社会

次世代育成活動/文化醸成活動

基本的な考え方

ヤンマーは、“A SUSTAINABLE FUTURE”の実現に向けたさまざまな事業活動に加えて、国内外で事業の枠を超えた「次世代育成活動」と「文化醸成活動」に取り組んでいます。次世代育成活動では、公益財団法人 山岡育英会、一般財団法人 山岡記念財団などの活動、ヤンマーミュージアムを通じた体験学習を子どもたちに提供しています。また、文化醸成活動では、サッカーやマリンスポーツをサポートし、スポーツを通じて世界の人々と喜びや感動を分かち合い、ワクワクする心豊かな体験に満ちた社会の実現に貢献しています。

次世代育成活動

公益財団法人 山岡育英会の活動

山岡育英会は、ヤンマーの創業者・山岡孫吉が、世界の平和と繁栄・文化の向上に寄与する人材の育成を目的として1950年に設立した奨学財団です。当会の奨学金給貸与を通じて、これまでに約6,000名が学業を修了し、社会の各分野で活躍しています。

2013年度からは、従来の国内の高校生・大学生・大学院生・留学生への奨学金給与事業に加えて、タイとインドネシアで「東南アジアジュニアハイスクール奨学生事業」を開始しました。奨学金希望者の学業成績、経済的支援の必要性を加味して奨学生を選定しています。2021年度は、タイ19名、インドネシア25名の新規奨学生を決定し、インドネシアでは奨学生採用証書授与式を現地で行いました。

また、タイでは2016年7月、バンコク近郊に学生寮を建設し、奨学金事業をシニアハイスクール生に拡充。さらにインドネシアでは、2018年の国交樹立60周年を機に対象を大学生に拡大し、ダルマプルサダ大学への奨学金事業を開始したほか、2019年にはボゴール農科大学を対象校に追加しました。

在籍者(2022年3月現在)

大学院生 留学生 高校生 国内計
30名 4名 28名 62名
タイ インドネシア 海外計
94名 80名 174名
インドネシアにおける大学生の奨学生証書授与式
インドネシアにおける大学生の奨学生証書授与式
研究発表会
研究発表会
インドネシアにおける中学生の奨学生証書授与式と卒業式
インドネシアにおける中学生の奨学生証書授与式と卒業式
タン・プーイン・ジャンティマ―・プンバラミー高等学校で新しく奨学生を採用
タン・プーイン・ジャンティマ―・プンバラミー高等学校で新しく奨学生を採用
インドネシアにおける中学生の卒業を祝う会
インドネシアにおける中学生の卒業を祝う会

一般財団法人 山岡記念財団の活動

山岡記念財団は、創業者である山岡孫吉のドイツに対する感謝の思いを継承することを目的に2016年11月に設立されました。日独の芸術・学術・スポーツ交流・助成支援事業を中心として、広い意味で持続可能な社会を次世代につなぐために事業展開を行っています。

2021年度は、新型コロナウイルスの感染防止対策をしっかりと行いながら工夫をして実施した三つの事業を紹介します。

芸術事業では、7月にヤンマーミュージアムで「篠原猛浩&安積京子 デュオ・リサイタル」を開催しました。本事業は、ドイツロマン派音楽の演奏に親しみやすい解説を加え、クラシック音楽を身近に感じながら、そのすばらしさや奥深さに触れていただくイベントです。ドイツの代表的な作曲家の曲を取り上げ、音楽に精通していない方や、子供からご年配の方までの幅広い年齢層で楽しめるコンサートとなりました。
また、11月に世界的指揮者の大植英次氏による尼崎市内の中学・高校吹奏楽部公開レッスンコンサートを開催しました。世界的に活躍するマエストロ大植から、楽譜どおりに演奏するのではなく、その曲が書かれた時代背景や作曲家の意図・心情など、音譜の中に潜む意味合いを読み取り、幅広い音楽性、表現力豊かな音楽づくりを生徒さんに学んでいただくものです。通し演奏では、マエストロ大植による魂のレッスンが生徒に乗り移ったかのように、演奏する楽しさや絶対に良い演奏を届ける!という生徒の強い思いが音色から伝わる迫力のある演奏が披露されました。
一方、長浜市では中学吹奏楽部生徒への楽器クリニックを開催しました。プロの音楽家である大阪フィルハーモニー交響楽団楽団員の他の先生方から楽器の演奏法や表現法を教わることで、幅広い音楽性や表現力豊かな音楽づくりを中学校吹奏楽部の生徒さんに学んでいただくイベントです。レッスンを受けている間、生徒の皆さんは演奏法に関する先生からの助言を一生懸命学び、なかには、先生の演奏の仕方をiPadで撮影し、すべてを吸収し技術を自分のものにしようとする姿勢が印象的でした。

