修了しました。コンプライアンスに関するeラーニングにおいては、システム導入からの8年間で、延べ40,192名が受講・修了しています。
啓発活動は社内のイントラネットを活用し、法律に関する事例などを紹介し、企業倫理意識の高揚を図っています。
- TOPICS
インタラクティブ研修の推進
「ヤンマーグローバル行動基準」のテーマを掲げて、コンプライアンス研修とディスカッションを組み合わせた活動を行っています。2021年度は、「ハラスメント防止」「入札談合防止」をメインテーマに実施しました。
研修では基礎的知識を解説した後、小グループに分かれて、取り上げた事例に基づき参加者各人の意見や情報を出し合いながら議論を交わしました。また、研修終了後にフリーディスカッションの場を設定し、メインテーマに基づくさらに踏み込んだ検討をし、価値の共有を図りました。
途中、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたため、オンライン方式に切り替えて実施することがありましたが、オンラインツールの活用により、小グループでの議論、フリーディスカッションを引き続き実施し、最終的には12拠点、延べ29回/970名の参加によって全日程を終了しました。
今後も、継続的な活動を通して、現場が抱えるさまざまなコンプライアンス課題の実情や背景事情の把握に努め、健全で、風通しの良い企業風土の醸成に取り組んでいきます。