環境
汚染防止
有害な化学物質や環境負荷物質の削減と管理の推進
化学物質の排出削減
環境に配慮した製品開発と環境リスクの低減を図るために、日本の化学物質排出把握管理促進法のPRTR制度に基づき、指定化学物質の使用量の管理・排出量の削減に取り組んでいます。
2020年度のPRTR対象物質の使用量原単位は、基準年である2011年度比27.5%の削減を実現しましたが、前年度比は0.8%の増加となりました。
第五次グループ環境中期計画では、国外の事業所については、新たに所在国のPRTR制度に基づく対象物質の管理を目標に掲げ、削減活動を展開していきます。
PRTR法第一種指定化学物質の取り扱い状況

PRTR法第一種指定化学物質の取り扱い

ヤンマーグループ各社のPCB保有状況(2021年6月末現在)
事業体名称 | 事業所・部門名(旧工場含む) | 保管物個数(処分対象) | 対象物総重量(kg) |
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ヤンマーパワーテクノロジー(株) 小形事業部 | 木之本工場 | 43 | 調査中 |
長浜事業所 | 56 | 調査中 | |
ヤンマーキャステクノ(株) 松江事業部 | 本社工場 | 8 | 1,180 |
(株)ヤンマービジネスサービス | 浦江(旧YES本社) | 70 | 14 |
関東流通センター | 6 | 2,360 | |
ヤンマーアグリ(株) | 岡山工場 | 4 | 4 |
山田工場 | 2 | 266 | |
南国工場 | 1 | 325 | |
ニューデルタ工業(株) | 本社工場 | 1 | 調査中 |
合計 | 191 | 4,149 |
サプライチェーン全体で環境負荷物質を管理
環境に配慮した製品開発と環境リスクの低減を図るために「グリーン調達ガイドライン」を制定し、取引先から供給される資材や部品に含まれる環境負荷物質の含有量について、2008年度から調査しています。
これらの情報は「製品含有環境負荷物質管理システム」により一元管理され、グループ各社の削減活動につなげています。
また、グリーン調達ガイドラインでは、ヤンマーグループ共通禁止物質を定め、削減状況により社内適応基準を設定し、削減を推進しています。
2019年度には、環境負荷物質の管理を強化するため、環境負荷物質管理推進責任者会議を設立し、2020年度からは、新たに製造部門をメンバーに加え、生産分野での環境負荷物質の管理・削減を進めています。今後もヤンマーグループ製品、および事業活動で使用する購入品に含まれる環境負荷物質の調査・管理を進め、環境負荷物質の削減に努めていきます。
ヤンマーグループ共通禁止物質 |
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アスベスト、特定フロン(CFC、HCFCその他)、PCBs、PBB/PBDE、水銀、カドミウム、六価クロム、塗料中の鉛、RCF(リフラクトリーセラミックファイバー)、PFOAとその塩及びPFOA関連物質 |
法規制の遵守と汚染防止
ヤンマーグループでは、日頃から関連法規の遵守を心がけるとともに、法に規定されている基準値より厳しい自主基準値による管理・運用をしています。
2020年度は、重大な環境法令違反事例として2021年3月にヤンマーキャステクノ株式会社松江事業部において、公共用水域への油流出事故が発生しました。再発防止に向けて、緊急時対応訓練などの取り組みを強化しています。
周辺環境への配慮
ヤンマーグループの各工場では大気や土壌など自然への環境汚染を予防し、周辺環境が常に良好な状況を維持できるようにさまざまな対策に取り組んでいます。
また、近年の住宅地の拡大により、隣接する工場では、騒音・臭気・粉じん等、周辺の生活環境に配慮した事業活動が求められています。
たとえば主力製品であるディーゼルエンジンでは、開発途上における耐久試験、出荷前の試験運転時に発生する排気ガスを大気へ放出しています。この排気ガスによる大気汚染を防止するため、排気ガス処理装置の設置を進めています。
また、工場で使用する化学物質・油脂類が漏えいすることによる水域・土壌の汚染防止のため、配管・貯蔵設備の定期検査、埋設配管の架空化、漏洩発見時に備えた教育訓練を行っています。
事業場敷地周辺が戸建住宅や高層マンション、大型商業施設などに囲まれた都市型工場では、騒音防止設備の拡充に努めているほか、夜間・休日等の時間帯については、騒音が発生する作業を自粛する等の配慮をしています。
また、住民からのご意見・問い合わせがあった場合には、現状確認を行い、発生源の対策・改善に向けた取り組みの説明を行っています。