学術事業では、日独の若者文化・ライフスタイルを研究する若手研究者への助成を行い、採択された研究者の成果発表の場として、2月に若者文化シンポジウムを開催しました。今年は新型コロナウイルス感染症の影響によりオンライン開催に限定し、「現代文化にみる東西の交流」をテーマに開かれ、総勢72名の方が参加されました。今回は、2021年度の研究助成を受けた若手研究者3名とコロナ禍により研究発表を延期していた2020年度研究者1名の計4名が、それぞれのテーマについて調査・研究した内容を発表しました。また、シンポジウム後半では次年度の研究助成採択者への研究助成決定通知授与式も行いました。
3月には、地球規模で問題になっている「地球温暖化現象」と「食料」問題に関連して、持続可能な社会の形成に向けた食と農業のあり方について、今年は「発酵と食文化」をテーマとし、ドイツと日本の研究者による科学技術講演会を開催しました。今年も会場とオンラインのハイブリット式で実施し、国内外総勢158名の聴衆者の方が参加されました。講演後には聴衆者からいただいた質問を基に、発表者と参加者との間で積極的な意見交換が展開され、大変有意義な講演会となりました。

次世代を担う若者をはじめ、より多くの皆様に対し、芸術・学術を通じて日独の交流を図り、国連が提唱するSDGs実現の一翼を今後も担っていきたいと考えています。

篠原猛浩&安積京子 デュオ・リサイタル
篠原猛浩&安積京子 デュオ・リサイタル
公開レッスンコンサート(尼崎)
公開レッスンコンサート(尼崎)
中学生吹奏楽部生徒への楽器クリニック(長浜)
中学生吹奏楽部生徒への楽器クリニック(長浜)
若者文化シンポジウム
若者文化シンポジウム
科学技術講演会
科学技術講演会

子ども絵画展

静岡県浜松市立曳馬小学校6年生の河野叶愛さんの作品 『Rich in nature~ぼくらの楽園』
静岡県浜松市立曳馬小学校6年生の河野叶愛さんの作品
『Rich in nature~ぼくらの楽園』

ヤンマーは、子どもたちがふるさとの素晴らしさを発見することを通じて、水と土への関心を高めてもらうことを目的に、全国水土里ネット(全国土地改良事業団体連合会)、都道府県水土里ネット(都道府県土地改良事業団体連合会)が主催する「未来へつなごう!ふるさとの田んぼと水」子ども絵画展に協賛しています。

第22回(2021年)には全国から4,120点の応募があり、農林水産大臣賞以下入賞33点、地域団体賞45点、入選150点が決まるなか、ヤンマーアグリ賞には河野叶愛さん(静岡県浜松市立曳馬小学校6年生)『 Rich in nature~ぼくらの楽園』を選出しました。

ヤンマー学生懸賞論文・作文

ヤンマーは、次世代を担う若者たちに農業と農村の未来について自由な発想から論じてもらうことを趣旨として、1990年から「ヤンマー学生懸賞論文・作文」の募集を行っています。

昨今の農業を取り巻く環境が大きく変化するなか、日本や世界の農業において直面する課題を捉え、食料生産の先にある加工・流通などを含めた“食のバリューチェーン”に入り込み、広く農業に対する課題解決策を学生の皆様と一緒に考えていきたいとの思いから、「“農業”を“食農産業”に発展させる」をビジョンとして学生の皆様からの作品募集、審査会を経て入選発表会を開催しました。第32回となる2021年度は、全国から論文40編、作文478編の応募がありました。審査の結果、論文の部大賞には「外国産豚肉に負けない国産豚肉生産を目指して」(愛知県立農業大学校教育部2年 中村彩乃さん)、作文の部金賞には「農業に恩返し」(岩手県立農業大学校農産園芸学科2年 千田朋実さん)がそれぞれ選ばれました。

ヤンマーグループは、今後も本事業を含め次世代育成活動に積極的に取り組むことにより、持続可能な社会“A SUSTAINABLE FUTURE”の実現を目指していきます。

(論文の部)
(作文の部)
  • 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、第32回の入選発表会はオンラインにて実施

文化醸成活動

スポーツスポンサーシップ

私たちは、国境や人種、世代、言葉の壁を越えて喜びや感動を生み出すスポーツの力を通じて、ヤンマーが目指す「ワクワクできる心豊かな体験に満ちた社会」を実現します。ライフクリエーションの観点からお客様に貢献するために、さまざまなスポーツへの支援を行っています。

国内スポーツへのスポンサーシップ

セレッソ大阪と長居公園

セレッソ大阪は、1957年に創設したヤンマーサッカー部を母体として、1993年のJリーグ発足に合わせて誕生、翌1994年にJリーグに昇格しました。これまで森島寛晃選手、香川真司選手、南野拓実選手をはじめとする数々の日本代表選手、海外リーグで活躍する多くのプレイヤーを輩出してきました。
女子サッカーチーム「セレッソ大阪堺レディース」においても、日本女子代表の林穂之香選手や宝田沙織選手を輩出。セレッソ大阪は男女ともにサッカー界では「育成型クラブ」として、そのブランドを確立しています。
また、年2回、「ヤンマー #Football is our Engine サポーティングマッチ」と称して試合を通じたイベントを開催し、グループ社員のほか、セレッソファンや来場者の皆様とセレッソ大阪の熱戦を盛り上げています。

セレッソ大阪はクラブが掲げる理念の一つである「地域社会の発展への貢献」のため、下記のような活動も積極的に行っています。

  • 交通事故防止のため、大阪市内の小学校を対象に反射テープ付きランドセルカバーを配布
  • 大阪市立図書館、堺市教育委員会と連携した「読書推進プロジェクト~本を読んで、人生を豊かに~」の実施

2021年4月からは、ヤンマーグループの一つであるわくわくパーククリエイトがセレッソ大阪本拠地のある長居公園の指定管理者となり、セレッソ大阪とともに公園利用者の利便性が向上する活動を行っています。

ヤンマーグループはこれからも、さまざまなスポーツを通じて、豊かな生活文化の醸成と「ワクワクできる心豊かな体験に満ちた社会」の実現を目指していきます。

「サポーティングマッチ」の試合前の選手たち
「サポーティングマッチ」の試合前の選手たち
セレッソ大阪堺レディース 得点を喜ぶ選手たち
セレッソ大阪堺レディース 得点を喜ぶ選手たち
ランドセルカバーを贈呈するセレッソ大阪の森島寛晃社長
ランドセルカバーを贈呈するセレッソ大阪の森島寛晃社長

海外スポーツへのスポンサーシップ

サッカーへの協賛
ヤンマーが協賛するサッカーベトナム代表の選手たち
ヤンマーが協賛するサッカーベトナム代表の選手たち

海外においても、世界中で多くの人々に愛されるサッカーへの協賛を行っています。なかでも、東南アジア最強国を決定する「東南アジアサッカー選手権(旧AFF SUZUKI CUP)」への協賛は、東南アジア各国でサッカーを通じて私たちのお客様とともにワクワクと感動を分かち合う場になっています。

マリンスポーツへの協賛
レースに参加するYANMAR Racing
レースに参加するYANMAR Racing

セーリングは不確実性の高い自然環境を相手に知力・体力・操船技術を駆使することから、欧米では「キングオブスポーツ」と呼ばれて人気を集めています。
ヤンマーでは、格式高い世界的なセーリングレース「インターナショナルドラゴンクラス」の大会協賛を行っています。特に年間で最大のレースである「GOLD CUP」には2018年から冠スポンサーとしてサポートを行っています。
さらに、このドラゴンクラスに自社のセーリングチーム「YANMAR Racing」で参戦し、セーリング文化の発展に寄与しています。

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